2026/5/7
釧路市議会議員の木村はやとです
温暖化を防ぐために作ったはずのソーラーパネルが、温暖化を止めている湿原を破壊している——この「矛盾」をいっしょに考えてみましょう。
出典:釧路湿原自然再生協議会「釧路湿原の未来を考えてみよう」2026年3月発行
北海道にある釧路湿原は、ただの「湿ったところ」ではありません。地球の温暖化を防ぐ、洪水から街を守る、生き物を育てる——見えないところでたくさんの仕事をしています。
このパンフレットが伝えているのは、湿原の価値がこれからますます高まるということです。温暖化対策をしなかった場合、100年後の釧路周辺はどう変わるでしょう?
100年後のシミュレーション(温暖化対策なしの場合)
「再生可能エネルギー」として太陽光発電(メガソーラー)が広がっています。CO2を出さないクリーンな電気を作ると言われていますが——その建設地として、湿原が選ばれることがあります。
湿原を守ると
何千年分もの炭素を地中に閉じこめ続ける。洪水ピーク流量を30%削減。湿原の植生が気候変動を緩和する。
湿原を壊すと
泥炭が分解されて大量のCO2が大気へ放出。洪水防止機能が失われ街が危険に。一度失った湿原は元に戻せない。
これは「矛盾」です
温暖化を防ぐためにソーラーパネルを作っているのに、そのために湿原を壊すと、地中に蓄えていたCO2が一気に放出されます。「環境のために」した行動が、環境を悪化させてしまう——本末転倒です。
太陽光発電そのものが全て悪いわけではない
再生可能エネルギーは必要です。問題は「場所の選び方」。使われなくなった工場の屋根、駐車場の上、荒れた土地——湿原を壊さなくても、発電できる場所はたくさんあります。
自然再生という選択肢
釧路湿原では「自然再生協議会」が、湿原に流れ込む土砂を4割減らすための調整地を作るなど、湿原を守る取り組みを続けています。こうした自然の力を生かした対策が、気候変動にも強い社会を作ります。
「クリーン」という言葉をよく考えよう
「脱炭素」「クリーンエネルギー」と聞こえがよくても、どこで・どうやって作るかで結果は全然ちがいます。言葉だけで判断せず、その裏側を見ることが大切です。
釧路湿原から学べること
湿原はCO2を閉じこめ、洪水を防ぎ、気候変動から街を守っています。温暖化が進むほど、その価値は大きくなります。
それを太陽光発電のために壊すのは、守ろうとしている地球を自分たちで傷つけることと同じです。
本当の意味で環境を守るには「何をするか」だけでなく「どこで・どうやってするか」を問い続けることが必要です。
出典
・釧路湿原自然再生協議会「釧路湿原の未来を考えてみよう」2026年3月発行
編集・発行:釧路湿原自然再生協議会運営事務局(北海道開発局釧路開発建設部治水課)
・文部科学省・気象庁「日本の気候変動2025」
・釧路地方気象台・札幌管区気象台「釧路地方の気候変動」

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キムラ ハヤト/43歳/男
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