2026/5/14
市川市民の皆さまへ。
田中甲市長は、選挙公約で「児童相談所の管理」を掲げました。
これは、市川市政にとって非常に大きなテーマです。
現在、市川市の児童相談所業務は、市が直接行っているわけではありません。
市川市内の児童相談所対応は、基本的に千葉県の市川児童相談所が担っています。
田中甲市長が進めようとしているのは、単に県の児童相談所に文句を言うという話ではありません。
中核市移行や児童相談所の市への移管を視野に入れ、市川市が児童相談所をどう管理するのかという、市川市政の根幹に関わる政策です。
だからこそ、市民として確認しなければならないことがあります。
それは、
市川市が児童相談所を持つのか。
ではありません。
本当に問うべきなのは、
市川市は、児童相談所の強大な権限を監視する制度まで作る覚悟があるのか。
ここです。
詳しい制度解説は、noteでまとめました。

この記事では、明石市が独自に導入した「こどものための第三者委員会」と、国が導入した一時保護時の司法審査の違いを詳しく整理しています。
児童相談所という名前だけを見ると、子どもや家庭の相談に乗るやさしい機関のように見えるかもしれません。
もちろん、本来はそうあるべきです。
しかし、児童相談所には非常に強い行政権限があります。
子どもを一時保護できます。
親子を分離できます。
面会を制限できます。
通学や日常生活を制限することもあります。
これは、単なる福祉サービスではありません。
行政による、子どもの身柄拘束です。
だからこそ、児童相談所を県から市へ移すなら、単に看板を変えるだけでは不十分です。
千葉県の児童相談所を、市川市が小さくコピーするだけでは意味がありません。
市川市が児童相談所を持つなら、県よりも良い制度にしなければなりません。
そのために必要なのが、児童相談所の権限を監視する制度です。
国は2025年6月から、「一時保護時の司法審査」という制度を導入しました。
名前だけ聞けば、裁判所が児童相談所の一時保護をしっかりチェックしてくれるように見えます。
しかし、実態はかなり弱い制度です。
裁判官が子ども本人に会う制度ではありません。
保護者と児童相談所が対等に争う制度でもありません。
面会制限や通学制限の実態を、現場で調査する制度でもありません。
基本的には、児童相談所側が作成した資料を、裁判官が書面で確認する制度です。
しかも、親権者等が一時保護に同意した場合などは、一時保護状の請求対象から外れることがあります。
そうなると現場では、何が起きるでしょうか。
本来なら子ども本人の声を聞き、親子分離の妥当性を丁寧に見るべきところ、制度上は書類作成や同意取得に職員の労力が流れてしまう危険があります。
子ども本人に会わない。
一時保護所や委託先での子どもの状態を第三者が直接確認しない。
面会制限や通学制限の妥当性まで実質的に見ない。
これでは、子どものための審査というより、行政手続を整えただけの制度になってしまいます。
私は、こうした制度を偽装司法審査と呼ぶべきだと考えています。
司法審査という立派な名前はある。
裁判所という看板もある。
しかし、子どもの自由を奪う行政権限を実質的に縛る制度としては、あまりにも弱い。
これが国の制度の大きな欠陥です。
一方で、明石市はまったく違います。
明石市は中核市として、明石こどもセンター、つまり市の児童相談所を運営しています。
そして、単に児童相談所を作っただけではありません。
児童相談所の権限を監視するために、こどものための第三者委員会という独自制度を作りました。
この制度の核心は、次の三つです。
一時保護された子ども全員に、第三者が速やかに面会する。
子どもや保護者に異議があれば、第三者が検証・調査する。
その結果を、児童相談所が尊重して対応する。
これは、単なる「子どもの意見表明支援」ではありません。
一時保護の継続、面会制限、通学制限などについて、第三者が妥当性を確認する仕組みです。
つまり明石市は、国の司法審査よりも本質的な審査に近いものを、市のシステムとして組み込んだのです。
裁判所という名前はありません。
しかし、やっていることは、子ども本人に会わない国の書面審査より、はるかに実質的です。
国は書面を見る。
明石市は子どもに会う。
この違いは、非常に大きいのです。
明石市の制度は、普通の自治体が簡単に思いつくものではありません。
なぜなら、この制度は、児童相談所を単なる福祉機関として見る発想では出てこないからです。
児童相談所は、子どもの自由を制限する行政権限を持つ。
だから、その行政権限を第三者が監視しなければならない。
一時保護された子ども本人に、第三者が直接会わなければならない。
保護者からの異議も受け、面会制限や通学制限まで調査しなければならない。
これは、法の専門家の発想です。
明石市では、市長自身が弁護士であり、弁護士職員も市に配置されてきました。
だからこそ、児童相談所の一時保護を「福祉行政」だけでなく、行政権による人権制限として理解することができたのだと思います。
県でもできていない。
政令指定都市でもできていない。
特別区でもできていない。
他の中核市でもできていない。
公表資料で確認できる範囲では、明石市だけが、ここまで踏み込んだ制度を作っています。
これは、まさに唯一無二の制度です。
ここで、市川市政の話に戻ります。
田中甲市長は、選挙公約で「児童相談所の管理」を掲げました。
そして、市川市は中核市移行も視野に入れています。
中核市になれば、市川市が児童相談所を持つ可能性が現実味を帯びます。
では、市川市が児童相談所を持つなら、どちらの道を選ぶのでしょうか。
一つは、千葉県の児童相談所を市川市がそのまま引き継ぐ道です。
建物を作る。
職員を配置する。
国の基準を満たす。
国の一時保護時の司法審査に従う。
これだけなら、形式上は市の児童相談所になります。
しかし、それでは県から市に看板が変わるだけです。
もう一つは、明石市型の道です。
児童相談所を作るだけでなく、児童相談所を監視する制度も作る。
一時保護された子ども全員に第三者が会う。
子どもや保護者が異議を出せる仕組みを作る。
面会制限や通学制限まで第三者がチェックする。
児相の判断を児相だけに任せない。
市川市が本当に子どものための児童相談所を作るなら、こちらを目指すべきです。
市川市が児童相談所を持つ意味は、千葉県と同じことを市が行うことではありません。
市川市がやるなら、千葉県より良い制度にしなければなりません。
千葉県の児童相談所よりも、子どもの声を聞く。
千葉県の児童相談所よりも、親子分離を慎重に見る。
千葉県の児童相談所よりも、面会制限や通学制限を丁寧に検証する。
千葉県の児童相談所よりも、第三者の目を入れる。
そうでなければ、市に移管する意味はありません。
市民から見れば、管轄が県から市に変わっただけでは意味がないのです。
子どもにとって良くなるのか。
保護者にとって透明になるのか。
行政の暴走を止められるのか。
誤った一時保護を防げるのか。
面会制限や通学制限をきちんと見直せるのか。
ここが問われなければなりません。
本来であれば、国が法律で児童相談所の権限を厳しく縛るべきです。
子ども本人の意見をどう聞くのか。
親子分離を最後の手段にするには、どのような手続が必要なのか。
一時保護の必要性を、誰が、どの資料で、どの基準で確認するのか。
面会制限や通学制限を、どのようにチェックするのか。
児相が間違えたとき、子どもと保護者はどのように争えるのか。
これらは、本来、国会が法律で整備すべきことです。
しかし、国が作った一時保護時の司法審査は、実効性の乏しい書面中心の制度にとどまっています。
ならば、市が児童相談所を持つ場合、どうするべきか。
国の制度が弱いなら、市が独自に補うしかありません。
明石市は、それをやりました。
国の欠陥を、自治体の制度設計で補ったのです。
市川市も、本当に児童相談所を市で管理するというなら、ここまで考える必要があります。
市川市は、国の欠陥を市でカバーする覚悟があるのか。
田中甲市長の「児童相談所の管理」という政策は、そこまで踏み込むものなのか。
ここが、市民として最も確認すべき点です。
田中甲市長に問いたいと思います。
市川市が児童相談所を管理するなら、明石市の制度を研究しますか。
一時保護された子ども全員に第三者が面会する仕組みを作りますか。
保護者や子どもが異議を出せる第三者検証制度を作りますか。
面会制限や通学制限まで、児相とは別の第三者が確認する制度を作りますか。
児相の判断を児相だけに任せない仕組みを、市川市として作る覚悟がありますか。
市川市が目指すのは、千葉県の児相のコピーですか。
それとも、明石市のように、国の欠陥を市で補う本質的な児童相談所ですか。
私は、市民としてここを問い続けたいと思います。
児童相談所は、作ればよいものではありません。
作るなら、同時に縛る制度を作らなければなりません。
子どもを守るための児童相談所が、子どもの自由を不当に奪う制度になってはいけない。
親子を守るはずの制度が、親子を不当に切り離す制度になってはいけない。
だからこそ、児童相談所を市に移管するなら、明石市型の監視制度まで含めて議論すべきです。
市川市民が見るべきポイントは、単純です。
田中甲市長が進める児童相談所政策は、単なる移管なのか。
それとも、児童相談所の権限を監視する制度まで含めた、本質的な改革なのか。
この違いです。
児童相談所を県から市へ移すこと自体が目的になってはいけません。
目的は、子どもの権利を守ることです。
親子分離を慎重にすることです。
行政権限を透明化することです。
誤った一時保護や過剰な面会制限を防ぐことです。
そのためには、明石市型の第三者監視制度が重要な参考になります。
市川市が児童相談所を持つなら、千葉県の児相を小さくコピーするだけではいけません。
市川市が目指すべきは、明石市のように、児相権限を子どもの側から監視できる制度です。
市川市は、県から児童相談所を引き取るだけなのか。
それとも、国の欠陥を市で補い、子どもの権利を守る本質的な制度を作るのか。
田中甲市長の覚悟が問われています。
明石市が導入した「こどものための第三者委員会」と、国の一時保護時の司法審査の違いについて、詳しくはこちらで解説しています。
たかさん。
市川市を拠点に、児童相談所問題、子どもの権利、行政の透明性、地方自治、統治構造の欠陥について発信しています。
登録里親として長年児童福祉の現場に関わり、令和6年行政書士試験に一発合格。現在も法律を学びながら、市川市政と児童相談所問題について発信を続けています。
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