【板橋区議会・一問一答】「デジタル化したのに、なんで手間が増えてるの?」その声、議会へ。
みなさん、共感してもらえますか?この「あるある」!
子どもの予防接種の時期が近づいて、スマホでアプリを確認。でも予約は医療機関に直接電話。育児講座に申し込もうとしたら、別のフォームにリンクが飛んで、また入力……。
「デジタルになったって聞いたけど、結局あちこち行き来してる気がする」
そんな経験、ありませんか?
板橋区でも、「母子モ」という母子手帳アプリが導入されています。でも現状は、成長記録や接種スケジュールの確認はアプリ、健診の予約は健康福祉センターに電話、接種の予約は医療機関へ、講座の申し込みはまた別のフォームへ……と、手続きがバラバラに分散しています。
これは、私自身の家族の経験でもあります。
板橋区もDXにかなり力を入れ頑張ってくださってるのですが、あと一歩!というところです。もうひと踏ん張りをお願いしたい。
なぜ今、このテーマを議会で取り上げたのか?
令和8年第1定例会の今回の一般質問で、私・田中やすのりは「子育て世代向けのDX推進」をテーマに質問しました。
背景にあるのは、全国的な課題です。ここ数年、自治体が独自アプリを次々と作った結果、アプリが乱立してダウンロードも利用もされない、という状況が各地で起きています。アプリの「数」を増やすことがDXではありませんよね。
大切なのは、住民が迷わず、負担なく使える仕組みだと考えています。
一時保育や病児・病後児保育の申し込みも、デジタル化が望まれながら、現場の難題もあり、なかなか実現していない現状があります。ですが、共働き世帯にとって、「日中に電話してください」というアナログな対応が残るのは大きなハードルです。
そこで今回、さらなる使いやすさを願い、このテーマを取り上げることにしました。
議会で投げかけた、3つの質問
今回の質問では、以下の3点を区に問いました。要旨をお伝えします。
【質問1】手続きが分散している現状を、区はどう認識しているか?保護者の負担を減らすために、DXを「作り直す」必要があるのではないか。
【質問2】アプリをむやみに増やさない方針を打ち出せないか?すでに多くの人が日常的に使っているLINEなどを基盤に、機能を一本化するワンストップ型サービスを目指すべきではないか。
【質問3】LINEなどで健診予約・講座申し込み・電子申請・情報配信までまとめて完結できる仕組みは実現できるか?そのために、IT推進課が各部署を横断的に引っ張る体制が必要ではないか。
区の答弁から見えた「前向きな点」と「課題」
区長からの答弁を、わかりやすくまとめます。
前向きだと感じた点
〇「さらなる改善が必要」と区も認識答弁の中で、「手続きが分散しており、さらなる改善が必要」という認識が示されました。現状の課題を正面から認めてくれたことは、一歩前進です。
〇DX推進計画に「利用者中心」の視点が盛り込まれた現在策定中のDX推進計画に、「利用者中心の視点に立った変革」が基本方針として掲げられています。
〇アプリの統廃合を「積極的に検討する」と明言これは重要な答弁です。むやみにアプリを増やさず、整理していく姿勢が示されました。
〇令和8年度中に「DXポータルサイト」を構築予定ライフイベントごとに手続きを整理し、オンラインでできる手続きを集約した新しいサイトを、今年度中に作るとのことです。子育て関連の手続きも対象に含まれます。
引き続き注目したい課題
ワンストップ型サービスについては、「目指す」という方向性は示されましたが、具体的なスケジュールや実装の詳細はまだこれからです。「DXポータルサイト」がどこまで使いやすいものになるか、実際の使い勝手を丁寧に検証し続ける必要があります。また、庁内の横断的な連携体制についても、引き続き推進を求めていきます。
実際の質問と答弁です
〇田中やすのり(質問):子育て支援のためにDXの推進を
子育て支援策に関して、まずはDX推進について伺います。
現在、板橋区では母子手帳アプリ・母子モなどのデジタルツールを導入しておりますが、実際の利用現場ではまだ改善の余地が残されていると感じます。私の家族の経験からも、例えば母子モであれば、「成長記録と検診や接種のスケジュール確認はアプリ、健診は健康福祉センターに電話、接種予約は医療機関にスマホで予約、講座はロゴフォームにリンクして申し込みをするといったように手続きがまだ分散しています。デジタル化されたはずなのにかえって手間が増えているということはありませんか。見解を伺います。
また、一時保育や病児病後児保育の申し込みついてもデジタル化が求められながら、なかなか現場での運用面でのハードルを取り除くことができず、実現に至っていません。共働き世帯においては、日中の電話連絡が困難であり、アナログな手続きが残存している現状はまだ改善が必要だと考えます。
なお、ここ数年は自治体独自のアプリが乱立し、ダウンロード率や利用率が低迷していることが全国的な課題となっております。私は、重要なのはアプリの数ではなく、住民が迷わず利用できる統合的な仕組みの構築だと考えています。
そこで提案します。板橋区として、むやみにアプリを増やさない方針を明確に打ち出す。そして、既に高い利用率を誇り、生活インフラとも言えるLINEなどを基盤としたワンストップ型の子育てDXへと再設計すべきと考えます。健診・講座の予約、各種申請手続き、リマインド通知、各家庭の状況に応じた情報配信などを、LINEなど上で段階的に完結できる仕組みの構築が有効と考えます。ここはIT推進課が各所管課を引っ張り、DXを推進していく腕の見せ所ではないでしょうか。
そこで何点か、お聞きします。
現在の子育て関連のデジタルサービスの分散状況に対する区の認識と、保護者の手続き負担軽減に向けたDX再設計の必要性についてはどのようにお考えでしょうか。また、区民の利便性を最優先とし、新たなアプリをむやみに増やさず、既存のLINEなどに機能を統合していくワンストップ型サービスの方針について、区としての見解をお聞かせください。そして、健診の予約、講座の予約、電子申請、個別最適化された情報配信などをLINE上などで完結させるワンストップ窓口の実現可能性と、そのための庁内横断的推進体制の構築の必要性について、見解と展望をお知らせください。
〇区長(答弁):ワンストップ型のサービスを目指す
まず、デジタルツールの現状についてのご質問であります。子育て支援策に導入しておりますデジタルツールにおきまして、手続きなどが分散しお手間をおかけるする部分もございまして、さらなる改善が必要なものと考えています。そのため、現在策定中のDX推進計画20230の基本方針に、サービスデザイン、利用者中心の視点に立った変革を掲げています。今後、利用者の使いやすさを追求し、真に区民に寄り添ったデジタルサービスの実現に向けまして、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
次は、デジタルサービスの再設計についてのご質問であります。デジタルサービスの導入に当たりましては、効率性だけでなく、既存サービスとの重複の確認のほか、アナログでの対応の必要性など、全体の状況を見ながら進めてきたところであります。今後はユーザー視点を第一に、手続きのあるべき姿を見定めた上において、アプリの統廃合も積極的に検討するなど、ワンストップ型サービスの実現を目指していきたいと考えています。
続いて、ワンストップ化の可能性と体制構築についてのご質問であります。区では、令和8年度に、ライフイベントごとに手続きを再整理し、オンラインでできる手続きを集約したDXポータルサイトを構築することとしております。子育て支援に係る手続きも含めて、庁内連携で取り組めるよろず相談DXを活用しながら、行政サービスがワンストップで利用できる環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。
これからも、デジタルサービスを使う側の視点で追い続けます
「デジタル化した」というアナウンスだけで終わらせてはいけない。本当に子育て中の保護者が「楽になった」と感じられるかどうか、それがゴールだと思っています。
乳幼児を抱えながらスマホで手続きを完結できる。日中に電話できなくてもオンラインで申し込める。必要な情報が、必要なタイミングで届く。そんなことが、当たり前にできる板橋区にしていきたいと考えています。
今後も、議会での答弁に終わらせず、実際の進捗を確認しながら、子育て世代の声を届け続けていきます。