はっとり 将也 ブログ

「あるべき社会像」を見失うことなく

2026/6/29

 国の物価高騰対策・重点支援交付金(1,000億円)のうち、名古屋市には約5億円が交付されました。これを受けて名古屋市は、中東情勢関連枠の経済対策特別支援融資に係る信用保証料2分の1補助などを実施するため、関連予算案を目下開会中の6月定例市会に追加上程しました。これは今月初め、国の補正予算案が閣議決定された当日に、名古屋民主市議団として市長へ申し入れを行っていた内容でもあり、迅速な対応については一定の評価をしたいと思います。

 また、今回の補正予算には、子ども食堂など子どもの食を支える団体への物価高騰対策支援も盛り込まれています。現下の状況を踏まえれば必要な措置であり、私も肯定的に受け止めています。一方で、政治に携わる者として、改めて考えなければならないことがあります。家庭の事情など様々な背景があるとはいえ、現実に「食べることに不安を抱える子どもたち」が存在しています。この事実を、私たちはどのように受け止めるべきなのでしょうか。

 子ども食堂の取組みは大変尊いものであり、日々ご尽力いただいている関係者の皆様には頭が下がる思いです。こうした活動を支援することは必要でしょう。しかし、その善意に依存して子どもたちの食を支えることを当然視すべきではないと考えます。本来、政治や行政が果たすべき責任まで放棄してしまってはならないのだと思うのです。

 子どもたちが安心して食事を取れる社会を実現することこそ、政治と行政の責務です。現段階では、子ども食堂の存在を前提として政策を組み立てることが現実的だとしても、それだけで十分だとしてしまえば、どこか本質を見失ってしまうのではないでしょうか。支援を受けるかどうかにかかわらず、すべての子どもたちが当たり前に食べることができ、健やかに育つことのできる社会。その実現こそ、私たちがめざすべき社会の姿だと思います。

 ところで、きょう6月29日は、若くして交通事故で逝った兄の祥月命日です。私にとって「命」について考える特別な日でもあります。奇しくも昨日、その兄と大学時代の同級生だった方と、ある会合で初めてお会いしました。兄のことを今も覚えていてくださり、しばし懐かしく、そして感謝の気持ちに包まれる時間となりました。

 政治は現実を扱う営みです。しかし、その原点には、常に「命」があるはずです。交通事故を減らし無くすこと。子どもたちから食の不安を無くしていくこと。もちろん、政治が向き合うべき課題はそれだけではありませんが、どの課題にも共通するのは、「人の命と暮らしを守る」という志ではないでしょうか。

 目の前の課題に一つひとつ真摯に向き合いながらも、決して「あるべき社会像」を見失わない。現実を少しずつでも理想へ近づけていく——その歩みを、これからも微力ながら愚直に続けていきたいと思います。

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著者

はっとり 将也

はっとり 将也

肩書 名古屋市会議員(北区)
党派・会派 立憲民主党

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