2026/6/30

⭐️今回の弁明書では、市はアンケート案を「正式な公文書ではない」と位置づけ、開示しない判断は適法だと説明しています。
⭐️市民の皆さんにとっては「市がどこまで情報を公文書として扱うのか」が問われる内容となっています。
弁明書
令和8年度審査請求(情) 第1号
8木こ第153号
令和8年5月8日
審査庁
木津川市長 谷口雄一樣
木津川市長 谷口雄一
審査請求人山本しのぶが令和8年3月12日付けで提起した公文書不開示決定に対する審查請求(以下「本件審査請求」という。)について、行政不服審査法(平成26年法律第68号) 第29条第2項による求めに対して以下のとおり弁明書を提出します。
第1 審査請求の趣旨に対する弁明
本件審査請求は棄却されることが適当であると考える。
第2 本件決定に至るまでの経緯
1 本件開示請求
審査請求人は、令和7年12月17日、実施機関に対し、「令和7年12月12日の一般質問(山本しのぶ)の中で、子ども未来部長が説明されました、市が作成し、地域長に渡されたアンケート用紙(案)の写し」(以下「本件請求文書」という。)の開示請求(以下 「本件開示請求」という。)を行った。
2 本件決定
実施機関は、本件請求文書としてアンケート用紙(案) (以下「本件対象文書」という。) を特定し、令和7年12月26日、本件対象文書が存在しない旨の不開示決定(以下「本件決定」という。)を行い、審査請求人に対し、次の不開示理由を記載した公文書不開示決定通知書を交付することにより本件決定を通知した。
(不開示理由) 文書不存在
アンケート調査の案であり、公文書として作成されたものではないため。
第3 審査請求書記載事実の認否
1 審査請求書「4 審査請求の理由」について
(山本)アンケート調査(案)については、今年度初め、兜台地域自治会連合会の協議の場において、意見の一つとしてアンケート調査の実施を求める声があった。
(1)上記第1段落は、認める。
(山本)市は令和7年7月にアンケートの検討案を作成し、同年8月に地域長に対し参考資料としてアンケート案を示し、その後自治会連合会において地域の声を伺っていたと説明している。
(2)上記第2段落は、認める。
(山本)しかし、このアンケート案は「公文書」として扱われていなかったため、令和7年11月に行った 「旧高の原幼稚園施設の利活用に係り兜台地域・相楽台地域への情報提供や意見聴取に関する経緯が分かる全ての資料(令和7年6月6日以降)」 の公文書開示請求において開示されなかった。
(3)上記第3段落は、認める。
(山本)当該アンケート案は、市の電子申請システム「ロゴフォーム」により作成されたものであり、アンケートを実施する場合には、市が主体となって調査を実施し、その結果を取得・分析することが想定されている。
(4)上記第4段落は、認める。
(山本)また、市自らが作成し、地域長に提示して説明に用いた資料である以上、市の職務に関連して作成され、組織的に利用された文書であると認められる。
(5)第5段落のうち、「市の職務に関連して作成され」の部分は認め、「組織的に利用された文書である」の部分は否認する。否認する理由は、本件対象文書は、起案決裁前の職員の検討段階の文書であり、その段階では組織的には利用されていない文書だからである。詳細は、後述の第4を参照されたい。
(山本)したがって、本件アンケート案は、公文書として管理されるべき性質を有している。
(6)上記第6段落は、否認する。否認する理由は、上記(5)に同じ。
(山本)本件アンケート案は、市有財産である旧高の原幼稚園跡地の利活用に関するものであり、地域住民の生活環境やまちづくりの方向性にも関わる、きわめて公益性の高い事項に関する資料である。(山本)
(7)上記第7段落のうち、「本件アンケート案は、市有財産である~ に関するものであり」 の部分は認め、「地域住民の生活環境や~ に関する資料である。」の部分は否認する。否認する理由は、仮に本アンケート調査を実施した場合の結果については、地域ニーズ等の把握のための基礎資料として利活用の方向性に活用されるものであるが、 職員の検討段階の文書である本件対象文書の体裁やその設問数、設問内容等そのものは、地域住民の生活環境やまちづくりの方向性に関わるものではなく、極めて公益性の高い事項に関する資料とはいえないと考えるからである。
(山本)それにもかかわらず、当該文書を「文書不存在」とすることは、市が地域との間でアンケート調査の実施を検討していた事実を、結果として不明確にするものであり、市民の知る権利を損なうおそれがある。
(8)上記第8段落のうち、「結果として不明確にするものであり、市民の知る権利を損なうおそれがある」の部分は否認する。否認する理由は、検討していた事実そのものは、これまでから木津川市議会一般質問でも明確に答弁しており、本件対象文書が不開示であるからといって、検討していた事実を否定又は曖昧にするものではないからである。 また、検討していた事実を市民が全く知り得ないという状況にはなく、直ちに市民の知る権利を損なうおそれがあるものではないと考える。
(山本)行政機関がその職務に関連して作成し、外部に提示して説明に用いた資料である以上、公文書として管理されるべきものであり、「文書不存在」とすることは、公文書管理及び情報公開制度の趣旨に照らしても極めて不合理である。
(9) 上記第9段落のうち、「行政機関がその職務に関連して作成し、外部に提示して説明に用いた資料である」の部分は認め、「公文書として管理されるべき ~極めて不合理である。」の部分は否認する。否認する理由は、上記(5)に同じ。
(山本)さらに、本件アンケート案は、市の職員が職務として作成し、地域との協議の過程で実際に提示された資料である以上、市が組織として保有・管理している公文書に該当すると解するのが相当である。
(10) 上記第10段落のうち、「本件アンケート案は、市の職員が職務として~ 提示された資料である」の部分は認め、「市が組織として保有・管理している公文書に該当すると解するのが相当である」の部分は否認する。否認する理由は、上記(5)に同じ。
第4 審査請求人主張の違法事由について
1 実体的違法事由について
(1)条例第2条第2号の定め
条例第2条第2号の「公文書」の要件は、①実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録で、②当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、実施機関が保管しているものである。
(2) 要件①について
条例第2条第2項の解釈において、「職務上作成し、又は取得した」とは、実施機関の職員がその職務の遂行者としての公的立場において、作成し、又は取得したものをいうのであり、アンケート調査の実施の検討において、担当職員がその職務に必要なアンケート案の事前検討資料を作成したものである事実が認められる。
(3) 要件②について
同解釈において、「組織的に用いるもの」とは、作成又は取得に関与した職員個人の
段階のものではなく、組織としての共用文書の実質を備えた状態、すなわち、当該実施機関の組織において、業務上必要なものとして、利用又は保管されている状態のものを意味するとされている。
したがって、職員の個人的な検討段階に留まるもの(決裁文書の起案前の職員の検討段階の文書、図画又は電磁的記録であっても、組織において業務上必要なものとして保存されているものは除く。)等は、「組織的に用いるもの」には該当しないとされている。
本件対象文書は、決裁文書の起案前の職員の検討段階の文書であって、参考資料として外部に提示することにより意見を求め、文書を推敲するための資料であり、仮に地域の意見等を踏まえてアンケート調査の実施を行うこととすれば、修正等を経て組織としてその内容を決定し、組織において業務上必要なものとして利用・保存されるに至ると解されるものの、その時点では「組織的に用いるもの」の文書に該当せず、 組織として共用文書たる実質を備えた状態に至らない文書である。
(4) 小括
以上から、本件決定に実体的違法事由はない。
2 手続的違法事由について
(1)条例第10条第2項の定め
条例第10条第2項では、開示請求に係る公文書を保管していないときは、開示し 「ない旨を決定し、開示請求者に対し、開示しない理由とともにその旨を書面により通知しなければならないとされている。
(2) 本件において
本件決定において、本件対象文書が開示対象となる公文書であるか否かについて、 条例の規定やその解釈等と照らし合わせながら検討し、組織として共用文書たる実質を備えた状態に至らない文書であるとの結論により、「文書不存在」として本件決定を行い、その旨の通知を行ったものである。
なお、審査請求人は、令和7年12月12日の一般質問の場において、「兜台7丁目の市民が、市が作成したアンケート案を見た」とされ、審査請求人も本件対象文書を見たと述べている。これを以って本件開示請求があった際、審査請求人に対し本件対象文書の閲覧の事実確認を行ったうえ、本件決定の通知内容は「文書不存在」であるが、行政裁量の中で、市が審査請求人に対して参考資料として本件対象文書を窓口にて提示できる旨を伝えている。しかしながら、現時点において審査請求人から何らの照会がない状況である。
(3) 小括
以上から、本件決定に手続的違法事由はない。
第5 結語
以上のとおり、本件決定は適法であり、本件審査請求に理由はないから、本件審査請求は棄却されるべきである。
※赤字部分は、私が反論書を作成する際にチェックした箇所です。
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