2026/3/19
「青森で暮らし続けられる地域」を、どうつくるのか。
大きな言葉にすればそうなるのだけれど、実際にはかなり地味な話の積み重ねだ。
地域の中小企業が仕事を続けられること。
人手不足や物価高の中でも、事業を何とか前に進められること。
交通のあり方を、まちづくりとあわせて考えること。
文化施設が、ただ作品を見る場所ではなく、次の人材や表現を育てる場所であること。
地域の課題を、県がちゃんと受け止めて、市町村や現場とつないでいくこと。
3月の経済交通観光委員会では、こうしたテーマについて質問した。
まず、経済分野。
青森の中小企業は、地域の雇用を支え、暮らしを支え、地域経済そのものを支えている存在だ。
ただ、この数年の経営環境は本当に厳しい。
物価高、燃料費の高騰、人手不足、賃上げへの対応、コロナ禍の融資返済、外的な経済ショック。
一つひとつはニュースの中の言葉に見えるかもしれないが、実際には地域のお店や会社の毎日の経営に直撃している。
だからこそ、県内企業の新しい挑戦をどう支えるのか。
そして、青森の中小企業全体をどう底上げしていくのか。
この両方が必要だと考えている。
今回取り上げた一つが、オープン・イノベーション創出事業。
少しカタカナで分かりにくいが、要するに、県内企業が県外企業や専門的な技術を持つ企業などと組み、新しい商品やサービスを生み出していく取組だ。
県の答弁では、今年度、3件のプロジェクトが生まれたとのことだった。
たとえば、和紙マルチシートを活用したイチゴ栽培、照明と睡眠効果の数値化、杉の樹皮やホタテ貝殻粉末を活用した次世代舗装材の開発など。
こういう話は、青森らしい可能性があると思う。
ホタテの貝殻、杉、農業、製造業。
それぞれ単独では見えにくい価値も、別の分野とつながることで新しいものに変わる。
外から大きな企業を引っ張ってくるだけではなく、青森にある資源や技術や人を生かして、青森の中で価値を生み出していくこと。
その先の事業化、販路、資金面までどうつなげるかも含めて、継続して見ていきたい。
あわせて、中小企業振興基本条例を踏まえた県の取組も確認した。
県は、GX青森の推進、スタートアップ支援、消費喚起、賃上げ環境の整備などに取り組むとしている。
もちろん、どれも大事だ。
ただ、私が気になっているのは、それが本当に幅広い中小企業、とりわけ小規模事業者の事業継続や底上げにつながるのかという点だ。
人手も時間も余裕もない小さな事業者ほど、制度を調べることも、申請することも、設備投資を考えることも簡単ではない。
「支援制度があります」で終わらせず、必要な人に届く仕組み。
相談に来るのを待つだけではなく、課題を見つけ、つなげていく関わり方。
そうした視点が必要だと思っている。
次に、交通・観光分野。
青森操車場跡地、いわゆる青い森セントラルパーク周辺への新駅設置可能性調査について質問した。
新駅については、長年、地域の期待がある。
一方で、駅をつくるかどうかは、期待だけで決められる話ではない。
需要は本当に見込めるのか。
鉄道事業として持続可能なのか。
建設費はどうなるのか。
自由通路や駅前広場、アクセス道路など、駅本体以外に必要な整備は何か。
周辺のまちづくりとどう整合するのか。
県の答弁では、青森市と連携し、需要の想定、施設整備計画、概算建設費、採算性などを専門調査会社に委託して調査するとのこと。期間は令和8年度末までの予定。
調査をすること自体が目的ではない。
調査で何を明らかにし、その結果をどう受け止め、どう判断するのか。
ここを丁寧に見ていく必要がある。
また、県立美術館についても質問した。
青森県立美術館は、今年7月に開館20周年を迎える。
青森の文化、芸術を発信する大切な拠点だ。
ただ、20周年は単なる記念の年ではなく、次の20年を考える節目でもある。
展覧会を開く場所としてだけではなく、学芸員などの専門人材を育てる場であり、県内の若手作家に光を当てる場であってほしい。
県の答弁では、学芸員の研修やOJT、所蔵作品の調査研究、学芸員を目指す大学生の実習受け入れ、若手作家をワークショップ講師に起用する取組などが示された。
文化は、観光資源である前に、地域の中で育っていくものだと思う。
青森の作家、青森の表現、青森の記憶。
それを掘り起こし、伝え、次の世代につなぐ人が必要だ。
最後に、地域連携事務所と地域づくりについて。
地域県民局から地域連携事務所へと体制が変わった。
組織の名前や形が変わっても、地域の課題がなくなるわけではない。
人口減少、人手不足、交通、買物、担い手不足。
地域の現場にある課題は、どれも待ったなしだ。
だからこそ、担当者の頑張りだけに頼るのではなく、地域の声を受け止め、市町村や団体、県庁内の関係部局につないでいく仕組みが大事になる。
県の答弁では、地域づくり勉強会、市町村への伴走支援、青森新時代共創ラボ、県民対話集会「#あおばな」などを通じて、地域の声を吸い上げ、実際に協力してやってみる仕組みづくりに取り組んでいるとのことだった。
地域づくりは、すぐに結果が出るものばかりではない。
何回集まったか、何件実施したかだけでは見えないものも多い。
それでも、人と人がつながり、地域の課題を共有し、次の動きが生まれることには意味がある。
経済、交通、観光、文化、地域づくり。
一見ばらばらだけど、根っこはつながっている。
青森で仕事が続くこと。移動できること。文化が育つこと。地域課題が置き去りにされないこと。
どれも、青森で暮らし続けるための土台。
派手な話ではないかもしれないけど、こういう土台が細くなれば、暮らしも地域も少しずつ弱っていく。
だからこそ、これからも一つひとつ確認していきたい。
青森で暮らす人の生活の場を、仕事の場を、表現の場を、地域のつながりを、どう守り、どう次につなげていくのか。
そんな視点で、引き続き議会で取り組んでいきます。
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