2026/7/1
大垣市丸の内駐車場が、令和8年(2026年)6月30日午後10時をもって利用休止となりました。私も最後のお別れに行ってきました。丸の内駐車場は、丸の内2丁目にある市営の立体自走式駐車場で、収容台数は251台。市役所、大垣城、大垣公園周辺を訪れる方にとって、長年、中心市街地を支えてきた駐車場の一つでした。大垣市によれば、施設の老朽化が著しく、隣接する大垣消防組合中消防署分駐所の老朽化も踏まえ、公共施設再編の中で用地の入れ替えを行い、令和8年度から解体工事等に入るとのことです。
私にとって、この丸の内駐車場は、ただ車を停める場所ではありません。
市役所職員時代、私は生活安全課に所属していました。当時、この駐車場は生活安全課の所管であり、別の係の職員が現場に駐在していました。また、丸の内駐車場の地下には防災倉庫などもあり、私もその管理に関わっていました。仕事で駐車場に立ち寄ることも多く、事務所で少し休憩しながら、先輩職員の皆さんからいろいろなお話を聞かせていただいたものです。
ほんの20年ほど前のことです。
しかし、あのころ駐車場の事務所におられた先輩職員の皆さんの多くは、もうお亡くなりになってしまいました。そう考えると、建物の老朽化という言葉だけでは片づけられない、時間の流れのようなものを感じます。コンクリートの柱や、少し薄暗い通路や、料金所の窓口を見ていると、そこにいた人たちの顔や声まで思い出されます。
今の時代は、行政にもスピード、効率、説明責任、コンプライアンスが強く求められます。それは当然のことです。昔のやり方がすべて良かったなどと言うつもりはありません。
けれども、あのころの駐車場の事務所には、今ではなかなか考えられないような、ゆっくりとした時間が流れていました。先輩職員の経験談を聞き、仕事の勘どころを教わり、ときには世間話をしながら、行政の現場とは何かを肌で学んでいたように思います。マニュアルや研修資料だけでは伝わらないものが、ああいう場所には確かにありました。
公共施設には、機能があります。駐車場であれば、車を停めるという機能。防災倉庫であれば、災害に備えるという機能。しかし、長く使われた公共施設には、それだけではない役割もあります。そこに人が働き、人が訪れ、まちの日常を支えてきた記憶が積み重なっています。
丸の内駐車場は、老朽化という現実の中で、その役割を終えようとしています。中心市街地の公共施設をどう再編していくのか。消防、防災、駐車場、まちの回遊性をどう考えていくのか。これは、単なる建物の解体ではなく、これからの大垣のまちの形を考える一つの節目でもあります。
ただ、その前に一言だけ言っておきたいと思います。
長い間、本当にお疲れさまでした。
そして、私に多くのことを教えてくださった先輩職員の皆さんの記憶とともに、丸の内駐車場に「さようなら」と言いたいと思います。
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