2025/11/22
お世話になっております。松尾祐樹です。
先週は年末調整に関する話に関連して、確定拠出年金、積立NISA、idecoの話をさせて頂きました。
どれも市場運用によるものですので、絶対に儲かるとは言えませんが、福利効果により少しずつでも長期で運用する方が良い、というお話をさせて頂きました。
今回は、そんな個人としての制度設計に関する話ではなく、年金基金、とりわけGPIFについてお話をさせて頂ければと思います。
GPIFとは、「年金積立金管理運用独立行政法人」の英語表記の略称なのですが、
年金保険料の積立金、言い換えると、年金支給されない分に関しては市場運用されており、
この市場運用自体は2001年度より始まっています。
市場運用開始時点では、財投機関債への投資割合が高かったのですが、2006年度以降は、株式や債券などのアセット毎の投資比率を決めながら運用を続けています。
第1期中間目標期間の2006~2009年度では「国内債券:国内株式:外国債券:外国株式:短期資産=67:11:8:9:5」でしたが、第二次安倍政権下で改定した2014年10月からのポートフォリオでは「国内債券:国内株式:外国債券:外国株式=35:25:15:25」となりました。一言でいえば、ローリスクローリターンの運用ポートフォリオから海外株・海外債券・国内株などリスク資産のウェイトを高めたということですね。足元、第4期中期目標期間(2020~2024年度)においては、「国内債券:国内株式:外国債券:外国株式=25:25:25:25」となっており、上記よりさらにリスク資産のウェイトが高まっています。
投資においては、利回りとリスクを天秤に掛けて整理していく必要があると考えていますが、
中長期で運用すべき年金資産をリスク分散しつつ、利回りを追求する現状の運用スタンスを高く評価しております。
その点では、2014年10月以降のGPIFの運用(ポートフォリオのウェイト変更)は正解だったと考えております。
結果として、2001年度末に約38兆円だった資産は2024年末に約249兆円、2025年度第2四半期末時点で約277兆円となっております。リスク資産のウェイトを高めた2014年10月(2024年第2四半期末)では約130兆円ですので、リスク資産のウェイトを高めて以降「10年間で+80%(倍増、、、とまではいかない)」の資産増大を実現しています。
もちろん、市場運用する以上、簿価(元本)割れするリスクも無い訳ではないですが、「福利効果」、そして、「リスク分散」の長期運用の王道を踏まえた運用で成果を出すことが出来ていると考えております。
さて、「福利効果」というのは、前回のコラムでも記載した通り、「元本100円」、「利回り4%」、「配当金は再投資」、、、、という前提で運用していくと100円に対して1.04の運用年数分累乗されていく、、ということを指しています。この「福利効果」の対義語は「タコ足配当」と言います。収益を上回る配当で原資産が縮小すると、それ自体が投資に対してネガティブな影響を与えるということですね。
GPIFの運用実績について、収益が好調である旨報道が流れると、「いつGPIFの収益は年金増額という形で反映されるのか」との声やGPIFの収益を他の政策の財源として活用するなどの意見も出ますが、現時点でGPIFの資産切り崩しには反対です。まだまだ「福利効果」による資産拡大を図っていくフェーズだと考えています。もちろん、資産が増えても使わなきゃ意味がないという意見もありますが、少子高齢化による年金財政の悪化が想定される中、切り崩しには慎重たるべし、というのが私の意見です。
個人としても年金システム全体においても、リスクとリターンを認識しつつ、より良いモデルとなることを切に願っております。
松尾祐樹
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マツオ ユウキ/33歳/男
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