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子どもの「できる力」を信じて見守る 【新温泉町議会議員 寺谷えいいち】

2026/7/1

子育てをしていると、つい手を出したり、答えを教えたりしてしまうことがあります。  
「早くしてほしい」「失敗させたくない」「困っていそうで見ていられない」——どれも愛情から出る行動ですが、その一方で、子どもが自分で考え、挑戦し、成長するチャンスを奪ってしまうこともあります。

先日、公明新聞のモンテッソーリ教育の記事を読み、あらためて「子どもの自主性を育てること」の大切さを考えさせられました。モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが提唱した教育法で、「子どもにはもともと自分で育つ力が備わっている」という考え方を土台にしています。大人が教え込みで子どもを“作る”のではなく、その力が自然に発揮されるように環境を整え、よく観察しながら見守ることが、大人の役割だとされています。

記事の中で特に心に残ったのが、「子どものチャンスを奪う5つのついつい」という言葉です。

- ついつい手を出してしまう  
- ついつい口を出してしまう  
- ついつい答えを教えてしまう  
- ついつい時間を優先してしまう  
- ついつい何でも与えてしまう  

どれも、子育て中の保護者なら「やってしまったな」と思い当たるものばかりではないでしょうか。モンテッソーリ教育でも、こうした「大人の先回り」が、子どもの主体的な学びや自信を削いでしまう、と指摘されています。

もう一つ印象的だったのが、「10秒待つ」という実践です。  
子どもが服を着ようとしているとき、コップに水を注ごうとしているとき、つい手を伸ばしたくなる場面で、まずは10秒だけ見守る——記事では、そうしたちょっとした「待つ工夫」が紹介されていました。実際にやってみると、子ども自身が考えたり、やり方を変えたりしながら、最後までやり遂げる場面が意外と多いのだそうです。

もちろん、危険が伴う場面や、どうしても時間の余裕がないときは、大人のサポートが欠かせません。モンテッソーリ教育も「見守れば何をしてもいい」という考えではなく、安全に配慮しながら、子どもが自分でできる部分を大切にしていく姿勢を重視しています。だからこそ、「いつでも放っておく」のではなく、「大人が一呼吸おいて様子を見る」「必要なときだけ、最小限の手助けをする」というバランス感覚が大切なのだと感じました。

子どもたちは、日々の生活の一つ一つの場面から、多くのことを学び取っていきます。服を畳む、食器を運ぶ、靴をそろえる——大人から見ればささいなことでも、子どもにとっては「自分でできた」という大きな達成感につながります。その機会を大人が先回りして取り上げてしまわないよう、「この場面は見守れるかな?」と自問する習慣を、私たち大人も身につけていきたいと思います。

モンテッソーリ教育が教えてくれるのは、「子どもは自分で育つ力を持っている」という希望です。大人がすべてを教え込まなくても、環境を整え、やり方を静かに示し、あとは信じて待つ——そのことで、子どもの中にある力が自然と育っていくのだと思います。

地域の未来を担う子どもたちが、自ら考え、行動し、たくましく成長していけるように。家庭だけでなく、保育園・学校、そして地域全体で、「子どものできる力」を信じて見守るまなざしを広げていきたい——そう強く感じています。

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著者

寺谷 えいいち

寺谷 えいいち

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