2026/7/10
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
日本経済の大きな転換点となった「マイナス金利政策」。言葉は耳にしても、その具体的なメカニズムや、私たちの社会を支える金融機関の舞台裏でどのような動きがあったのかは、意外と知られていません。
今回は、金融市場の仕組みを視覚化した資料を基に、この特異な政策の本質を整理してみたいと思います。
日本銀行がマイナス金利を導入した際、民間銀行などが日銀に預けている当座預金の一部に -0.1% の金利を課しました。これは、預けておくだけでお金が減ってしまうという「ペナルティ」のような状態です。
銀行側の心理としては、日銀に預けて損をするくらいなら、たとえわずかな利息でも、あるいはマイナス幅が小さくて済むなら、他の誰かに貸し出したいと考えるようになります。
そこで舞台となるのが、銀行や証券会社、保険会社などが日々資金を融通し合う「短期金融市場」です。
銀行は、日銀に口座を持っていない保険会社や投資信託に対して、日銀の「-0.1%」よりも有利な金利(例えば -0.05% など)であれば、喜んでお金を貸し出そうとします。これにより、市場全体の金利が強力に押し下げられていきました。
| 指標(2023年7月28日時点) | 数値 |
|---|---|
| 無担保コールO/N物レート(平均) | -0.059% |
| 同(最高値) | 0.001% |
| 同(最低値) | -0.087% |
銀行側は「損を減らせる」というメリットがありましたが、借り手側である保険会社や投資信託にとっては、非常に厳しい経営環境となりました。低金利やマイナス金利が続くことで、以下のような課題に直面したからです。
一つ目は「運用の難化」です。保険会社は契約者に一定の利回りを約束していますが、市場全体がマイナス金利では、約束した利回りを確保することが難しくなる「逆ザヤ」のリスクが生じます。
二つ目は「投資信託の運用停止」です。プラスの利回りが出せなくなった一部の投資商品は、運用を停止せざるを得ない状況にまで追い込まれました。
アダム・スミスやケインズといった先人たちが築いた経済学の歴史を見ても、「金利がマイナスになる」という世界は極めて異例な事態でした。こうした政策は景気の下支えを目的としていますが、同時に現場の金融プレイヤーには多大な変革を強いるものでもありました。
今後も、こうした経済の視点を大切にしながら、市民の皆様の暮らしに直結する金融・経済の動向を注視してまいります。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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