2026/3/24
勝股修二です。議長の登壇許可をいただきましたので、愛知維新の会尾張旭市議団を代表いたしまして、上程されました「刑事訴訟法における再審に関する規定の改正を求める意見書(案)」に対し、反対の立場から討論を行います。
本意見書案の要望事項のうち、要望事項1の証拠開示の制度化や要望事項3の手続規定の明文化については、本年2月の法制審議会答申「要綱(骨子)」において、既に具体的な法整備の方針が示されています。
具体的には、裁判所による「証拠提出命令」や「証拠一覧表の提示命令」の創設、さらには再審請求審における「審判開始決定」後の事実取調べ手続の整備などが盛り込まれており、長年の課題であった制度の不備は、法改正によって直接的に解消される見通しです。
一方で、要望事項2の「検察官による抗告(不服申立て)の禁止」については、部会における全18回の審理の中で最も激しく意見が対立し、最後まで合意に至らなかった、極めて複雑な論点です。
これを受け、答申では、制度そのものの廃止ではなく、「附帯事項」という形で運用上の厳格な配慮を求めています。すなわち、検察官に対し、「もとより結論ありきではなく、慎重かつ十分な検討を確実に行った上で適切な対応がなされること」を強く望むとしており、司法の正確性と救済の迅速化を両立させるための「実務的な指針」が示されたものです。さらに、答申案では実務上の課題を直視し、抗告に関わらず、刑の執行停止や死刑確定者の拘置の停止を明文化することや、抗告期限が3日しかなかったことで、十分に論点整理をせずに抗告せざるを得なかった問題に対して、抗告期限を14日に延長するなどの、より現実的な解決策を提案しています。
このように、専門家による議論を経て、法整備になじむ事項と、慎重な運用によって対応すべき事項とを峻別した結論が出されている現段階において、当市議会が一方の極論である「禁止」を軽々に求めることは、法制審議会の積み上げた緻密な議論を軽視するものと言わざるを得ません。
また、要望事項4の証拠の保管及び保存のルールを定めることについても、法制審議会は附帯事項において、警察・検察に対し、事案に応じた適切な保管や管理の徹底を求めています。これらは、一律のルール化が困難な実務上の多様性に配慮しつつ、実効性を高めるための現実的な解決策です。
以上の通り、本意見書案は、既に法改正の道筋がついた事項と、慎重な運用が求められている高度な法的論点を混同し、一律の要望として掲げている点において、現在の国の動向や専門的な知見に照らし、適切さを欠いており、専門家の叡智が結集された『答申』の成果を事実上無視するものであると言わざるを得ません。 よって、本案については否決されるべきものとし、私の反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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ホーム>政党・政治家>かつまた 修二 (カツマタ シュウジ)>意見書案第2号刑事訴訟法における再審に関する規定の改正を求める意見書(案)」に対する反対討論