2026/5/12
国家情報会議設置法案【参議院内閣委員会5.12 】「書かない」ことが許されない理由。個人情報保護法「例外規定」という名のブラックボックス
本日(2026年5月12日)、参議院内閣委員会において「国家情報会議設置法案」の審議が本格化しています。
委員会質疑トップバッターの塩村あやか議員、次いで杉尾ひでや議員の質疑をYouTubeで拝見しましたが、この質疑を通じて、政府が何を曖昧にしようとしているのか、その実態がはっきりと浮き彫りになりました。
政府は「既存の規範(作用法)があるから、わざわざ本法に書き込む必要はない」と答弁しました。しかし、これは一般事務の法律であれば通用しても、国家権力が市民を監視・コントロールするような強力な権限を伴う法律においては、極めて不適切で危険な考え方です。
1️⃣ 政府が「組織法」と言い張る、その巧妙な根拠
政府がこの法案に具体的な制限規定を書きたがらないのには、法的な「建前」があります。政府は今回の法案を、あくまで組織の任務や構成を定めるだけの「組織法(設置法)」であると定義しています。
その根拠は、主に以下の3点です。
①「器」を作るだけという理屈
「これは組織の形を作る法律。具体的な権限(作用)については既存の法律に従うので、改めて書く必要はない」
②「調整」は内部業務という理屈
「情報の『総合調整』は行政内部のマネジメントであり、市民に直接何かを強制するものではない」
③一般法への委ね
「個人情報については、すでに『個人情報保護法』という共通ルールがあるから二重に書くのは不自然だ」
しかし、これらはすべて「厳しい制約条項を書き込まないための隠れ蓑」ではないでしょうか。
2️⃣ 「組織法」だから「作用法」は不要というごまかし
強大な「情報の集約権限」を持つ組織を作るのであれば、その組織が「何をやっていいのか、何をしてはいけないのか」という具体的なルール、すなわち「作用法」としての規定を、その法律自体に厳格に書き込むのが法治主義の鉄則です。
なぜなら、具体的で明確なルール(根拠)のないままに、行政が市民の権利やプライバシーに関与することは、民主主義社会では決して許されないからです。
本来、こうした重要法案においては、既存のルールに丸投げするのではなく、その組織固有の「歯止め」を明記すべきです。強大な権限を持つ組織を新設しながら、その活動を縛る具体的なルールを書き込まないのは、「白紙委任状」を政府に渡すようなものです。
3️⃣ 既存の「個人情報保護法」に潜む「例外規定」の罠
なぜ既存のルールがあるという説明だけでは納得できないのか。そこには市民の権利を無効化しかねない巨大な「穴」が開いているからです。
【個人情報の保護に関する法律 第69条(利用及び提供の制限の例外)】
行政機関の長等は、次に掲げる場合を除き、保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
(中略)
第2項第3号:他の行政機関、地方公共団体等に保有個人情報を提供する場合において、提供することについて「相当な理由」があるとき。
この「相当な理由」という極めて曖昧な言葉一つで、私たちの福祉や医療、教育といった大切なデータが、本人の同意なく国へと渡される道が開かれています。
4️⃣ 松戸市ですでに確認された「現実」
私、岡本ゆうこは、松戸市議会における議会質問を通じ、すでに衝撃的な事実を確認しています。
松戸市においても、まさにこの「第69条第2項第3号」を根拠として、自治体が保有する個人情報が国に提供されていることが、議会答弁で明らかになっているのです。
現状ですら、この「作用法」の例外規定というブラックボックスを通じてデータが流れている。ここに、さらに強力な情報の司令塔である「国家情報局」が加わればどうなるでしょうか。「例外規定」という穴が放置されている以上、到底納得できるものではありません。
5️⃣ 「画竜点睛」を欠く、瞳のない監視社会
杉尾議員が指摘した通り、今回の法案は内閣法制局による厳密な審査すら経ていないという、プロセスで進んでいます。プロの目によるチェックを回避し、作用法としての保護規定も書かず、独立した第三者機関による監視も拒む。
これでは、まさに「画竜点睛を欠く」ものです。瞳を描かないどころか、どこへ飛んでいくのか制御する意志すら見えない龍を空に放てば、市民のプライバシーは守られません。
「既存の規範(作用法)があるから書かなくていい」のではなく、「書くと、自治体のデータを自由に吸い上げられなくなるから書かないのではないか」。私はそう疑わざるを得ません。
自治体の現場で市民の皆様のプライバシーをお預かりしている者として、私はこの「法の空白」を放置することはできません。
独立した第三者機関の設置、そして本法への厳格な作用規定(ルール)の明記。これらがない限り、この法案を認めるわけにはいきません。
さらには、大門実紀史議員の質疑に対しても、納得のいくものではありせんでした。
大垣警察市民監視訴訟 (2024年判決)について、答弁は警察法の第2条の話ばかり繰り返される。これだけで住民の個人情報を民間の会社に県警が渡しても良いという答えになっていませんでし
た。(そもそもそんなこと許されることではない。)
名古屋高裁は2024年9月、この収集・提供を違法と認め、岐阜県に対し、市民への損害賠償(計440万円)と個人情報の抹消を命じています。
・CBSニュースより
https://youtu.be/hk3UtTlBkak?si=33_6yaexDALY5zeA
今、この瞬間の国会論戦を、皆さんと共に注視し、声を上げ続けてまいります。
立憲民主党国会中継(2026年5月12日参議院内閣委員会)
https://www.youtube.com/live/wdWQTRKUL4g?si=yW2w7QrSQ5ITahWP

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