2026/2/1
こんにちは!ライターのみなみです。
今回はあきらさんの2026年議員活動に向けた課題を取材し、執筆いたしました。ぜひお楽しみください。
議員に初就任してからこの7年で感じた町の変化はありますか?
一番大きいのは復旧事業の完了ですね。復興はいろんな人の立場での意見や感情によると思いますが、壊れたものを直す「復旧」は完了した感覚があります。議員になって2年はプレハブの庁舎でしたし、初めての来賓が道の駅オープンで、復旧まっただ中でした。
しかし、今は「復興に向けてがんばろう」という物語が「次はどうしていこう」という次の段階に入りました。これまで復旧のニーズがあり、盛り上がっていた建設業務も縮小傾向にありますし、新市長もスローガンで「復興の先に舵を切る」を掲げていて、街としても復旧の目途がついた感覚がありますね。

共に挑戦し、活動する市議の仲間とは家族ぐるみで付き合いがある
あきらさんが今取り組むべきだと思う課題はありますか?
適切な問題や現状認識です。そのひとつが「人手不足」と向き合うことだと思います。
現状、人手不足に対して市が取り組んでいけている感覚はありますか?
まだまだだと思っています。陸前高田の過去の議事録を遡っても40年前から「人口減少が問題」「企業誘致が必要」と書いてあるのに、未だに解決していないのです。
それは問いの立て方に問題があるからだと、僕は考えています。「人口減少がまずい、働く人が出ていく、だから企業誘致しよう」という論理では、解決しないと思うのです。
では、根本的にどうしたら良いのでしょうか?
現状、陸前高田は労働人口が少ないんです。だから仮に企業誘致しても働く人はそもそもいない。企業を誘致しても地域内の中小企業から人を奪うことになり、倒産する事業者も多発するでしょう。
陸前高田市では人口減少対策が最重要事項だとされていますが、それは粗い議論だと思います。
人口という単なる人数ではなく、その内訳が重要だと思っています。
たとえば人口8000人のうち、ほとんど高齢者なら問題ですが、若い人が多ければ街はこれから盛り上がりそうですよね。単に人数だけを問題視するのは違うと思っています。「人口減少」という大きな問題のひとつが「人手不足」で、そのひとつの問題に向き合うことが大切だと思うのです。人手不足は、「無理な仕事を減らす」「忙しい時期をずらす」「ひとりひとりの能力を上げる」ことで解決されていくと考えています。
人口減少課題という大きな問題にばかり気を取られて、人手不足解消という「現実的に解決可能なテーマ」を見つけることを陸前高田は見失っている気がします。
人手不足問題はまずどこに、どのように取り組むべきだと思いますか?
特に介護と保育の人をケアする業界の人手不足が深刻です。おじいさんを預けられないからお嫁さんが仕事する、子供を預けられないから、ママさんが正社員ではなくパートしかできない。労働生産性が上がらない、「二重人手不足」が問題です。
現在、子どもは3歳未満は保育料有料で、それ以上は無料なのです。これは国の政策であり、陸前高田としては3歳以上と言わず「完全無償化」ができる財源があるのに、それが出来ない。無償化によって働こうと思った家庭の子どもを預ける保育士が足りないからです。
財源はあるのに、人手が足りないせいで実現が出来ない。これほど悔しいことはありません。

本人も絶賛育児真っ最中
保育士はなぜ足りないのでしょうか?
保育士になりたい人はいますが、みなさんわざわざ保育園で働かないのです。給与や待遇が良くないからです。行政ができるのはまず、そこに資金を充てることだと思います。
陸前高田では保育士の新卒採用をほとんどしていません。保育業界自体で、育成が必要な新卒を雇う余裕がないためです。中途で経験のある人ばかりが求められています。
しかし、10年スパンで考えたら、高校生の方が他県でも保育の勉強をして、20〜21歳で高田に帰ってきて新卒で仕事をしてほしい。そうしたら、1年1人、5年で5人保育士は増加します。今、陸前高田市で不足している保育士は5人。そういう規模感なのです。5人いたら保育環境は全然違う。問題はかなり改善していくと思います。
あきらさんと行政との間に、問題解決をする方向性のギャップはありますか?
人手不足に取り組む姿勢は行政にも感じますが、「本気で解決していこう」という具体的な動きに繋げられるほど、訴えきれていません。
短期的には保育業界や企業に補助金を出す。中期的には介護士保育士の給料を1割増しにして、待遇を改善していく。若い人は、全員が進学で上京しそのまま都会で就職したいという人ばかりではありません。
他県で資格を取って、地元に帰りたいと思う方もいらっしゃいます。そういった方に、きちんと帰ってきてもらうのが喫緊の課題ですね。
他にも取り組みたいことはありますか?
陸前高田市は一次産業の街なので、時期によって一時的に人手が必要だったり、反対に余ったりするのです。繁忙期と閑散期の差が激しい。わかめの時期だけ、りんごの時期だけ、民宿だけ、一時的に人が来てくれたら嬉しいというニーズをまとめ、一気に解決する力が必要だと思います。
ここをマネジメントするには事務能力が試されます。労務管理やマッチングサービスをやってもらいたいのです。A(わかめ)、B(りんご)、C(民宿)社とかけあってマッチングする人事部が必要なのです。しかし、現状民間でこうした仕事をしてくれる企業はほとんどありません。ここで力が入るのはNPOなのです。NPOは色んな分野や世代の人と何かをするのが得意だからです。
地域の人事部をやってくれる、地域産業の担い手を確保する特定事業協同組合にしっかり資金を出すことが大事だと考えています。

二重の人手不足を解決するという問題解決だけの「守りの姿勢」から、繁忙期の産業を効率化して盛り上げる「攻めの姿勢」で、人手不足解決をしていきたいです。
問題だけを解決するのではなく、仕組み全体の改善が必要ということですね。これまで短期的、中期的なお話をいただきましたが、最後に長期的な視点で大切だと思うことはありますか?
はい。最終的には足りない人手を充足させる、ただ人数を増やすだけの量的な施策だけではなく、やりがいや生きがい、成長を考えた育成、地域全体で人を育てていくことも長期的な視点では大切だと考えています。
現状、介護業界でも新卒を採用している会社もゼロではありません。けれど、まず同期がいない。10年ぶりに新卒として入ると、直近の上司が30歳。同世代ならではの悩みや話を身近に出来る人がいないのです。しかし、そこまで配慮した育成環境の整備やメンタルケアに企業は手が回らないのが現状です。
僕がお話したことはどれも、僕独自のアイデアではありません。全国で実際行われている施策を陸前高田市ではどう活用していったら良いのか、そのアイデアを当市に合った形で編集し、施策として取り組むことが必要だと考えています。まず取り組むべき問題、短期・中期・長期でのそれぞれの課題解決に沿った施策を考え、時間的、分野的優先度を付けて計画的に進めていく。そうした議論が現状全く進んでいません。こうした議論が出来て、初めて「こういう街にしよう」のビジョンができていくと思います。
ありがとうございました。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>木村 あきら (キムラ アキラ)>取り組むべきは「人口減少」ではなく「人手不足」|陸前高田市議が語る7年の変化と地方の現実