2026/3/20
令和8年度杉並区一般会計予算 意見開陳

維新・無所属議員団を代表して、議案28号 令和8年度杉並区一般会計予算ほか、当委員会に付託されている各議案について、意見を申し述べます。
まず、区政を取り巻く環境についてですが、
政府の令和8年度、税制改正大綱では、自動車税・軽自動車税 環境性能割の廃止や、道府県民税 利子割の見直しが示され、
また、固定資産税の偏在についても 令和9年度以降に検討される
とされており、特別区財政への影響が懸念されます。
杉並区財政では、歳入面で、区民所得や納税義務者数の増加により、
基幹収入である特別区税の増収を見込んでおり、
また、企業業績等を反映した特別区財政交付金も増収を見込んでいますが、
ふるさと納税による 約66億円の税流出や、
国の税源偏在是正の影響などを挙げ、楽観視できる状況でないという区の見解も示されていると承知しています。
また、地方特例交付金については、歳入の不安定化につながる懸念はないと確認しました。
歳出面では、保育関連経費や障害福祉サービス費などの、
社会保障費の増加が続く一方で、物価高騰による委託経費や職員人件費の増加、区立児童相談所の開設に伴う、運営費や維持管理費など 新たな経費が加わり、財政規模は拡大傾向です。
その結果、令和8年度一般会計予算は2,535億円余となり、引き続き大きな規模の予算となりました。
新規事業としては、区民葬儀に関する助成、児童相談所の運営、児童福祉審議会の運営、子どもの安全対策、児童相談所の維持管理の5事業で、
約10億4千万円余が計上されています。
施策面について。
まず、区民のいのちと暮らしを守る施策に重点をおいた、大きな考え方として
防災・減災対策は基礎自治体の重要な責務であり、
首都直下地震等に備えた 建築物の不燃化・耐震化、震災救援所の質向上、
備蓄品充実などの予算措置は評価します。
令和7年9月の擁壁倒壊事故を受け、擁壁安全対策工事の助成制度新設も
重要な取り組みであり、適切な予算措置が行われている点は評価します。
また、物価高騰の影響を受ける中小事業者への支援、
介護職員等への 居住支援の新規実施、地域福祉コーディネーター増員など、
区民生活を支える施策も進められています。
細かく見ていきますと、
強くしなやかな防災・減災まちづくりの施策として、木造住宅 密集地域等の解消に向けた取り組みや、狭あい道路の拡幅整備の推進、災害の対策だけではなく、区による防犯対策も含め、情報が区民に行き届く仕組みとしての、防災・防犯等情報メールについても確認ができました。
にぎわいと活力を生み出す地域産業の振興の施策としては、
中小企業支援の観点における就労支援の取り組みや、農業の支援・育成、
若手アーティスト文化芸術活動助成における、子育てに対しての柔軟な緩和措置等、配慮や工夫を評価します。
環境・みどり、気候変動対策においては、貴重なみどりである、屋敷林・農地の「杉並区みどりの基本計画」に基づいた取り組みについても確認でき、
庁内のペーパーレス化の取り組みにより、温暖化対策としても徐々に目標に向かっていることを評価します。
福祉分野では、「ひとり親家庭実態調査」によって、実態を多角的に把握・分析した結果の、「離婚前後の家庭に対する支援講座の開催」等、
当事者の声をもとにした支援であることを評価します。
また、障害のある方が、希望するときに希望の場所へ、
より行きやすくするための、移動支援事業の拡充と、ガイドヘルパーのサービス単価の見直しにより、福祉人材と、その質の確保を図る取り組み、
緊急時の、地域での支援体制強化などについても評価できます。
但し、これらの議論に際し、支援制度は存在するだけでは十分ではなく、必要な方々に届いているかの捕捉率の検証が不可欠である、という考えを、
ここで改めて申し添えます。
教育分野では、学び続ける力を育む 学校教育の推進の施策として、
教職員の働きやすさ、負担軽減が、子どもへの関わりの手厚さにつながる、
という観点から、今年度から始まっている次世代校務DXの推進について
詳しく確認し、教職員のシステム理解度に応じた研修など、
23区の中でも、しっかりと時代の流れに乗ることができていること、
また、特別支援教育の「個別の学び支援システム」の活用、
発達障害児への教育的支援といった、いずれも「教える側」への適切な
支援の充実、幼保小連携の推進など、多様な支援が進められていることに、
一定の評価をします。
さらに、子どものいじめ問題や学校における重大事案への対応についても
議論しました。
現在、杉並区では教育委員会を中心とした対応が基本ですが、子どもの権利擁護や重大事案の早期把握の観点からは、教育委員会とは別の体制の整備も、重要であると考えます。
確かに相談の窓口が増えることで、軽微ないじめであっても早期に把握でき、
警察等との躊躇のない連携や、法的な専門的観点からの判断も可能になることも理解いたします。
一方で、「これはいじめなのかどうか、まず事情・意見を聴いて協議する」という対応だけでは、軽微・つまり、いじめの可能性がある不適切な行為を即時に止めることにはつながりません。
私たちが求めているのは、軽微であっても重大であっても、まずは行為を即時に止めることを最優先とし、その上で関係機関が連携し、事実関係の調査や
対応を協議していくという姿勢です。
先進事例の調査はすでに進められているとのことですので、ぜひさらに
実態に応じて、子どもの命と尊厳を守る体制の、一層の充実を図っていただき、
杉並モデルとして、
「誰が区長となっても」いじめ解決のための
力強い取り組みを、早急にスタートさせることを求めます。
財政面については、持続可能な財政運営、予算規模の拡大に対する認識、
自治体の担税力向上という三つの視点から、総合的に判断しました。
社会保障費の増加や物価高騰の中でも、財政規律を意識した予算編成が行われ、地域経済の活性化や産業振興を通じた、税源育成の視点も盛り込まれており、
評価できます。
以上の点から、維新・無所属議員団は、議案第28号杉並区一般会計予算に賛成します。
次に、特別会計について申し述べます。
国民健康保険事業会計は、子ども支援金分が加わったものの、
前年から減であった 令和7年度からは、7億8,441万円の増加に留まり、
適正なものと考えます。
介護保険事業会計は、13億59,87万円の増加であり、これは保険給付費の
増加見込み等によるものであり、適正と認識いたします。
後期高齢者医療事業会計は、高齢者の自然増による医療費増と、広域連合納付金の増などの要因により、16億3,210万円と10.0%の増となり、これも適正と認めます。
今後とも保険料負担軽減を目指すことを、明確に求めた上で、
議案第23号及び第29号から31号、第35号及び第36号に賛成します。
また、予算以外に当委員会に付託された10議案について、必要な改正等であることを確認しました。したがって、議案第13から22号には賛成といたします。
議案第37号 令和8年度杉並区一般会計補正予算(第1号)については、熱中症による健康被害の予防を図るため必要な経費とし、賛成します。
なお、我が会派の代表質問や予算審議の過程で申し上げた内容
とりわけ、災害対策としてのコミュニティFM開設、
都市農業支援、緑の強化、商店街支援、発達障害児支援など、
区民生活を支える 幅広い施策につきまして、予算の執行に当たり
留意するよう改めて強く要望いたします。
これらは、生活の安全・福祉・教育・地域活動の質を高める
重要な取り組みですので、この場で改めて、
潔いリーダーシップを 区長と教育長に 強く求めます。
結びに当たり申し上げます。
行政の仕事は制度を作ることだけではありません。
本当に大切なのは、その制度が必要とする人に確実に届くかです。
ひとり親家庭への支援、障害者の地域生活支援、子どもの権利擁護など、
行政の役割は 社会の中で困難を抱える人々を支えることです。
「人一人は大切なり」という言葉があります。
まさに、一人ひとりの区民、とりわけ、子どもの声に耳を傾けることこそ、行政の責務です。
いま、子どもたちは自らの困難について、我々大人に向けて、
警鐘を鳴らしています。
この声を受け止め、具体的に、支援や改善につなげることが求められます。
区政が、今後も 区民一人ひとりに寄り添い、必要な支援が確実に届く行政であり続けることを強く求めます。
最後に、予算審議に際し真摯に御答弁いただいた理事者の皆様、資料作成に御協力いただいた職員の皆様に感謝申し上げるとともに、公平公正な委員会運営を行っていただいた正副委員長に感謝し、会派を代表しての意見開陳といたします。
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