2026/6/30
草加市で深刻化する、育成保育の受け皿不足。
第1章でまとめた草加市における育成保育制度の限界を乗り越えるため、私は先日、近隣の川口市と越谷市へ独自の視察にいきました。
そこで目の当たりにしたのは、「民間園との連携」や「子どもの権利の視点」などそれぞれのまちの先進性や特徴の数々でした。そして現場のリアルな工夫でした。
今回の第2章では、視察から見えてきた両市の特徴点を紹介します。
まず驚かされたのは、川口市の基本スタンスです。川口市でも就学前児童数は5年前より2割減っている一方、支援が必要な園児は令和3年度の184人から令和7年度には305人と急増しており、少子化の中でニーズが増える草加市と全く同じ傾向にあります。しかし、決定的に違うのはその「姿勢」でした。
視察の際、私が「育成保育の不採択(非該当)はどうなっていますか?」と尋ねると、担当職員さんから「こどもの権利条約に則り、障がいの有無に関わらず受入れ制限はしていません」という答えが返ってきました。草加市と同様に、困難なケースを話し合う審査会自体はあるものの、実際そこまで至ったケースは今までにないとのこと。
担当職員さんが「当然の感覚」で話してくださった本質的な感覚に、強い衝撃を受けました。
川口市では、公立40園を含む市内すべての認可保育所(約200施設)で受け入れを行っています。
入園申し込みの流れは、保護者が希望する施設へ直接連絡して必ず見学・相談を行った後、市へ申し込む仕組みです。保護者と園による「事前マッチング」を基本とすることで、入園後のミスマッチが起きにくいメリットがあります。施設側と保護者が納得して進められるなと感じました。ただ一方で、市役所側の選考負担は軽減されますが、各施設と保護者の負担は増します。
もう一つの視察先である越谷市でも対象児は増加傾向にあり、現在は公立17園を含む58施設で受け入れを行っています。
越谷市の素晴らしい点は、毎年度、市から民間施設に対して「次年度の受け入れ意向調査」を丁寧に実施し、少しずつ受け入れ施設を増やしてきたという、現場との合意形成のプロセスの丁寧さです。
入園申し込みは草加市と似ていましたが、選考で落ちてしまった場合の対応は異なりました。
仮申し込みの後に公立園での体験入所を行い、保護者・児童・学識経験者が面談する検討会議を経て決定します。万が一選考に漏れてしまった場合、「保留扱い」として年度内に入園できる可能性が残る運用を行っていました。
民間保育施設で育成保育ができるバックアップ体制も試行錯誤されていました。
川口市では、加配保育士1人につき月額23万円の補助をおこなっています。
さらに、園児が途中退園しても、雇った保育士さんの雇用を維持するために月額20万円を継続補助(最大12ヶ月)するという経営リスクにまで踏み込んだ支援制度もありました。
越谷市では、加配保育士1人につき月額22万円の補助をおこなっています。
さらに、新しく受け入れを開始した民間施設には、ハードルを下げるために「新規申込児童受入加算」として月額5万円を支給しているとのことです。
両市とも、この財政支援に加え、専門家による訪問支援や研修をセットで行っています。越谷市の民間施設からも「巡回支援をさらに増やしてほしい」という要望が出ているように、現場が求めているのは「お金」だけでなく、責任を持って預かるための「ノウハウや技術的なバックアップ」でした。
補助制度で経営リスクをカバーし、草加市がこれまで公立園で培ってきた「ノウハウ」を共有していく。この両輪の仕組みを構築していけば、草加市でも民間連携を進める土壌は間違いなくある。そう確信できる視察でした!
お忙しいなか最後まで丁寧に対応して下さった両市の担当職員のみなさん、視察を調整して下さった草加市議会事務局のみなさんに感謝です。
しかし、なにを始めるにも、必要になるのが財源。
次回第3章は、「補助金創設の財源はどうするの?」という疑問に対し、視察で確認した実情と乗り越えるための重要な視点を報告します。
1 / 2 / 3 / 4
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>佐藤 のりかず (サトウ ノリカズ)>第2章:川口・越谷の視察で見えた育成保育の突破口