2026/7/4
西武バス「泉38系統」が廃止されてから1年あまり。買い物、通院、通学、外出の足をどう守るのかは、地域にとって切実な課題です。6月30日の第4回「話し合いの場」で、ようやく実証実験に向けた具体的な運行計画案が示されました。
泉38系統は、大泉学園駅北口から大泉桜高校を経由し、長久保までを結ぶ大切な路線でした。しかし、西武バスは、車両の経年化、乗務員不足、2024年問題などを理由に、2025年3月31日で廃止しました。
その結果、7か所の停留所がなくなり、1日約600人が利用していた交通手段が失われました。地域からは代替交通を求める声が相次ぎ、練馬区議会でも「西武バス泉38系統に代わる交通手段の確保」を求める陳情が採択されています。
今回の話し合いでは、これまでの経緯として、令和7年11月に旧泉38系統の利用状況、令和8年1月にアンケート結果と運行条件、3月に意向調査結果と方向性を確認してきたことが報告されました。
示された案は、乗合型の定時定路線です。大泉学園駅北口から長久保まで、停留所は11か所。月曜日から土曜日まで週6日、9時から17時まで、1時間20分に1便程度の運行を想定しています。車両は定員9名のワゴン車1台、運行予定者は東都中央自動車株式会社です。
運賃は大人400円、小学生300円。70歳以上の方、障害のある方と介護人は100円引き、未就学児は無料とされています。予約なしでも乗れますが、一部の座席は事前予約できる方向です。

(出典:練馬区)
大きな論点は、使いやすさと継続性の両立です。
資料では、1便あたり5人が乗車した場合、年間支出は約2450万円。運賃を400円とした場合、収入は約750万円、収支率は30.6%、区の負担は約1700万円と試算されています。
運賃は安いほど利用しやすくなります。一方で、続けるためには財政負担とのバランスも考えなければなりません。区は、バスより高く、タクシーより安い水準として400円案を示していますが、利用頻度の多い方への負担感は丁寧に検討する必要があります。

(出典:練馬区)
ルートもまだ確定ではありません。目白通り南側では旧泉38系統の経路から一部変更し、東映撮影所裏を通る案が示されました。ただし、生活道路を通ることへの不安もあり、地域の理解を得ることが不可欠です。
また、電話予約を基本とする案ですが、若い世代にはネット予約の方が使いやすいとの意見もありました。満車で乗れない状況が続けば、せっかくの交通手段も利用されなくなります。利用状況に応じて、増車や時間帯の見直しも検討すべきです。

(出典:練馬区)
今後は、警察との停留所協議、既存バス停の共用に向けたバス事業者との調整、運賃協議会、地域公共交通活性化協議会を経て、国への運行許可申請が必要です。許可には約2か月かかるとされています。
泉38系統の問題は、大泉だけの問題ではありません。運転手不足や路線バスの縮小は、交通不便地域の多い練馬区全体が直面する課題です。
地域の足は、暮らしの土台です。実証実験を「やって終わり」にせず、本当に使いやすく、続けられる交通手段にすること。買い物、通院、通学、人とのつながりを守るためにも、一日も早い実現を求めていきます。

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