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大田区から天皇制を考える 皇室典範 改正議論をわかりやすく解説― 養子皇族男子の新設と女性皇族...

2026/7/1

皇室典範 改正議論が進んでいます。昨日閣議決定された改正案は、皇室制度の根幹に関わる重要な内容を含んでいます。日本の天皇制については、心党大田の党首として、大田区長を目指すものにとっても関係のないものではありませんので、このブログでもまとめておきます。

大きなポイントは、次の二つです。

  • 皇族による養子を例外的に認めること
  • 女性皇族が婚姻により当然に皇族の身分を離れる規定を削除・見直しすること

以下、改正案の内容を現行の皇室典範と比較しながら整理します。

皇室典範 改正案のポイント解説

養子制度の導入

現行の皇室典範では、天皇及び皇族が養子をすることを全面的に禁止しています。

天皇及び皇族は、養子をすることができない。

皇室典範 第9条

今回の改正案では、この原則を維持しつつ、例外として新たに設けられる第38条第1項の場合には、皇族が養子をすることを認めます。

対象となるのは、いわゆる旧皇族系の男子です。改正案では、次のような要件が定められています。

この法律による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫であること
現に皇族でないこと
年齢15年以上の男子であること
配偶者及び子がないこと
皇室会議の議を経ること

養子にできる皇族側は、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王です。ただし、皇嗣及び皇嗣妃は除かれます。

この養子は、縁組の時から皇族となります。つまり、民法上の養子縁組にとどまらず、皇室典範上の皇族身分の取得原因として位置づけられています。
ただし、重要なのは、養子皇族男子については、皇位継承順位を定める第二条の規定を適用しないとされている点です。
つまり、養子となった本人は皇族にはなるものの、皇位継承順位には入らない設計です。一方で、養子皇族男子の子孫については、第二条及び第六条の適用関係が別途定められており、実方の系統によるものとされています。

この点は、単なる皇族数の確保にとどまらず、将来の皇位継承資格に関わる可能性を含むため、制度上きわめて重要です。

女性皇族の離脱廃止

現行の皇室典範では、皇族女子について、天皇及び皇族以外の者と婚姻した場合には、皇族の身分を離れると定めています。

皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。

皇室典範 第12条

今回の改正案では、この第12条を削除します。

これにより、皇族女子が一般男性と婚姻した場合に、当然に皇族の身分を離れるという仕組みは廃止される方向です。

また、第13条も削除されます。第13条は、皇族の身分を離れる親王又は王の妃、その直系卑属及びその妃について、同時に皇族の身分を離れることを定めた規定です。

一方で、第14条については、親王妃又は王妃となった女性が夫を失った場合、あるいは離婚した場合などの身分離脱事由が整理されています。

改正案では、第14条第3項として、親王妃又は王妃となった者で、その夫を失ったものが、天皇及び皇族以外の男子と婚姻したときは、皇族の身分を離れると定めています。

つまり、女性皇族一般の婚姻離脱規定は削除される一方で、皇族以外から親王妃・王妃となった女性については、一定の場合に皇族身分を離れる規定が残される構造です。

皇室典範皇室典範

皇室典範 新旧対照表

以下、改正対象となる皇室典範の条文について、新旧対照表として整理します。

改正条文が、本記事作成時点では、政府サイトになかったので、朝日新聞のサイト https://www.asahi.com/articles/ASV6Z35NKV6ZUTFK002M.html から入手した上で、新旧対照表を作成いたしました。国民にとっても関心の高い皇室典範改正です。情報は分かりやすく提供されるべきでしょう。

改正案現行
第九条 天皇及び皇族は、第三十八条第一項の規定による場合を除き、養子をすることができない。第九条 天皇及び皇族は、養子をすることができない。
第十条 立后及び皇族の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。ただし、第十四条第一項の者でその夫を失ったものと天皇及び皇族以外の男子との婚姻については、この限りでない。第十条 立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。
第十二条及び第十三条 削除第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。第十三条 皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びにその直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除いて、同時に皇族の身分を離れる。ただし、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。
第十四条第一項 ※改正なし皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。第十四条第一項 皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
第十四条第二項 前項の者が、その夫を失つた場合において、前項の規定による場合のほか、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れさせることができる。第十四条第二項 前項の者が、その夫を失つた場合において、前項の規定による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れさせることができる。
第十四条第三項 第一項の者でその夫を失ったものが、天皇及び皇族以外の男子と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。第十四条第三項 第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。
第十四条第四項 第一項の者は、次の各号のいずれかに該当するときは、皇族の身分を離れる。一 その夫が皇族の身分を離れたとき。二 離婚したとき。第十四条第四項 第一項及び前項の規定は、第一項の者が、その夫の血族である他の皇族と婚姻したときは、適用しない。
第十五条 皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合並びに第三十八条第三項の規定による場合を除いては、皇族となることがない。第十五条 皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。
第六章 養子皇族男子第三十八条 新設
親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王、ただし皇嗣及び皇嗣妃を除く、は、皇室会議の議を経て、一定の男子を養子にすることができる。対象は、この法律による皇族男子であつた者の嫡男系嫡出の子孫で、現に皇族でなく、年齢十五年以上、配偶者及び子がない男子に限られる。
2 この縁組については、民法第七百九十八条を適用しない。
3 縁組による養子は、縁組の時から皇族となる。
4 養子皇族男子については、第二条の皇位継承順位の規定は適用しない。
5 養子となった者については、実方の系統による嫡男系嫡出の者として、第六条を適用する。
6 養子皇族男子に係る第七条、第十七条第二項の読み替え適用、養子皇族男子の子孫に係る第二条及び第六条の適用については、実方の系統による。
7 養子皇族男子である王については、第十一条第一項を適用しない。
8 養子皇族男子が第十一条第二項により皇族の身分を離れる場合、養親との縁組が継続しているときは、その縁組は将来に向かって効力を失う。民法その他の法令の適用上は、皇族の身分を離れる時に離縁されたものとみなす。
9 第十七条の摂政就任順位について、養子皇族男子を別枠で読み替える。具体的には、第一項第二号の「親王および王」から養子皇族男子を除き、第一項第六号の後に「七 養子皇族男子」を加える。第二項についても「同項第六号」を「同項第六号及び第七号」と読み替える。
規定なし。

 

まとめ

今回の皇室典範改正案は、単なる文言整理ではありません。

第一に、これまで全面的に禁止されていた皇族の養子について、旧皇族系男子を対象とする例外を設けるものです。これにより、皇族数の確保を図る制度的手段が新たに導入されます。

第二に、皇族女子が一般男性と婚姻した場合に当然に皇族の身分を離れるという現行制度を見直すものです。これは、女性皇族の公的活動の継続や、皇族数の減少への対応という観点からも大きな意味を持ちます。

もっとも、養子皇族男子本人は皇位継承順位に入らないとされている一方で、その子孫については第二条及び第六条の適用関係が定められています。そのため、将来の皇位継承制度との関係については、今後も丁寧な議論が必要です。

皇室制度は、国民統合の象徴である天皇制を支える基本制度です。今回の改正案は、皇族数の確保、女性皇族の身分、旧皇族系男子の位置づけという、戦後皇室制度の根幹に関わるテーマを含んでいます。

今後の国会審議では、制度の安定性、国民の理解、皇室の将来像という観点から、慎重かつ具体的な議論が求められます。

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