2026/7/1
第1章でまとめた草加市における育成保育制度の現状と限界、そして、前回の第2章では、近隣の川口市や越谷市が、民間園への補助金と技術支援の「両輪」で特別な支援が必要な子どもたちを受け入れている仕組みをまとめました。
草加でも実現を探っていきたいところですが、ここで必ず突き当たるのが、「その財源(お金)はどこから持ってくるの?」という非常に重く、現実的な壁です。言いっぱなしではない、現実的な提案が必要です。
視察した越谷市でもは、民間施設への加配保育士補助として、令和6年度決算ベースで16の民間園に対し、総額5,489万円もの補助金を支出しており、「年々増加して財政的に厳しくなっている」というリアルな本音を伺いました。
数千万円規模の新たな独自補助金を創設するとなれば、普通なら「こども未来部」の予算枠のなかで、「どこかの予算を削らなきゃいけないのか……」という、苦しい引き算の議論になってしまいます。
しかし、視野を広げると全く異なる視界が広がりました。市役所全体で捉える新しい財政戦略を提言しました。
民間への補助金が「単なる新たな財政負担」に見えてしまうのは、子ども部局の予算枠(部分最適)だけで見ているからです。
視野を広げて、「市全体(全体最適)」のコストで考えるとどうでしょうか。
これまで通り、公立園だけで育成保育をすべて抱え込んで実施していく場合、そこには莫大な「公務員保育士の人件費」が市全体で増加し続けます。(今回の議論では触れませんが、そもそもの保育士不足はもちろん解決しなければいけない課題です)
一方で、すでに市内にある民間園の既存インフラ(施設や人員)を活用し、そこに市が適切な補助金を交付して受け皿を広げる選択肢も加えたら、どうなるでしょうか。
結果として、「公立園だけで人を雇って維持していく人件費と比較すれば、民間へ補助金を出す方が、市全体の財政負担を圧倒的に低く抑えられ、かつ、より広範囲の児童を受け入れることができる」のです。
私は本会議場で、こう強く訴えました。
「この補助金自体、人件費の枠(市全体の予算管理の視点)で考えていいと思っています。広い視野で見ていただきたい!」
この瞬間、部局の枠を超えて市全体の財源や人件費を管理している総務部長が、私の発言を必死にメモに取っている姿が目に入りました。単なる「予算の要望」ではなく、市全体の経営戦略として大きなメリットがあるという本質が、しっかりと伝わった瞬間だと願うばかりです。
これからのニーズ急増に対応するためにも、民間園が手を挙げやすくするための独自の補助金制度の速やかなアップデートが不可欠です。
部局の縦割りを排し、市全体のコストを抑えながら、課題をチャンスに変える。
いよいよ次回は最終章。
財政リスクのカバーと、草加市が持つ最大の強みを活かした、「④両輪による育成保育の充実を―持続可能な草加の未来へ」をお届けします。
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ホーム>政党・政治家>佐藤 のりかず (サトウ ノリカズ)>第3章:補助金創設の財源どうするの?―「市全体」で捉えるコストの視点