2026/7/7
今日は、七夕、そして小暑です。
梅雨明けが近付き、暑さが本格的になるころ。蝉が鳴き始める頃とも言われます。
1)地方自治法の歩み
地方自治法は1947年、日本国憲法の施行にあわせて制定されました。憲法第8章の「地方自治」を具体化する法律であり、第92条にいう「地方自治の本旨」を制度として実現することを目的としています。
地方自治の本旨とは、住民が地域のことを自ら決める「住民自治」と、地方自治体が国の不当な干渉を受けることなく、自らの判断と責任で行政を運営する「団体自治」です。
戦前の中央集権体制への反省に立ち、地方自治法は地方住民の政治参加を保障するとともに、地方自治体の自主性・自立性を高めることを目指しました。それまで国が任命していた都道府県知事も住民の直接選挙で選ばれるようになり、都道府県は市町村とともに普通地方公共団体として位置付けられました。地方自治法の制定によって、「地方自治の本旨」が具体的な制度として形づくられたのです。
その後、高度経済成長期には行政需要が急増し、国が地方自治体に事務を委ねる「機関委任事務」が拡大しました。自治体は国の細かな指示や補助金に大きく依存するようになり、地域の実情に応じた独自の政策を展開することが難しい状況が続きました。
こうした中央集権的な仕組みへの反省から、1990年代に地方分権改革が始まります。そして2000年の地方分権一括法によって機関委任事務は廃止され、国と地方は「上下・主従」ではなく、「対等・協力」の関係であることが明確にされました。これは、戦後の地方自治法制定に次ぐ大きな制度改革とも評価されています。
その後も、条例による独自の取り組みや権限移譲が進み、地方自治体が地域の実情に応じて主体的に判断し、行政を運営するという考え方が定着していきました。
しかし、この流れが大きな転換点を迎えたのが2024年の地方自治法改正です。
この改正では、大きく三つの柱が盛り込まれました。第一は行政のデジタル化の推進、第二は地域住民やNPOなどと連携する「指定地域共同活動団体制度」の創設、第三は大規模災害や感染症など「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」における国と地方の関係を定めた新たな規定です。
このうち最も議論を呼んだのが、第三の「補充的指示権」です。政府は、個別法では対応できない緊急事態に備え、国民の生命や財産を守るため、閣議決定を経て国が自治体に必要な指示を行える制度だと説明しています。また、事前に自治体から資料や意見を求めるよう努めることや、事後に国会へ報告することも定められました。
これに対し、地方自治関係者や研究者からは強い懸念が示されました。私もこの改正には反対しました。「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」や「特に必要な場合」といった要件が抽象的で、国の裁量が過度に広がるおそれがあること、さらに、2000年の地方分権改革で築かれた「国と地方は対等・協力」という原則が後退しかねないと考えたからです。
災害や感染症への迅速な対応はもちろん重要です。しかし、そのために地方自治の自主性をどこまで制約できるのかは、極めて慎重に考えなければなりません。私は、この改正が、戦後一貫して進められてきた地方分権の流れを転換しかねない重要な改正であったと受け止めています。
今日、地方自治法を取り上げたのは、現在、第34次地方制度調査会で進められている議論が、地方自治の今後を大きく左右する可能性を持っているからです。人口減少や人材不足という現実にどう対応するのか。その中で住民自治と団体自治という地方自治の原点をどのように守っていくのか。いずれ、第34次地方制度調査会で何が議論されているのか、そして私がどこに課題を感じているのかについて、ご紹介したいと思います。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年7月7日 その6889『逢坂誠二の徒然日記』8586回】
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#函館 #地方自治法
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