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「自然由来として特異」——釧路湿原メガソーラー予定地で基準超え有害物質、北海道が調査命令

2026/5/11

釧路市議会議員の木村はやとです

釧路市北斗・土壌汚染問題レポート 情報源:STVニュース北海道(2026年1月14日・3月19日)、釧路新聞(2026年3月6日)


再生エネルギー開発の波に乗り、釧路湿原国立公園に隣接する北斗地区で進められていたメガソーラー建設。その予定地の土壌から、ヒ素・フッ素・ホウ素がそれぞれ異なる地点で基準値を超えて検出されました。北海道は「3カ所で異なる物質が出るのは、自然由来としては特異な現象」と指摘。単なる手続き違反を超え、「土地そのものが人為的に汚染されている疑い」 という新たな問題が浮上しています。


土壌汚染問題の時系列

2025年 着工時|届け出なしで着工——土壌汚染対策法違反

土地の形質変更(造成)には土壌汚染対策法に基づく事前届け出が必要です。しかし大阪の事業者はこれを行わずに工事を開始。後の調査で発覚し、これが確認された3件の法令違反のひとつとなりました。


2025年 8〜9月|届け出遅延が発覚。北海道が行政指導

道の調査で届け出が期限を過ぎて提出されていなかったことが判明。道の指導を受け、9月に事業者がようやく届け出を提出しました。


2026年 1月13〜16日|道の立会いのもと、土壌ボーリング調査を実施

本来は着工前に行うべき土壌調査を、工事中断後にようやく実施。4.7haの予定地で以下の規模で採取・検査が行われました。

調査の規模

  • 表層調査:30地点・6検体
  • 深度調査(地下3mまで):6地点・24検体
  • 検査対象:重金属など特定有害物質 26項目

2026年 3月3日|調査結果を道に報告——3物質が基準超え

大阪の事業者が調査結果を道に報告。3地点でそれぞれ異なる有害物質が検出されました。

基準値を超えて検出された物質

物質 検出地点
ヒ素(As) 地点A
フッ素(F) 地点B
ホウ素(B) 地点C

⚠️ 道はこの結果について「3カ所でそれぞれ異なる汚染物質が検出されることは、自然由来としては特異な現象」と指摘。 土砂の搬入など、人為的な原因の可能性が排除できないとしています。(釧路新聞 2026年3月6日)


2026年 3月3〜18日|2週間の弁明期間。事業者が弁明書を提出

調査命令の発出に先立ち、道が設けた弁明期間。3月18日に大阪の事業者からメールで弁明書が届きましたが、道は「発出に影響するものではない」と判断しました。


2026年 3月5・19日|鈴木知事が「土壌汚染状況調査命令」を発出

北海道が3月5日に命令発出を発表し、3月19日付で正式発出。指定調査機関による詳細な土壌汚染状況調査が義務づけられました。道も現場に立ち会う方針で、調査結果が出るまでの工事停止も求めています。

「調査にあたっては汚染の範囲や程度を的確に把握できるよう、国や道総研(北海道立総合研究機構)に助言をもらい、実施内容を指導していきたい」 ——鈴木直道・北海道知事(2026年3月19日 定例会見)


2026年 7月16日(期限)|土壌汚染状況調査の結果報告期限

命令発出から120日以内に、指定調査機関による詳細調査の結果を報告する義務があります。汚染の「範囲」と「程度」が確定し、その後の区域指定・措置命令の有無が決まる重要な節目です。


結果次第で何が起きるか——区域指定の仕組み

詳細調査の結果を受け、北海道は以下のいずれかを判断します。

要措置区域 汚染が認められ、健康被害のおそれがあると判断された場合に指定。汚染土壌の掘削・区域外搬出など、浄化措置が命じられます。

形質変更時要届区域 汚染はあるが、即時の健康被害リスクは低いと判断された場合に指定。土地を改変するたびに届け出が必要となり、搬出土壌の管理義務が生じます。

指定なし 詳細調査で基準値以下と確認された場合。事業継続の可能性が残りますが、他の法令問題(森林法違反など)は依然として残ります。


なぜ深刻なのか——問題の本質

「自然由来として特異」——人為汚染の疑いが浮上 北海道の地質ではヒ素などが自然に含まれる土壌もあります。しかし3カ所で「それぞれ異なる物質」が出るのは、道が「特異な現象」と認めるほど異例です。土砂の搬入など人間の行為による汚染の可能性が排除できません。

釧路湿原の水系への溶出リスク ヒ素・フッ素・ホウ素はいずれも水溶性が高く、雨水や地下水とともに移動しやすい性質があります。建設予定地は釧路湿原国立公園に隣接する土地であり、湿原の水系や生態系への影響が懸念されます。

着工前調査を「後から」やった構造的問題 本来は工事前に実施すべき土壌調査を、着工後・工事中断後に実施しています。「違反後に後から届け出れば認められる」という前例が定着すれば、全国の開発現場で同様の問題が繰り返されかねません。


2026年7月16日まで、注目すべき3点

  1. 汚染の「範囲」が焦点 ——詳細調査で汚染が予定地内にとどまるのか、周辺の湿原・水系に及んでいるかが判明する。
  2. 「要措置区域」に指定された場合、浄化費用・期間が膨らみ事業継続が事実上困難になる可能性がある。
  3. 「人為汚染」と結論づけられた場合、誰がいつ何を持ち込んだかという責任の所在と、より厳しい法的対応の行方が問われることになる。

参考資料:STVニュース北海道(2026年1月14日・3月19日)、釧路新聞(2026年3月6日)

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