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かつまた 修二 ブログ

南海トラフ巨大地震に向けた備えについて

2026/6/12

要約

尾張旭市議会議員の勝股修二です。

今回の一般質問で取り上げました「南海トラフ巨大地震に向けた備え」について、議会での質疑のポイントをご報告します。大規模災害から市民の皆さまの命と尊厳を守り抜くため、主要な4つの項目について現状確認と課題の提起を行いました。

1. 災害時における「尊厳」の保持

避難生活においても人間らしい暮らしが保たれるよう、防災計画の目的に「尊厳」という理念を明文化するよう提案しました。市からは「計画への直接的な追記は現時点では難しいが、尊厳を守ることは復興の基盤である」との認識が示されました。今後も防災基本条例の策定を含め、一歩踏み込んだ対策を検討してまいります。

2. 停電時の行政機能の維持

災害時の「頭脳」となる市役所機能について質疑しました。

  • 短中期: 非常用発電機と燃料補給により約4日間、LPガス発電設備の活用で最大1週間程度の行政機能維持を見込んでいます。
  • 長期停電時: 自力対応には限界があるため、県への移動電源車要請や電力会社との早期復旧連携が不可欠です。事前の備えの重要性を訴え、引き続き調査研究を求めました。

3. 停電時の上下水道の確保

生命維持に直結する上下水道について、長期停電時の影響や自家発電設備の稼働状況を確認しました。もし、停電が起き、追加燃料を手に入れることができなければ、14時間から24時間しか、本市の上下水道は稼働することができません。市民の尊厳を守るため、より強固なライフライン維持対策を求めるとともに、市民自身が備えることができるよう、働きかけて参ります。

4. 福祉避難所の環境整備

災害時の尊厳保持という観点から、要配慮者の受け皿となる「福祉避難所」の備えについても議論を深めました。特に停電時や避難環境において、要配慮者が安心して過ごせる体制がいかに構築されているか、ハード・ソフト両面から課題を整理し、実効性のある避難所運営に向けた対策を強く提言いたしました。

災害への備えに「完璧」はありません。「災害が起きる前にどれだけ準備できていたか」という視点を重視し、今回確認できた課題を一つひとつ解決へと繋げてまいります。

詳細は、ぜひ下記の一般質問の全文をご覧ください。

一般質問全文

日本維新の会所属、愛知維新の会尾張旭市議団の勝股修二です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次項目ごとに質問をさせていただきます。質問事項1「南海トラフ巨大地震に向けた備えについて」に入ります。
今日、全国各地で大規模な自然災害が相次ぐ中、本市においても想定される災害への備えは、市民の命と暮らし、そして「尊厳」を守る自治体経営において、最重要課題となっています。
尾張旭市地域防災計画、以下、本市防災計画とします。の179ページにおいて、本市に被害を及ぼすと考えられる地震は、南海トラフ地震をはじめ複数想定されており、「南海トラフ地震は、その発生確率や被害規模から、本市としてまず対策を講ずべき対象として考慮するものである。」とされています。本市防災計画の表記では、「南海トラフ地震」となっていますが、尾張旭市国土強靭化地域計画、以下、本市強靭化計画とします。や、その他の国などの資料等では「南海トラフ巨大地震」との表記が多いようですので、以後は「南海トラフ巨大地震」に表記を統一させていただきます。南海トラフ巨大地震の「防災対策推進地域」には、29都府県の700を超える市町村が指定されており、その対象エリアの総人口は約6,000万人から7,000万人規模と、全人口の約半数にのぼるとされています。その広域性と規模の大きさから、これまでの経験からは計り知れない想定外の状況が起こることも考えられます。
そこで、本市に迫り来るかもしれない大震災から、ハード・ソフト両面から真に市民の命と尊厳を守り抜くことができるのか、その備えの現状、今後の課題そして具体的な対応策について、順次お伺いしてまいります。

(1) 災害時にも『尊厳』を守ることについて

小項目1に入ります。まずは防災を考えるにあたっての「理念」について確認したいと思います。
本市防災計画の目的は、「市民のかけがえのない生命、身体及び財産を災害から保護すること」となっています。しかし、近年の災害避難所等の実態を見ますと、被災者の尊厳が損なわれる状況が多数発生したことにより、防災基本条例などの目的に「尊厳」を加える、戸田市や熊本市のような先進的な自治体も出てきております。本市では、防災基本条例といったものは制定されていませんが、それに対応するものは本市防災計画かと存じます。本市でも本市防災計画の目的に「尊厳」という文言を追加できないか、小項目1「災害時にも『尊厳』を守ることについて」お伺いします。

【総務部長】
お答えします。
市の作成する地域防災計画は、災害対策基本法に基づき作成が義務付けられており、国の災害基本計画や県の地域防災計画の内容等を踏まえて作成する必要があります。
そのため、計画の目的に「尊厳」を追記することは、国や県の計画との整合性やこの計画の目的として掲げる趣旨とも異なると思いますので、現時点では考えておりません。
なお、災害時においても被災者の尊厳を守ることは、人道的配慮だけではなく、災害対応やその後の復興を進めていく上でも基盤となる大切な基本理念であると考えております。
以上でございます。

【勝股修二】
ありがとうございます。尊厳を守ることは災害対応やその後の復興を進めていく上での重要な基盤であり、基本理念であることは、共有して頂いているということですが、本市防災計画への追加については、種々の兼ね合いもあり、現時点では考えておられないということです。ただ命を繋ぐだけでなく、避難生活における人間らしい「尊厳の保持」という視点は、今後の防災対策において極めて重要であると考えます。本市としても一歩踏み込んだ理念の構築に向け、明文化する方法をお考えいただけないでしょうか。私としても、「尊厳」を目的に含み、尾張旭市として地域特有の課題を盛り込んだ、尾張旭市防災基本条例の議員提案なども含めて検討して参りたいと存じます。

(2) 停電時の対応について

小項目2に入ります。南海トラフ地震においては、プレート境界地震であることから、沿岸部の被害が大きくなると予測されています。東海地方の沿岸部には、火力発電所や製油所、燃料などを搬入する港湾機能が集中しています。日本人口の約半数が被災すると言われている南海トラフ巨大地震においては、想定を超えるライフライン、特に電力の喪失が市民生活に甚大な影響を及ぼす可能性もあります。本市国土強靭化計画においても、起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)として、「5−2電力供給ネットワーク(発変電所、送配電設備)の長期間にわたる機能の停止」を想定されておられます。また、内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが令和7年3月に公表した、「南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害想定について 【被害の様相】」という文書にも、長期にわたる停電や製油所の被災想定などが記述されています。

ア 数日間において

そこで、本市における商用電源喪失が災害時に頭脳の役割となる、行政機能に及ぼす影響とその対応について、小項目2「停電時の対応について」の、ア「数日間において」の想定をお伺いします。

【総務部長】
市役所における備えと対応について、お答えします。
庁舎には非常用発電機が設置されており、災害等で停電した場合でも約15時間は、一定の行政サービスを継続するための電力を賄うことができます。
また、発電機の燃料である特A重油を補給し続けることで、約100時間、4日間程度は連続して運転が可能となります。
なお、災害対策本部を設置することとなる市役所南庁舎3階の講堂につきましては、令和元年にLPガスを熱源とした自己発電型空調器機を導入していますので、空調機と一部のコンセントについてはLPガスが満タン時であれば約160時間、一週間程度は使用することが可能と見込んでおります。
そのほかにも、持ち運びのできる大容量蓄電池を備えていますので、状況に応じて、使用したいと考えています。
以上でございます。

【勝股修二】
ありがとうございます。この質問については、本市の業務継続計画における公開情報ですので、質問しようか悩みましたが、質問の流れで、一応確認させていただきました。燃料を補充できない状況で最低限の行政機能を維持できるのは、約半日ということです。また、燃料の補充ができれば、4日余りは持ち堪えることができるということです。公開情報によると、250kVAの容量があり、一般的な機器であれば200kW程度の容量ですので、ある程度の全庁舎の機能維持は賄えそうです。自己発電型空調機器については、そこから供給される一部コンセントの容量が900Wということですので、講堂の空調の稼働に加え、照明やコンピューター数台の電力が賄えるといったところでしょうか。これらが最長で1週間弱ということになります。

イ 計画停電時において

それでは、次に南海トラフ地震発災時に起こりうる事態として、私が可能性が高いと考える、イ「計画停電時において」の想定をお伺いします。

【総務部長】
お答えします。
電力会社により計画停電が行われるケースとしては、複数の発電所が停止するなどの事態が発生し、あらゆる対策を講じても電力の供給が見込めない時の最終手段として実施されるものと想定しております。
先程お答えしました、庁舎の対応で例えますと、非常時において優先的に行う業務を実施しつつ、不要な電力を極力使用しない災害対応となりますので、非常用発電機や大容量蓄電池を併用するなど、臨機応変に対応しながら業務を継続していきたいと考えております。
以上でございます。

【勝股修二】
ありがとうございます。輸入環境が不安定となっている昨今において、南海トラフ巨大地震に限らず想定しておくべき状況であると考えますので、ぜひ事前のご検討をお願いします。

ウ 長期停電時(1週間程度)において

それでは、最悪の被害想定における、ウ「長期停電時(1週間程度)において」の想定をお伺いします。

【総務部長】
お答えします。
一週間に及ぶ長期間の停電に対しては、現在使用している非常用発電機だけで安定的に電力を確保することは困難であると考えております。
そのため、停電の長期化が見込まれる場合には、県を通じて移動電源車の派遣要請をしてまいりたいと考えております。
また、市役所や消防署等は尾張旭市地域防災計画では電力会社により優先的に復旧する施設となっておりますので、中部電力株式会社と早期復旧に向けた調整をしてまいります。
しかしながら、電力が長期間復旧しないことを想定した対策をとることは非常に重要な事でありますので、過去の災害事例における対策などについて幅広く調査研究したいと考えております。
以上でございます。

【勝股修二】
ありがとうございます。もし、長期の停電が起こったときは、十分な電力を確保する有効な対策は困難であるということです。県を通じて派遣要請する移動電源車についても、広域災害ではどの程度期待できるかは分かりません。無いものは無い、とした想定をしておくことも重要であると認識いただいているということですので、何卒お願いいたします。ここで、元国土交通事務次官、東日本大震災時の東北地方整備局長であった、徳山日出男氏のお言葉を紹介させていただきます。「あのときの機転だけでできたことなんて、一つもなかったんですよ。備えていたことしか役には立たなかった。災害が起きる前にどれだけ準備できていたか、というのが非常に大きかったんです。」  幅広い調査研究をお願いいたします。

(3) 停電時の上下水道について

小項目3に入ります。これまで、基本的な行政機能についてお伺いしてきましたが、これまでの大災害で住民の尊厳を害してきたのは、排泄物の問題です。また、飲用水や生活用水は、住民の生命と尊厳に大きな影響をもたらしてきました。これまで、上水道施設や管路の耐震化、応急復旧などについては検討と対策をして頂いてきたとは思いますが、本市防災計画186から187ページに、水道施設と終末処理場施設において「商用電力の停電時の対策として、必要に応じて自家発電設備等を整備する」とありますが、上下水道において、長期にわたる電源の喪失が具体的にどのような影響を及ぼすのか、小項目3「停電時の上下水道について」お伺いします。

【上下水道部長】
お答えします。 
上下水道につきましては、水道水を供給するための配水場と、下水を処理するための浄化センターが電力により稼働しています。両施設とも自家発電設備を備えていますので、停電が発生した場合でも、給水や下水処理を継続することが可能となっています。
自家発電設備による施設の稼働については、配水場では約14時間分、浄化センターでは約24時間分の燃料を備蓄しています。しかしながら、停電が長期化した場合には、追加燃料の確保が必要となるなど、施設の継続運転に支障が生じる可能性がございます。
水道につきましては、燃料が確保できない場合でも、手動操作により給水を継続することは可能ですが、水道水の供給元である愛知県営水道からの給水に制限や停止が生じる可能性もございます。
私どもといたしましては、停電時においても各施設の運転を継続できるよう最善を尽くしてまいりますが、給水や下水処理が困難となった場合には、大規模な断水や下水道への排水制限を実施することが想定されます。
 以上でございます。

【勝股修二】
ありがとうございます。長期停電が上下水道に与える具体的な影響と課題について、明確な数値を交えてご答弁いただきました。自家発電設備による稼働が、追加燃料のない場合、配水場で約14時間、浄化センターで約24時間、つまり「半日から1日程度」で機能に支障が生じる可能性があるという具体的な見通しが示されました。さらに、愛知県営水道からの給水停止リスクや、大規模な断水、そして「下水道への排水制限」までが公式に想定されているという点は、今後の防災計画を実効的なものにする上で、重要な共有事項であると考えます。電力喪失に伴う上下水道の停止、とりわけ排水制限による衛生環境の悪化は、避難生活における市民の健康や生活の質、そして市民の尊厳の維持に直結する、避けては通れない課題です。燃料確保の体制整備に最善を尽くしていただくことはもとより、こうしたインフラの機能喪失というシナリオをあらかじめ前提とした、事前の備えが不可欠であると認識いたします。行政による公助の限界を踏まえた上で、地域や家庭単位での備えをどのように補完していくべきか。この点につきましては、質問事項2において、町内会活動への支援、という観点から議論を深めてまいりたいと存じます。

(4) 指定福祉避難所と個別避難計画について

小項目4に入ります。令和5年9月定例会において、「災害時の避難行動要支援者の避難と福祉避難所について」お伺いし、人工呼吸器などの医療的ケアなど、電源が無いと生命を維持できない方についてお伺いし、関係各所との連携を図っていただいているとのご答弁をいただきました。それを踏まえて、本市防災計画33ページの(3)指定福祉避難所の指定の、アには、「市は、指定一般避難所内では生活することが困難な障害者、医療的ケアを必要とする者等の要配慮者のため、必要に応じて、指定福祉避難所として指定避難所を指定するよう努めるものとする」とあり、ただいま事務手続きを進めていただいているところかと思います。ウに「あらかじめ指定福祉避難所として指定避難所を指定する際に、受入れ対象者を特定して公示するものとする。」とした上で、エには、「市は、前述の公示を活用しつつ、指定福祉避難所で受け入れるべき要配慮者を事前に調整の上、個別避難計画等を作成し、要配慮者が、避難が必要となった際に指定福祉避難所へ直接避難することができるよう努める」とあります。有事の際、最も配慮を要する方々の命を守るため、現状においての要配慮者と指定福祉避難所のマッチング状況がどこまで進んでいるのか、その進捗と課題を小項目4「指定福祉避難所と個別避難計画について」お伺いします。

【総務部長】
お答えします。
個別避難計画は、町内会などの協力を得て作成していますが、要配慮者への支援体制や個人情報の取扱いなど課題も多く、福祉避難所との個別調整まではできていないのが現状です。
先日は、市役所の関係部署と社会福祉協議会で構成する「福祉避難所運営方法等検討部会」において、避難行動要支援者の受入先などについて検討を行いましたが、個別避難計画の作成には、地域の専門的な事業者との連携が必要となることや、その他にも各種課題があることを確認したところであります。
加えて、福祉避難所に全ての要配慮者を直接避難できるようにすることは、施設の規模や設備からも非常に難しいことから、直接避難できる要配慮者をどこで線引きするのか、課題が多いと認識しております。
以上でございます。

【勝股修二】
ありがとうございます。実際の個別調整までは進んでいない現状についてご答弁いただきましたが、検討会議において地域の専門的な事業所との連携の必要性についてなど、ご検討を続けて頂いているということです。直接避難できるよう配慮者をどこで線引きするのかが課題であるということですが、非常用電源を配備している福祉避難所ですので、まずは電源の有無が命に関わる、医療的ケアを必要とするかどうかで線引きをしてはいかがでしょうか。ご検討いただいている通り、地域の医療機関や訪問看護ステーション、介護事業所などと連携すれば、ある程度の実数と必要面積、必要な電力量の試算は可能です。そのうえで、次に考慮すべきは、認知症高齢者、知的・精神障がい児者、乳幼児等とその家族と考えます。極限な状態にある避難所においては、ただでさえ精神的なストレスが溜まり、人間関係のトラブルが生じやすくなります。これらの方々は、その特性から大声で叫んだり泣いたりしてしまうこともあり、お互いストレスを誘発しやすいことは確かです。そのため、同行するご家族などが申し訳なく思ってしまうこともあるようで、実際に熊本の震災においては、大部分の特別支援学校の子どもたちやその家族の避難先は車中泊であったということです。これを教訓に、熊本市は特別支援学校を「福祉子ども避難所」に指定し、整備したということです。本市においても、愛知県立瀬戸つばき特別支援学校について、愛知県と連携してご検討いただくことも一つかと思います。このように段階的に対応を進めて頂ければと思いますが、ここで再質問をお願いします。これらの提案に対する所感をお願いします。

【危機管理監】

 

【勝股修二】
ありがとうございます。大停電や道路寸断といった極限状態の中でも、本当にその計画通りに「直接避難」ができるのか、現場の実効性を担保するためのさらなる深化を期待いたします。
質問事項1では、有事の際に市民の尊厳を守るのは行政の役割であり、その行政機能は維持できるのか。また市民の尊厳に直接影響する、上下水道の機能はどのようになる可能性があるのか質問させていただきました。また、電源を喪失した状態において、電力に生命が依存されている方々についても質問させていただきました。しかし、来るか来ないのかわからない状況で、設備を殊更整える、あるいは燃料の備蓄をさらに増やすといったハード対策に、現状の市民サービスを抑制してまで財源を投入していくことは、現実的ではないと考えます。だからこそ私は、莫大な予算を伴うハードの整備だけに頼るのではなく、今ある地域のつながり、すなわち「町内会などのコミュニティ」というソフトの力を最大化し、知恵を絞って備えることこそが、本市の進むべき道であると考えています。それらを踏まえて、質問事項1を終わります。

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著者

かつまた 修二

かつまた 修二

選挙 尾張旭市議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 833 票
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肩書 理学療法士・ケアマネジャー
党派・会派 日本維新の会
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