2026/7/1
皆さま、いつもお世話になっております。出雲市議会議員の大村ともひろです。
昨日6月30日に、出雲市議会令和8年度6月定例会が閉会いたしました。今定例会では、市民の皆様の暮らしや地域経済、教育、福祉に直結する全16件の議案(人事案件、条例、予算、請願・陳情など)について、慎重かつ熱心な審議が行われました。
今回は、それぞれの議案の審議結果、および私自身の委員会・本会議における賛否の判断理由について、詳細に皆様へご報告いたします。
一、人事案件の審議結果
出雲市教育委員の任命について [可決]
二、議案(条例・契約・その他)の審議結果
今定例会に提出された条例の改正案や、大規模な工事請負契約など、以下の9件の議案について審議を行いました。いずれも慎重に内容を精査した結果、すべて可決いたしました。
出雲市税条例の一部を改正する条例 [可決]
出雲市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例 [可決]
出雲市長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例等の一部を改正する条例 [可決]
工事請負契約の締結について(長浜小学校東校舎改築(新北校舎建設)建築工事) [可決]
工事請負契約の締結について(令和8年度消防緊急通信指令施設機器更新工事) [可決]
備品の取得について(消防ポンプ自動車) [可決]
公有水面埋立てに関する意見について [可決]
市営土地改良事業計画の概要について [可決]
専決処分事項の指定についての一部改正について [可決]
三、令和8年度一般会計第1回補正予算について
予算関係では、「令和8年度一般会計第1回補正予算」が審議され、原案通り可決いたしました。 補正予算の総額は2億2,000万円となります。主な事業内容は以下の通りです。
トキの放鳥準備経費:令和9年初夏のトキの放鳥に向けた準備を円滑に進めるための経費です。
「ひかわ美人の湯」再開関連経費:先の定例会での結果を受け、4月1日より休館となっている「ひかわ美人の湯」の早期再開に向けた経費です。
農業用機械・施設整備等に対する補助金の追加:県の事業採択に伴う、地域の農業基盤を支えるための支援金です。
【注目事業】「ひかわ美人の湯」の7月中再開に向けて
多くの市民の皆様から「一日も早く再開してほしい」との切実な声をいただいていた「ひかわ美人の湯」ですが、今年度中は出雲市の直営で運営することが決定いたしました。 今議会において、運営管理費として6,050万円の予算が成立し、現在は7月中の再開に向けて、現場では急ピッチで準備が進められています。地域の憩いの場であり、観光資源でもある同施設の再開の目途が立ち、私自身も本当にほっとしております。安全で快適な再開となるよう、引き続き注視してまいります。
四、請願・陳情の審議結果と判断理由
今議会では、市民の皆様や諸団体から提出された4件の請願・陳情について審議を行いました。住民の皆様の安全や福祉に直接関わる議題であるからこそ、国全体の制度設計や財政の現実、本市の現状を照らし合わせ、責任ある判断を下しました。
1. 採択された請願・提出された意見書
地方財政の充実・強化に関する意見書の提出を求める請願 [採択]
地方自治体が安定した行政サービスを維持するためには、地方財政基盤の強化が不可欠であることから、本請願を採択いたしました。これに伴い、議会として国に対し「地方財政の充実・強化に関する意見書」を提出することを決定いたしました。
2. 不採択となった請願・陳情とその具体的な理由
以下の3件の請願・陳情につきましては、委員会において不採択の意志を表明し、本会議においても不採択に賛成いたしました。市民の皆様への説明責任を果たすため、その判断理由を詳しくご説明いたします。
① 高額療養費制度の自己負担月額上限引き上げを含む改定案を抜本的に見直し、撤回を求める請願 [不採択]
【判断の理由】 本請願にも記載されていた通り、「現役世代の保険料負担の軽減」は、すでに限界を迎えている現役世代の切実な声です。我が国の少子高齢化を鑑みれば、国民皆保険制度を将来にわたって持続させるための制度見直しは、避けて通れない待ったなしの課題と言えます。 また、今回の負担見直しが行われた後であっても、高額療養費制度そのものが廃止されるわけではありません。所得に応じたきめ細かな上限設定や、低所得者層への負担配慮措置はしっかりと講じられています。したがって、請願が主張する「患者の命綱を壊す愚策」という見解は実態に照らして不適当であり、国全体の医療保険の制度設計と財政の厳しい現実を厳粛に受け止め、不採択とすべきと判断いたしました。
② ロキソニンやアレグラなど薬の追加負担を行わないことを求める請願 [不採択]
【判断の理由】 現在、多くの国民が市販薬(OTC医薬品)を全額自己負担で購入し、日々のセルフケアに努めておられます。その一方で、医療機関を受診することで同じ成分の薬を保険適用により安価に入手できている現状は、医療保険制度上の著しい不公平を生んでいると考えられます。健全で公平な保険制度を維持するためには、今回の見直しは必要なものであると判断します。 また、本請願ではこれを「いのちに直結する問題」と断じていますが、政府の合意事項においては「がん・難病患者、低所得者、医師が医療上必要と認める者」は一律で追加負担の対象外とすることが明記されています。つまり、請願が懸念するような深刻な受療権の侵害には当たらず、国の方針に反対する根拠に乏しいことから、不採択とすべきと結論づけました。
③ 公立中学校における平和教育及び校外学習の政治的中立性と安全確保を求める陳情 [不採択]
【判断の理由】 本陳情は、辺野古の事案を受け、①平和教育の政治的中立性に関する基本方針の確認、②保護者への説明責任と安全管理の徹底、③過去の修学旅行・平和学習等の記録の確認、④それによって懸念が残る事例の実態把握、の4点を求めるものでした。 しかし、市執行部からの詳細な現状説明により、出雲市内の公立中学校においては、以下の通りすでに十分な対策と管理体制が徹底されていることが確認されました。
平和教育について:社会科や道徳の授業において学習指導要領に基づき適切に行われています。各校が提出する「学校経営概要」を市が確認し、政治的中立性の確保を含めた内容確認を厳格に行っています。
校外学習について:事前の届け出を必須とし、現場確認も実施しています。さらに校外活動事前チェックリストや行動計画等を提出させ、教育委員会の担当職員と管理職が二重に確認・指導を行っています。
修学旅行について:児童・生徒への事前説明だけでなく、保護者に対しても事前説明会の開催や詳細な文書配布を行い、丁寧な説明責任を果たしています。また、信頼できる旅行業者と正式な契約を結び、バス等の手配を含めた安全確保に万全を期しています。 またこれまでに懸念されるような事例は一切ないことが報告された上に、今後もし万が一の事態が生じた場合にも、即座に必要な措置を講じる構えが整っているとの説明がありました。このように、すでに現状の管理体制が極めて健全に機能しており、あえて本陳情を採択して実態把握等を行うべき状況にないことから、不採択といたしました。
五、おわりに
今回の6月定例会におきましても、財政の健全化、社会保障制度の公平な維持、そして子どもたちの安全な教育環境の確保という、多角的な視点から責任ある判断を重ねてまいりました。
特に「ひかわ美人の湯」の7月再開をはじめ、地域経済の活性化や市民の皆さまの福祉向上に繋がる事業が着実に執行されるよう、今後も議会の立場からしっかりと現状把握や支援を続けてまいります。
これからも市民の皆さまの声を真摯に伺い、出雲市の明るい未来のために全力で邁進してまいります。議会報告の内容や市政について、お気づきの点やご意見などがございましたら、どうぞお気軽にお寄せください。
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