2026/6/26
皆さま、こんにちは。出雲市議会議員の大村朋寛です。令和8年度6月定例会においては、大きく分けて3つの事項について一般質問を行いましたので、そのご報告を致します。
1. 職員採用における国籍条項の撤廃と現状
私はかねてから、公務員採用における国籍条項の撤廃については、安全保障上の懸念からすべきではないとの立場でありますが、市民の方からも問題提起を頂き、今回質問事項として取り上げました。しかし、本来は、安全保障上の懸念を取り上げ、運用自体を見直すべきという議論をしたかった訳ですが、事務局から人権保護を盾に、強い指導を受けたため、現状を問うだけの質問となったことを予めお伝えしておきます。
出雲市では、平成31年度職員採用試験から職種ごとに順次国籍条項を撤廃し、令和4年度から行政職の採用試験における国籍条項を撤廃しています。 市の答弁では、公権力の行使(税の賦課滞納処分や土地収容などの業務)や公の意思形成に関わる職(概ね課長職以上)を除き、日本国籍を必要としない運用が進められていることが説明されました。
しかし、制度が整った一方で、これまで、外国籍の方の正規職員としての採用実績は「ゼロ」であるという実態が明らかになりました。市は現在の運用を変更する考えはないとしており、また、安全保障上の懸念については、日本人同様の法規制で抑止されるとの見解を示しておりますが、今後も注視していく必要があります。
2. 消防団員の確保:地域の限界を突破するために
私自身も荘原北分団の一員として活動していますが、現場の団員不足は極めて深刻です。私の所属する分団では、定員20名ですが、近年定員割れが慢性化し、直近では16名で活動しております。
団員の補充の方法については、各地域で異なりますが、私の地域は、所属団員の個人的な勧誘と自治会の勧誘によって行われています。しかし、特に軸となる自治会勧誘について、年々自治会加入者の減少や当事者意識の欠如によって話し合いがままならない状態が深刻化しており、補充が上手くいかない要因となっております。ただし、そもそも消防団を担う事は、自治会加入者のみの責務ではなく、そこに住む住民すべてが請け負うべき責務であって、簡単に責任放棄ができてしまう仕組みそのものに問題があると思っております。
こうした課題を是正し、消防団員の確保がきちんとなされ、防災力の維持に繋がるよう、私は以下の2点を提案しました。
事業主への報奨金制度: 雇用環境を理由に入団を敬遠する場合が多い事から、団員となっても活動しやすい環境を整える企業を直接支援すべき。
市主体の募集体制: 地縁や団員個人の勧誘に頼る「限界」から脱却し、行政が直接市民へ働きかけるべき。
市からは、マスコットキャラクター「いずもりくん」の活用や出前授業によるPR強化の答弁がありましたが、私からの提案については、前向きな回答を得られませんでした。しかし、「消防団員の確保についても責任は市にある」との明快な回答を得ました。この責任を果たすべく、地域コミュニティに背負わせすぎている現状を抜本的に見直すよう、引き続き強く求めてまいります。
3. 地域コミュニティの維持:加入促進より「負担軽減」を
自治会加入世帯数は、10年前の平成28年4月1日時点で、4万939世帯でしたが、令和7年度は3万5891世帯となっており、この4年では、約3,000世帯も減少し、まさに危機的状況です。 市は新規加入者への行政ポイント付与などを始めていますが、新規加入者を増やす施策より、私は「今まさに地域を支えている既存加入者の負担軽減」を最優先に行い、加速する減少数を抑制すべきと訴えました。
特に、自治会が管理する防犯灯の公営化や維持費負担の軽減について議論しました。市は現行の補助制度の継続に留める考えですが、防犯灯は本来、行政が保障すべき暮らしの基盤です。
また、自治会加入促進の効果が薄い事を踏まえ、無理に「加入」を促すのではなく、イベントや特定の活動だけでも参画してもらう形を目標とし、その働きかけ役を行政が用意する人的支援策を提案しましたが、前向きな回答は得られませんでした。
結びに
「予算が厳しいから」と、これまでと同じ施策を繰り返すだけでは、地域の崩壊を止めることはできません。効果の不透明な予算を見直し、住民の暮らしの基盤を守るための「生きた予算の使い方」へ舵を切るべきです。
市民の皆様が「この地域に住んでいて良かった」と思えるよう、私はこれからも現場の声を届け、泥臭く活動を続けてまいります。
詳細なやり取りは、ぜひ以下の議事録や動画(https://www.youtube.com/live/MuviFH_kj-8?si=9ZSLIWJBq1T5kWIi&t=3157)
をご覧ください。
【議事録】
1. 職員採用時の国籍条項撤廃について
(質問): 事前通告に従い大きく分けて3点について質問します。最初の質問は職員採用時の国籍条項撤廃についてです。出雲市においては令和4年度より職員採用時の国籍条項が撤廃されたと承知をしておりますが、改めてその実態についてお伺いします。職員採用時の国籍条項撤廃について実施された経緯、現在の運用体制、そしてこれまでの申し込みも含めた採用実績について具体的にお聞かせください。
総務部長(答弁): それでは大村議員の職員採用時の国籍条項撤廃について、実施された経緯、現在の運用体制、これまでの申し込みを含む採用実績のご質問にお答えをしてまいります。日本国籍を有しない方の地方公務員としての任用につきましては、内閣法制局が示す見解として、公権力の行使または国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解すべきとしつつも、他方においてそれ以外の公務員となるためには日本国籍を必要としないとされています。本市におきましては以前は、職員採用試験で日本国籍を有することを受験資格に明記しておりましたが、先ほど述べた国の見解のもと国籍条項を撤廃する自治体が拡大している状況を踏まえ、平成31年度職員採用試験から職種ごとに順次国籍条項を撤廃しております。令和4年度からは行政職採用試験において国籍条項を撤廃しており、またその募集要綱では日本国籍を有しない人は採用後は公権力の行使または公の意思形成への参画に携わる職以外の職に任用する旨を明記しております。この中の公権力の行使とは税の賦課滞納処分や土地収容など市民に対して権利や自由または義務や負担を一方的に制限する内容の業務であり、また公の意思形成への参画に携わる職とは行政の企画立案決定等に関与する職で事務決裁権を持つ、概ね課長職以上と考えております。なお外国籍を有する方の本市の職員採用試験への申し込み状況の把握は、困難でありますけれども、正規職員として採用をした実績は今までにはありません。以上答弁といたします。
(再質問): 1点確認させていただきたいんですけれども、事前に伺ったところですね、今特に採用実績もないというところで、これからまた拡大していったり、あるいはまた元に戻すという、この運用についてですね、そういったこの運用は、特に変えるつもりはないと、それで、そうした議論もしていないということでしたが、そういうことでよろしいでしょうか。
総務部長(答弁): この国籍条項の扱い、職員採用試験における扱いについては、特段今のものをですね、変える、変更するという考えは今のところは持ち合わせておりません。
2. 消防団員の確保について
(質問): それぞれお答えいただきましたが、特に採用実績のところで現状実績はないということが確認できまして、これは有用な情報共有になったかと思います。それでは次の質問に移ります。消防団員の確保についてです。さて、消防団のなり手不足についてはこれまで議会でも再三にわたって取り上げられている課題であり、市においても様々な取り組みを進められていると承知をしております。特に消防団員の処遇や活動環境の改善は少しずつ少しずつ進められており、私自身、会社員時代も含め荘原北分団の一員として活動を始めて5年目になりますが、可能な範囲での活動がしっかりと担保されているなど、入団前に持っていた負の印象は概ね払拭されており、これなら続けるのも悪くないと感じているのが正直なところです。また、同僚の皆さんもそうした感想をお持ちの方が多い印象です。
しかし一方で、我が分団では団員の補充がうまくいかず、慢性的な団員不足の状況が深刻化しております。昨今、我々の分団では20名の定員が満たされない状況が続いており、現在に至っては16名で活動している状況です。昨年度も自治会を主体として団員確保のために動いていただいたわけですが、これまで団員を出せるかどうかという話し合い自体はしていただけていたのが一転し、もはや話し合いすらままならない状況で、団員確保がさらに難行しております。団としても個人の伝手等を活かし、勧誘活動は行っているものの、それぞれ個人の人脈には限界もありますし、勧誘活動自体負担となりますので意欲的に取り組めないのは無理もありません。結果として昨年度中の団員確保数は0にとどまり新年度を迎えております。このままでは団員不足による負荷が増大し、士気の低下に繋がり、退団者が続出して実質的な活動休止状態に陥る可能性も十分に考えられ大変危惧しております。
当然ながら分団間で差はあるとは思いますが、消防団の団員確保について、何とかなっていた状態からどうにもならない状態に陥り、防災力の低下が懸念される地域があるということをより深刻に認識していただきたいと思います。市民の皆様にも自分の地域はどうかということに是非関心をお寄せいただきたいと思いますが、こうした状況の抜本的改善を図るために以下質問を行いたいと思います。
まず1点目、被雇用者が入団しやすく、団員として活動しやすい環境の整備についてです。現在は大半が被雇用者であり、雇用環境を理由に入団を敬遠される事例も多数見受けられることから、雇用者側の理解を進め、より消防団活動のしやすい雇用環境を整えていただく取り組みが重要であると考えます。出雲市では主に消防団協力事業所表示制度の取り組みが行われていると承知をしておりますが、これは雇用者側の利点が乏しく広がっていない状況が見受けられます。そこでさらなる取り組み強化の必要性を感じております。他自治体の参考事例を上げますが、岐阜県では消防団雇用貢献企業報奨金制度が運用されています。この制度は過疎地域の消防団員を雇用し、活動しやすい環境を整えている中小企業や個人事業主に対し報奨金を交付するものです。私はこうした事例を参考にし、出雲市としても独自で団員確保への協力、活動環境の整備を条件とした雇用者への報奨金制度を設けるべきではないかと考えますが、見解を伺います。
次に団員募集体制の強化についてです。現状、消防団員の募集にあたり、市民に対し直接的な働きかけが行われる場は、自治会等の地縁による勧誘と消防団員による勧誘が基本となっている状況であると見受けられます。しかし現在は自治会未加入世帯も多くなり、その対象となる人数は限られております。またそうした直接的な勧誘が行われても組織として拒否される場合や親が拒否される場合も散見され、対象となりうるご本人にまで直接届かないことも多くなってきております。そのように市民に対する直接的な働きかけが限定的になっている結果、団員確保が難航し、団員不足の要因となっているのではないでしょうか。
限界の近い地縁等による募集体制への依存から脱却し、例えば納税や予防接種等の通知と同様に対象者に必ず届く形で募集の通知を行うことや、各種行政手続き窓口でチラシを配布するなどして啓発を行うこと、市内事業者や文化団体などの各種団体と連携した募集活動の実施をするなど様々な方法が考えられますが、そのように市主体で地域の負担を増やさない形で幅広く多くの方に直接的な働きかけが行われるよう改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。以上ご答弁をよろしくお願いします。
消防長(答弁): 大村議員の消防団員の確保についてのご質問にお答えいたします。初めに、被雇用者が入団しやすく団員として活動しやすい環境の整備に関し、団員確保への協力、活動環境の整備を条件とした雇用者への報酬制度を設けるべきとのご質問についてでございます。本市の消防団員は全体の約8割が被雇用者であり、入団しやすく円滑な消防団活動を行うためには事業主の理解と協力は不可欠であります。本市では出雲市消防団協力事業所表示制度により、勤務時間中でも災害に出場しやすい環境作りと消防団活動に協力いただいている事業所として現在34事業所を認定しております。認定の基準は4つございまして、従業員が消防団員として相当数入団している事業所、従業員の消防団活動について積極的に配慮している事業所、災害時に事業所の資機材を消防団に提供するなど協力している事業所、その他消防団活動に協力することにより地域の消防防災体制の充実強化に寄与しているなど市長が特に優良と認める事業所としております。この4ついずれかに該当していれば認定をしているところでございます。
協力事業所以外にも団員の希望により、勤務する事業所へ消防団活動への理解と協力を求めるお願い文を送付させていただいております。このことにより事業主からは一定の理解は得られていると考えており、ご提案の事業主への報酬制度の創設は現時点では考えておりません。一方で昨年度実施いたしました団員アンケートにおきまして、勤務中に仕事を抜けて災害出場することを職場で言い出しにくいとの回答も見受けられます。職場の同僚が団員を心よく送り出してくれる職場環境作りが求められております。このことを踏まえまして幅広く市民の皆様に消防団活動への理解を深めていただくためのPRに力を入れていくことが重要であると考えております。
次に団員募集体制の強化に関しまして、地縁や団員の勧誘による募集体制への依存を見直し、市主体かつ団員や地域の負担を増やさない形でより幅広く、多くの方に直接的な働きかけが行われよう改善すべきとのご質問についてでございます。少子高齢化という時代背景の中、団員のなり手不足という課題に対し、消防団改革の1つとして令和6年度から5カ年をかけて組織再編を進めているところでございます。本市の団員数は再編前の令和5年度は定員1841人に対して実員数が1635人で充足率は88.8%でありました。再編3年目の本年4月時点では定員を再編前と比較して333人減の1508人といたしました。この定員に対し実員数が1353人で充足率は89.7%となっております。
団員の選出方法につきましては、48分団のうち自治会への依頼や割り当てが11分団、団員による個別の直接勧誘が22分団、どちらも行われているのが15分団であります。また独自で活動紹介や代員募集についての広報誌を作成して自治会未加入世帯も含めて配布されている分団も19分団ございまして、それぞれの分団で工夫して団員募集が行われております。選出方法は分団や地域ごとにこれまでの経緯や状況が異なるため統一するのは難しいと考えております。入団のハードルを下げることが大切と考えておりまして、これまで消防団に対して厳しい操法訓練や拘束時間の長い活動への負担などのイメージがありましたので、団員の負担軽減など誰もが活動しやすい消防団となるよう改革を進めているところであります。
現在、消防団と消防本部が一体となり消防団の活動を知っていただくこと、魅力を伝えることを目的とした出雲市消防団魅力発信プロジェクトチームを立ち上げ積極的にPR活動を実施しているところであります。その一つとして小学校三年生を対象とした出前授業を、地元の消防団員が中心となって行っており、子どもたちへの防火、防災意識の啓発や、地域と消防団の関わりを紹介しております。この取り組みにより、出前授業を受けた小学生の保護者さんが、消防団に入団されたという実績もございます。現在のこどもたちが、10年後また20年後の消防団入団に繋がるよう、将来を見据えた取り組みを継続して参ります。また、出雲市消防団のマスコットキャラクター、いずもりくんを活用したPRを強化するための補正予算を本定例会へ提出しております。更に本市が開催するイベントや行政窓口でのチラシ配布、SNSによる配信など幅広く市民の皆様の手元へ届く積極的な広報を検討してまいりたいと考えております。地域を守る消防団をPRしながら消防団改革も進め、市と消防団が協力し団員確保と組織の維持に務めてまいります。以上答弁といたします。
(再質問): 先ほど、お答えいただいた中でですね、それぞれの分団で選出方法が異なるため、統一したものは作れないといった回答をいただいたんですけれども、うまくいってるところはいいんですけれども、我々のところみたいにもう本当にもうどうしようもない状況になっているところがありますので、そういったところだけでも希望に応じて何かこう、市のバックアップを受けれるという体制を作っていただくことはできないでしょうか。
消防長(答弁): はい、バックアップにつきましては、各分団としっかり話をさせていただいてるところもございますので、色々ご希望もあれば、可能なことをですね、しっかり、消防本部としても協力していきたいという風に思います。
(再質問): もう1点、改めてお伺いしたいんですけれども、本来、法律上はですね、この人材確保の責任を負うのは行政である、という風に規定されているはずなんですけれども、事実上地域コミュニティが背負わされているところは非常に問題かなと思っておりまして、改めてお聞きしたいんですけれども、消防団の人材確保の責任は誰が負うものでしょうか?お聞かせください。
消防長(答弁): はい、消防団の人材確保の責任についてというご質問でございます。議員からお話もありました通り、消防組織法という法がございまして、そちらで、市町村は当該市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有するという規定がございます。そういったことから、消防本部・消防署と共に本市の消防をになっていただいております消防団の維持につきましても責任は市にあるという風に考えております。そういった立場でございますので、本市といたしましては、消防機能を十分に果たせる体制を維持するため、国や県と連携し、消防団の活動環境の整備を進めてまいります。また、消防団と市が、協力しながら、消防団活動の理解促進や団員確保に向けたPR活動をさらに積極的に行いまして、地域に根ざした消防団の体制づくりに、一緒になって、務めてまいりたいと考えております。
3. 地域コミュニティの維持に向けた取り組みについて
(質問): はい、改めてですけれども、消防団の人材確保の責任を負うのは行政だということが、確認できましたが、是非ですね、その責任を果たすべく、新たに色々と取り組みを進めていただきたいという風に思います。またこれはですね、次の質問にもつながる部分ですけれども、この消防団の団員確保を巡ってですね、住民間の軋轢を生んでですね、地域コミュニティの活力を削ぐといった、一因となっている部分もありますので、早急に見直していただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
次の質問は、「地域コミュニティの維持に向けた取組みについて」です。
さて自治会を始めとする地域コミュニティについては、近年衰退が加速しており、市政課題としても重要な項目であります。出雲市でも維持、発展のための施策が講じられてきましたが、その状況はより深刻化しております。
出雲市総合振興計画出雲神話2030策定時の令和3年の市全体での自治会加入世帯数は38888世帯でしたが、令和7年度末は、35891世帯となっており、4年で、2997世帯減少したことになります。私の住む、荘原地区でも、近年、自治協会からの脱退や自治会の解散が相次いでおり、直近では6つの自治会が脱退及び解散をされるなど、衰退の傾向は顕著であります。こうした状況の原因には、市の見解にもあるように、役や会費の負担、住民の価値観の多様化や居住形態の変化などが挙げられます。
市の施策では、自治活動連絡調整費、コミュニティ助成事業、地区集会所設置補助、コミュニティ活動促進事業が地域コミュニティ維持のための支援策としてあると承知をしておりますが、令和3年度からの取り組みを分析してみますと、額に若干の増減はあるものの、ほぼ変わらない内容がずっと継続されております。加えて注視したいのが、出雲神話2030前期基本計画の実績と後期基本計画開始後の現在値です。前期基本計画の実績では、令和4年度末、目標とする自治会加入世帯数を38925世帯としたのに対し、38396世帯、令和5年度末は、目標38500世帯に対し、37571世帯、令和6年度末は、目標39000世帯に対し、36908世帯となっており、目標には届かず、右肩下がりな状況が顕著に見えます。そして、後期基本計画に入っておりますが、令和7年度末は、35891世帯となりました。この間の単年の減少世帯数を比べると、492世帯、825世帯、663世帯、1017世帯であります。令和7年度からは、新たな取り組みとして、自治会の新規設立及び加入した世帯への行政ポイント付与の事業が始められましたが、近年で一番減少数が多くなっています。これは、加入促進の効果が全く出ていないことの証左ではないでしょうか。このままでは、より衰退が加速し、地域コミュニティが完全に崩壊してしまう可能性も高いと、非常に危機感を感じます。以上を踏まえて、質問していきます。
まず政策の方向性についてです。
市長は過去の答弁で、行政ポイント付与の事業について「既に加入をしている世帯に対してもポイント付与を望む声があることは承知をしているが、まずは加入の推進を図ることを優先する」と述べられました。しかし、現状の減少率を見る限り、その優先順位は見直す時期に来ているのではないでしょうか。 現場の民意としては、既に地域を支えている自治会加入者への支援拡充を求める声が根強くあります。限られた財源の中で最悪の完全崩壊を回避するには、効果の見えにくい加入促進よりも、今まさに地域を支えて頂いている自治会加入者の負担軽減に重点を置くべきと考えますが、地域コミュニティ崩壊の危機に対する現状認識と併せて、市の見解を伺います。
次に、地域コミュニティの維持に向けた取り組みについてです。
現在、物価高騰や実質賃金が低迷する中、国民負担率は46%台となっており、多くの市民が日々の生活防衛に追われています。そうした中で、地域コミュニティを維持するための自治会費などの金銭的負担が、限界を迎えた世帯の地域コミュニティからの脱退を誘発しています。また、自治会未加入世帯の方々にとっては、加入することが新たな金銭的負担を意味するため、当然ながら新規加入の大きな障壁となっています。加入者が減れば、残された住民の一人あたりの負担はさらに重くなり、衰退が加速する。この負の連鎖が今、各地で深刻化しています。私は、この状況を捉えて市を責めるつもりはありません。なぜなら、市民の生活がここまで苦しくなっている根本的な原因は、例えば、消費税について、景気が低迷する中、適切な価格転嫁などできるはずがなく、赤字でも徴収されるため、国内の多数を占める中小企業の賃上げや投資を妨げているなどの本質的議論を避け、如何に消費税を温存するかが前提となっている社会保障国民会議が開かれていることに象徴されるように、経済成長によって税収を上げる事よりも、とにかく国民から税を徴収して配ることに終始する緊縮財政的な国家運営を見直さず、抜本的な経済再生に舵を切れない国政の不作為にあるからです。地方自治体がどれだけ努力を重ねても、国全体の経済政策が変わらなければ、住民の生活に根本的な余裕が生まれることはありません。
しかし、国が動かないからといって、私たちがこのまま手をこまねいていれば、地域の防犯、防災、環境衛生を支える地域コミュニティは本当に消滅してしまいます。国政が変わらないからこそ、一番身近で住民に寄り添う地方行政が、最後の防波堤として今できることを泥臭くやっていかなければならないのではないでしょうか。地域コミュニティによって維持されているサービスの中には、本来、行政が保障すべき住民の安心・安全な暮らしの基盤もあります。住民が生活苦の中でその基盤を支えてくれているのであれば、行政としてそこに相応の財政的支援を行うことは、極めて費用対効果の高い、生きた予算の使い方であると考えます。例えばこれまでもその一部である、自治会管理の防犯灯の公営化が提案されてきましたが、現状の設置・更新の補助を継続するという答弁に留まっています。また、先程も述べた通り、自治会加入者に恩恵のある行政ポイント付与をしてほしいという民意もあるようですが、既存の自治活動連絡調整費の業務委託料の増額なども手として考えられます。そこでお伺いしますが、こうした自治会加入者の金銭的負担の低減に直接繋がる施策の強化は、そもそも本格的に前向きな検討・議論はなされているのでしょうか。予算規模が大きいから無理だと端から後ろ向きになっていないでしょうか。自治会加入者の金銭的負担軽減を重要課題と捉え、他の予算や事業の見直しをすることによって、少しでも実現に近づけようとしているものがあるのか、現状を伺います。
次に、まずは際立って自治会加入率の低い出雲・斐川地域に限定し、自治会及び自治協会、またはそこから派生している各種団体と未加入世帯とのつなぎ役を配置することはできないでしょうか。既存の地域コミュニティから来る募集や依頼を各未加入世帯に、対面のやり取りで繋ぐ、また、各場所のご近所同士を繋ぐ、そうした役割を専門的に行う人材を行政で用意することが理想です。それによって、自治会加入の有無に関わらず、地域コミュニティの一員となる形を作り出せると考えます。
本来、その役割は各コミュニティの主体的な活動に委ねられていますが、自治会加入率の低下と共に、動ける人材が減ったことや、対象となる未加入世帯の数が増加し、範囲も拡大していることによって負担感が大きく、意欲がでない結果、コミュニティ内のやり取りに留まる場合が多いと思います。こうした活動に利用できる補助金もありますが、危機的な現状を踏まえれば、金銭的支援で活動を促すだけでなく、実際に動いておせっかい役となれる人的支援が必要です。例えば、私の住む荘原地区でも、自治会未加入世帯の方が消防団員を担っておられる好事例がありますが、そのように、壁の高い自治会加入や設立を目標とするのではなく、直接的な活動の募集・依頼の声掛けがなされる機会を増やすことによって、様々な地域コミュニティの一部の活動だけでも参画してもらい、地域コミュニティの活性化を目指す支援策の提案ですが、いかがでしょうか。以上、ご答弁をよろしくお願いします。
総合政策部長(答弁): それでは大村朋寛議員の地域コミュニティの維持に向けた取り組みについてのご質問に順次お答えをしてまいります。まず政策の方向性についてのご質問で、自治会加入者の負担軽減に繋がる支援を優先すべきとのお考えに対する市の見解についてでございます。自治会は、自分たちの住む地域を自分たちで住みやすくするために作られた、最も身近な住民自治組織でありますが、住民の価値観の多様化や近隣関係の希薄化などにより、自治会加入率は、年々低下傾向にございます。本市全体の自治会加入状況につきましては、10年前の平成28年4月1日時点で、加入世帯数4万939世帯、加入率66.7%であったものが、昨年4月1日時点では、議員に紹介頂いた通り、加入世帯数3万5891世帯、加入率51.8%となっております。自治会加入率が低下している主な要因と致しましては、加入のメリットが見えにくい、高齢で役が担えない、会費等の負担感がある、といった地域活動に参加する上での、負担感が増していることのほか、近年では、定年延長により、就業する人が増え、地域活動に参加しにくくなったことや、地域活動に対する住民意識の変化などが挙げられると思います。また、新たな住宅団地や集合住宅の世帯数が増加する中で、自治会等が設立されない場合や周辺に既存自治会等があっても加入されないことも要因の一つとなっております。こうした中、加入世帯の維持に繋がる脱退防止の取り組みは、自治会活動の継続に向けて非常に重要なものと認識しております。令和3年度には、自治会支援アドバイザー事業を創設し、自治会が抱える課題を洗い出し、その解決に結びつける取り組みを進めている所でございます。このアドバイザー事業に取り組んで頂いた5つの自治協会では、役員体制の見直し、また若い世代によるイベントの開催など自治会自ら地域活動を継続していくため様々な負担軽減に向けた取り組みを進めて頂いております。また、令和5年度から市が自治協会等に依頼している各種業務の負担軽減に向けた見直しに取り組んでおりまして、これまで、行政文書の配布数の削減、また自治協会等から選出頂く委員数の削減などを行ったところでございます。一方で、加入促進の取り組みも未加入世帯に対する働きかけや地域活動への参加促進を行う事で、より多くの住民の方が地域に関わり、課題解決や交流の輪が広がっていく必要な取り組みであると考えております。自治会の脱退防止と加入促進は、持続可能な地域コミュニティ維持のために両輪で取り組むべきものであることから、両者のバランスを取りながら引き続きチラシやホームページでの広報啓発や、各種依頼業務の負担軽減、また未加入世帯への個別訪問など、着実に取り組んでいくことが必要だと考えているとこでございます。
次に、地域コミュニティの維持に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。まず自治会加入者の金銭的負担軽減に向けた財政措置の検討状況についてでございますが、本市では自治会等の金銭的負担軽減のため、各種補助金などの支援をしておりまして、自治会等が設置した防犯灯につきましては、その設置費やLED防犯灯への更新費について自治会等に対し、費用の一部補助を行っている所でございます。補助金額は設置費の2分の1でございまして、補助上限額は、新設が3万5千円、更新が1万5千円でございまして、補助件数は、毎年概ね新設が100件、更新が500件ほどとなっております。自治会等が管理する防犯灯は現在約1万灯あまりございまして、近年自治会加入世帯数の減少や高齢化により、市が防犯灯の設置維持管理を行うべきとのご意見があることは承知しておりますが、市といたしましては、自治会等に負担いただいております電気代の削減に向けて、LED防犯灯の更新費用などに対する現行の補助制度を継続していく考えでございます。また広報誌など行政文書の配布や各種の調査の取りまとめ等の行政連絡業務につきましては、52の自治協会等と、約2200の自治会等に対しまして、委託料をお支払いしておりまして、本年度の委託料総額は約2500万円となっております。この行政連絡業務は現在、配布する文書の削減や各種委員選出見直しにより、自治協会等の負担軽減に取り組んでいるところでありまして、委託料に付きましては、現行制度の中で、引き続きご協力をお願いしたいと考えているところでございます。またいずも縁結びPAY行政ポイント付与については、現在3世帯以上で自治会を設立し、かつ自治協会に加入された世帯、1世帯当たり5000ポイントを付与しております。これに加え本年度は、自治協会からも要望がありました、自治協会加入の既存自治会に新規加入された世帯や個人で自治協会に新規に加入された世帯も対象とし、一世帯当たり1000ポイントの付与を開始したところでございます。一方で、既に加入されている世帯に対してポイント付与を望む声もございますが、まずは現在のポイント制度を活用していただくよう周知をしてまいる考えでございます。
次に地域コミュニティと未加入世帯を直接繋ぐ人的支援策についてでございます。本市では、自治会加入推進員を配置しておりまして、自治協会と連携して未加入世帯の多いエリアを中心に戸別訪問を行っております。訪問の際には、自治会はご近所同士の繋がりが深まり、日常生活の中で支えあう環境が整う事はもとより、災害時などいざという時に助け合える関係を築けることが一番のメリットであることなどその重要性を説明しているところでございます。議員ご提案の地域コミュニティと自治会未加入者世帯を直接つなぐ人的支援につきましては、現在の加入推進員の活動の中で、まずは未加入者が気軽にイベントに参加し、地域コミュニティの活動に触れる機会が持てるよう支援をしていく考えでございます。以上答弁とさせていただきます。
(再質問): それぞれお答えいただきましたけれども、この自治加入者の、金銭的負担の軽減というところではですね、当然、これ地域コミュニティの中でも、色々事業を見直していけばできることではあるんですけれども、やはりこれ特に防犯灯のところですけれども、じゃあ防犯灯の費用を削減しようと思ったらもうこれ防犯灯やめますという風になると思うんですけれども、その場合、そのしっかりと確保されていた今までのその防犯の機能というのが著しく低下してしまうわけですけれども、それでも良いと思っておられるんでしょうか?
総合政策部長(答弁): もちろん、議員さんおっしゃるようにですね、そういったあの、今設置してある市内、1万灯あまりの防犯灯をですね、維持していただくのは、防犯のため、子供たちのためにですね、必要なことだと思っておりますので、そういった自治会が消滅してですね、そういった管理ができないというようなことにならないように、少しずつ、そういった、先ほど申し上げましたように、加入推進員とですね、職員が、今ペアとなって1世帯1世帯、個別訪問するという地道な活動もしておりますので、そういった活動を続けながらそういったことないように、取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
(要望): 色々としたこうしたところはですね、やはりあの財政状況が厳しい中でですね、かなり、費用のかかってくるものだと思いますので、なかなか前向きにはできないのかなという風に思いますけれども、例えば、昨年の決算報告ではですね、事業効果が不明瞭で十分に説明されない事業がいくつか見受けられたことや、外部委託の事業について委託料の積算根拠や事業の効果が不明瞭なものがあったという報告も、されている状況でございます。そういった中でですね、色々施策や予算の使い方の見直しもせず同じことを続けても良いのかということを、強く申し上げておきたいと思います。いずれにしましてもこうした、暮らしの基盤を支えるですね、地域コミュニティが失われてしまわないようにですね、今後是非、色々見直しをしていただいて、もっともっと施策の強化をしていただきたいという風に申し上げて、私の質問を終わりとします。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>大村 ともひろ (オオムラ トモヒロ)>【活動報告】令和8年度6月定例会一般質問