2026/7/5
昨晩、ある自治会の会合に参加させていただき、市政報告をするとともに、自治会員の皆さんから日頃感じておられるご意見やご質問を伺う機会がありました。
さまざまなご意見がありましたが、とりわけ多くの方が心配されていたのは、今後の自治会のあり方についてでした。
なかでも水路清掃については、「参加者が少ない」「危険である」「重労働である」といった声が多く聞かれました。高齢化が進む中で、これまで当たり前のように地域で担ってきた作業を、これからも同じ形で続けていけるのか。これは一つの自治会だけの問題ではなく、大垣市全体、さらには全国の自治会が直面している課題だと感じます。
また、近年は自治会長が1年交代、2年交代と、短い期間で交代していくことについても、疑問の声がありました。私に対しても、「自治会長は何年ぐらいやるのが理想だと思いますか」と質問がありました。
私自身は、1年や2年で自治会長が交代していくことには、正直なところあまり賛成ではありません。自治会長の仕事を覚えるだけでも1年はかかります。地域の課題を把握し、行政や市議会議員と相談しながら、長期的な視点でまちづくりを進めていくためには、できれば5年、6年くらいは務めていただけるとありがたいと思っています。
しかし、今の時代にそれを簡単にお願いすることはできません。それは現実を見れば、いわば夢物語に近いのかもしれません。
かつては、20年、30年にわたって自治会長を務める、地域の中心的な方がおられました。私が20歳ぐらいまで暮らしていた地域にも、戦争に行かれた経験を持ち、その後、地元で事業を起こし、地域の方々を雇用されていた方が自治会長をされていました。実に30年ほど務めておられたと思います。
その方は、地域の皆さんから深く尊敬されていました。戦争に行き、お国のために働かれたこと。戦後は地元で事業を起こし、地域を支えられたこと。そうした人生そのものが、地域の信頼につながっていたのだと思います。
一方で、とても厳しい方でもありました。子ども心に、尊敬と同時に畏怖の念も抱いていました。いたずらをすれば、容赦なく叱られました。しかし、誰も文句は言いませんでした。私自身も、叱られて当然だと思っていました。そういう時代だった、と言ってしまえばそれまでですが、地域の中に大人が子どもを叱り、子どももそれを受け止める空気があったように思います。
しかし、今はそのような時代ではありません。
サラリーマン家庭が増え、仕事をしながら自治会長を務めてくださっている方も多くなりました。平日は仕事、休日は自治会の会合や地域行事、市役所からの依頼文書への対応、回覧板、各種調査、清掃活動、要望の取りまとめ。自治会長の負担は、本当に大きくなっています。
にもかかわらず、市役所から自治会にお願いしている仕事は、相変わらず多いのが現実です。行政にとって自治会は大切な地域のパートナーです。しかし、そのパートナーである自治会が疲弊してしまっては、本末転倒です。
これからの自治会を持続可能なものにするためには、「昔はできていたから、今もできるはずだ」という考え方を改めなければなりません。
特に水路清掃や堤防の草刈りなど、危険を伴う作業については、自治会任せでよいのかを真剣に考える時期に来ています。高齢の方々が、滑りやすい水路に入り、重い土砂をかき出す。夏の暑い時期に堤防の草を刈る。これを地域の善意だけに頼り続けることが、本当に持続可能なのでしょうか。
私は、今後は市役所の現業職員、あるいは河川や水路、堤防除草に特化した作業体制を整えることも検討すべきだと思っています。もちろん、すべてを一度に行政が担うことは難しいかもしれません。しかし、危険度の高い場所、高齢化が著しい地域、参加者が集まりにくい地域からでも、段階的に行政が関与を強めていく必要があるのではないでしょうか。
これは単に自治会の負担軽減というだけではありません。地域の水路や河川を適切に維持管理することは、防災にもつながります。大雨の際に水が流れにくくなれば、浸水被害の危険性も高まります。水路清掃や除草は、地域の美化活動であると同時に、暮らしを守る大切な公共的な仕事でもあります。
であるならば、税金でしっかり支える仕組みを考えることは、決しておかしなことではありません。むしろ、これからの時代には必要な方向性だと思います。河川や水路の維持管理に特化した職員や作業チームを設ければ、働く場所づくりにもつながります。地域の困りごとを解決しながら、雇用も生み出す。そうした発想も必要ではないでしょうか。
自治会は、地域にとってなくてはならない存在です。災害時の助け合い、高齢者の見守り、子どもたちの安全、地域行事、住民同士のつながり。自治会が果たしてきた役割は非常に大きいものがあります。
しかし、その自治会を支えているのは、一部の熱心な方々の献身です。その献身に甘え続けていては、いつか限界が来ます。すでに多くの地域で、その限界が見え始めています。
自治会を守るためには、自治会の仕事を減らすこと。危険な作業は行政が担うこと。市役所からの依頼事項を見直すこと。デジタル化できる部分は効率化すること。そして、自治会長が一人で抱え込まない仕組みをつくること。
「地域のことは地域で」という言葉は大切です。しかし、その言葉が、地域への丸投げになってはいけません。
今晩の会合でいただいた声は、どれも切実なものでした。自治会をどう持続可能なものにしていくのか。これは、これからの大垣市にとって非常に重要なテーマです。
このままでは、サスティナブルな自治会とは言えません。
地域の力を守るためにこそ、行政が何を担い、自治会に何をお願いするのか。その線引きを、今こそ見直す時期に来ていると強く感じました。
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