2026/7/8
NHKでも、練馬区の終身サポートの取組が報道されました。練馬区は、社会福祉協議会や民間事業者団体と連携し、身寄りのない高齢者等を支える包括連携協定を締結しました。自治体・社会福祉協議会・事業者団体の三者が、終身サポートを目的として協定を結ぶのは全国初とされています。
高齢化が進み、家族に頼ることを前提にした仕組みが限界を迎える中で、「身寄りがない」「頼れる家族がいない」ことは、誰にとっても起こり得る課題です。今回の取組を一歩前進として評価しつつ、必要な方に本当に届くのか、民間サービスとの連携で本人の権利が守られるのか、今後の取組を注視する必要があります。
NHKで、練馬区が進める身寄りのない高齢者等への終身サポートの取組が報道されました。報道では、練馬区社会福祉協議会が、全国高齢者支援団体連合会、全国高齢者等終身サポート事業者協会と協定を結び、見守りや死後の手続きなどを支援する体制を広げることが紹介されています。
練馬区の発表によれば、自治体・社会福祉協議会・事業者団体の三者が、高齢者等の終身サポートを目的として包括連携協定を締結するのは全国初です。区や社会福祉協議会の事業だけでは対応が難しい方についても、事業者団体につなぐことで、支援の選択肢を広げることが期待されています。
練馬区は今年4月から、身寄りがない高齢者等への支援として「ねりま架け橋プロジェクト~ひとりにしない~」を始めました。委員会資料では、主に二つの事業が示されています。
一つは、終活情報登録事業です。緊急連絡先や希望する医療行為などを練馬区社会福祉協議会に無料で登録し、判断能力が低下した時や亡くなった時に、病院や警察、指定した親族などからの照会に応じて情報を開示する仕組みです。

(出典:練馬区)
もう一つは、終身サポート事業「そなえ・あんしん365」です。見守りなどの日常生活支援、入院・入所時の手続き支援、葬儀・納骨・家財処分などの死後事務支援をパッケージで提供します。十分な資力がない方も利用できるよう、預託金は約30万円からとされています。

(出典:練馬区)
練馬区の高齢者基礎調査では、高齢者一般の33.7%、要支援認定者の40.7%が1人暮らしです。さらに、他の人たちから孤立していると感じることがある人は、高齢者一般で16.8%、要支援認定者で24.3%、要介護認定者で32.1%にのぼります。
これまで区社協には終活相談窓口があり、昨年度は350件の相談が寄せられました。しかし委員会では、相談やエンディングノートだけでは、書いた意思を実際の支援につなげる仕組みが弱かったことが課題として説明されました。
「何かあった時に誰に連絡してほしいか」「医療や葬儀をどうしたいか」。そうした本人の意思が、必要な時に届く仕組みは、尊厳を守るために欠かせません。
今回の取組は大きな前進です。一方で、課題もあります。
一つは制度を必要としている方に本当に届くのか。1人暮らしで、地域とのつながりが少ない方ほど、制度情報からも遠くなりがちです。地域包括支援センター、民生委員、医療機関、介護事業者、住宅関係者などが連携し、相談窓口までつなぐ仕組みが必要です。
そしてもう一つの課題が、民間事業者との連携の質をどう担保するかです。国民生活センターは、身元保証や死後事務などの高齢者サポートサービスについて、契約内容や支払総額、解約条件をよく確認するよう注意喚起しています。
だからこそ、行政と社協が関与する意味があります。単に民間につなぐのではなく、本人の意思と権利を守り、トラブルを防ぐ仕組みにしなければなりません。
身寄りがないことは、自己責任ではありません。家族がいても疎遠だったり、頼れなかったりすることもあります。
大切なのは、家族に代わって誰かが支配することではなく、本人の意思を尊重し、最期まで安心して地域で暮らせるよう支えることです。
「ひとりにしない」という言葉を掛け声で終わらせず、必要な人に届く制度にすること。練馬区として、相談から支援、そして権利擁護まで切れ目なくつなげる体制を作ることを練馬区議会でも求めていきます。

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