2026/5/10
2027年3月31日までに400冊読む修行🏋️♀️
現在 322/400冊
題名 『嘘だらけの日本近世史』
所感 「伏見宮家は江戸時代に絶えかけながらも存続し、明治以降も皇族であり続けましたが、占領下で皇籍を剝奪されました。だから今の皇位継承問題の議論は、江戸時代の歴史を知らないと判断できないのだと感じました。」
📘本の概要📘
江戸時代の天皇が何者だったか、ほとんどの日本人は知りません。教科書でも受験でも、「後水尾天皇が紫衣事件で幕府に抗議した」「光格天皇の時に尊号一件が起きた」と丸暗記させられるだけで、その間の165年はまるごとスルーです。第112代霊元天皇のような重要な天皇でも、一般の知名度はゼロ。なぜそうなったかというと、江戸時代の天皇は御所の外に影響力をほとんど持てない状態に置かれていたからです。
ところが幕末になると、突如として天皇の存在感が浮上します。本書はその理由を解き明かすために、話を織田信長の時代から始めます。
天下人が天皇の権威を必要とした理由は明確です。武力だけでは支配は長続きしない。豊臣秀吉は1585年に関白の地位を得ることで、天皇から正式に天下人として認められました。その翌年以降、島津や北条など秀吉に従わない大名は「天皇の第一の臣下の命令に従えないのか」という論理で討伐されています。天皇は政治の実力者を承認する存在であり、その承認がなければ支配の正当性が保てなかったのです。
しかし徳川幕府が成立すると、天皇の地位は大きく縛られます。1615年の禁中並公家諸法度(かんちゅうならびにくげしょはっと・ごく簡単に言うと朝廷と公家を幕府が管理するための法律)によって、天皇が行うべき仕事は詩歌や学問とされ、政治への関与は実質的に封じられました。第108代後水尾天皇は幕府の方針に抵抗しましたが、最終的に娘の明正天皇に譲位するという形で幕府の圧力を受け入れます。
それでも歴代天皇は何もしなかったわけではありません。後水尾天皇以降、まず朝廷の儀式(朝儀)を少しずつ復活させることに取り組みます。第112代霊元天皇はその中でも特に重要で、儀式の整備を精力的に進めました。しかし皇位継承は常に不安定で、東山天皇以降は側室が何人いても子供がなかなか育たない状況が続きます。
その積み重ねの上に立つのが第119代光格天皇です。1779年に即位した光格天皇は、幕府の老中・松平定信と「尊号一件」(そんごういっけん・天皇が父親に称号を贈ろうとした出来事)で正面から対立しました。光格天皇は幕府の反対を受け入れましたが、武家の論理に対して朝廷の独自の権威を主張したことは、幕末に天皇が担ぎ上げられる土台のひとつになりました。1840年に光格上皇が崩御すると、息子の仁孝天皇は父に「天皇号」を贈ります。これは村上天皇以来、873年ぶりの復活でした。
本書の結論は明快です。「幕末に日本人が突如として天皇を担ぎ上げた」のではありません。後水尾天皇から約150年かけて積み重ねられた権威の回復があったからこそ、天皇は幕末の危機において必要とされたのです。そして現在の象徴天皇制は、江戸時代の天皇の立場とよく似ています。現代の皇位継承問題を先例なしに議論することはできない。本書はその前提知識を提供するために書かれています。
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【ルール】
①本の読み返しOK(カウントは2回まで)
②挫折禁止の為、宣言と公開
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