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大塚 さとこ ブログ

消費税がなかった時代はどうしてた?当時の国家財政やりくりや生活コストを振り返る

2025/10/21

「消費税がなかった時代」の生活はどんな感じだったか。また、当時の国家財政のやりくりについても振り返ってみようと思います。

「消費税がなかった時代があるということは、実は消費税なんて無くてもやりくりできるのでは?」  
「消費税がなかった時代は、なにか生活上の不便があった?」

3%→5%→8%→10%とじわじわ上がってきた消費税について、そんな素朴な疑問を抱く人も多いでしょう。 消費税に違和感を感じている方も、ぜひ以下のデータや当時の生活事情を参考にしてみてください。

消費税がなかった時代の国の収支はどうしてた?財政のやりくりを見る

「実は、消費税がなくても国家はやりくりできるのでは?」

──そんな疑問を、当時の財政バランスを見つつ検討してみましょう。

ここでは消費税導入前(1988年)と、直近(2025年)の日本の「国の税収と支出の内訳」を見ていきます。

消費税導入前(1988年)の国家財政バランス

消費税はまだなく、税収の中心は所得税・法人税。

国の支出も今より小さく、公共事業と社会保障が中心でした。

税収の構成    
(50.8兆円)
支出の構成    
(当初予算59.2兆円)
  • 法人税:約36%
  • 所得税:約35%
  • その他:約29%
  • 社会保障:約30%
  • 公共事業:約10%
  • 教育・科学技術:約7%
  • 防衛・外交:約7%
  • 国債費:約15%
  • その他:約27.5%

消費税導入後(2025年)の国家財政バランス

消費税が単独で税収の約33%を占め、個人負担が中心に。

国の支出では社会保障費が急増し、税収を上回る支出構造になっています。

税収の構成    
(77.8兆円)
支出の構成    
(当初予算115兆円)
  • 消費税:約33%
  • 所得税:約30%
  • 法人税:約26%
  • その他(※):約11%  
    ※相続税、たばこ税等
  • 社会保障:約33%
  • 防衛・外交:約7%
  • 公共事業:約5%
  • 教育・科学技術:約5%
  • 国債費:約24%
  • その他:約30.5%

比較で見えてくる「増えたもの・減ったもの」

下の2つの年を比べてみると、消費税の導入前後で「税収の総額」は確かに増えています(上の例では50.8兆円→77.8兆円)。しかしそのぶん、国の支出(とくに社会保障と国債費)が大きく膨らみ、税収をはるかに上回っていることがわかります。

今では、所得税による税収を抑えて、消費税が税収1位になっており、「社会保障や国債費などを消費税で補っている」構造と言えるでしょう。税収1位の消費税がなかったとしても、当時のようなやりくりが実際可能なのかは未知数です。消費税収だけでこれだけの規模になっていると、なくしたときどこにどれだけの影響を与えるのかを推測するのは難しい話でしょう。

消費税がなかった時代も国家財政は回っていた?当時の経済・生活を振り返る

消費税が導入されたのは1989年ですが、それ以前も立派に日本経済は回っていました。ただし、背景となる経済の状況や物価などが大きく異なります。ここでは、当時の生活感覚や税の背景を数字でたどります。

初任給に対する米1kgの値段から見る生活感覚

  2025年 1970年
初任給 
(平均)
約25万円 約4万円
米5kgの   
値段
約4500円   
(初任給平均の1.8%)
約600円   
(初任給平均の1.5%)

1970年代は、給料(初任給)も物価(米5kg)も今の1/6〜1/8ほど。初任給に着目したこの比較では、若干現代の方が同じ米5kgを買うのも大変そうというくらいですが、お米以外の生活コスト、家賃や電気代も当時の方がはるかに安く、生活コスト全体でみると相当出費が低コストでした。   
つまり「贅沢ではないが、無理のない暮らし」が多くの人に行き渡っていた時代。経済が大きくなくても、豊かさの実感はあったケースが多いでしょう。

最低時給と米1kgの値段から見る生活感覚

  2025年 1980年
東京の  
最低時給
1,226円 
(10月3日〜)
405円
米5kgの値段 約4500円 約800円
1時間働いて買える 
米の量
約1.3kgちょっと 約2.5kgちょっと

最低時給での購入力も、当時の方がやや上。住居費や社会保険料など固定費が増えた分、手取り感覚はさらに今の方が窮屈かもしれません

そんな時代にどうして消費税が生まれた?時代背景とその後

「景気に左右されない国家の安定財源」が必要とされたから、とされています。1980年代、当時の国の税収は法人税と所得税に偏っており、景気が悪くなり会社の利益や個人の所得が減ると一気に税収も減る構造でした。そこで1989年、竹下登(のぼる)内閣が消費税を導入したのです。当時の税率は3%でした。

ただその後も財政赤字は拡大。実際には「国家財政の安定」ではなく「恒常的負担」が定着した形といえるかもしれません。


〜消費税が生まれた時期(1989年)を思い出して〜

📝各地で消費税導入への反対運動が起こっていたのをよく覚えています。バブルがはじけ始めたころで、生活への影響が大きいタイミングでした。

📝一方の私、大塚さとこは、ちょうど大学を卒業した年。ニュースの報道を見てもまだあまり実感できませんでした。当時の消費税は3%とキリ悪く、おつりが細かくなるのがいやなくらい。その後の度重なる増税で、負担感は大きなものになってきました。


消費税がなかった時代の家計事情【今のくらしとの違い比較】

消費税の導入前後で、国民の世帯年収や国の税収・税収源(税収上位3つ)がどう変わってきたか見てみましょう。

当時の世帯年収や税収を、生活感覚ベースにあわせて2025年相当の金額に補正しました。カッコ内は当時の実額、中央の1988年は消費税導入の前年です。

  2025年換算の     
平均世帯年収
2025年換算の     
国の税収
主な税収源     
(税収上位3つ)
物価水準     
(2025年=100)
2025年 約560万円 約78兆円 
(予算実額)
・1位:消費税 
・2位:所得税 
・3位:法人税
100
1988年 約750万円 
(当時約600万円)
約110兆円換算 
(当時の実額:約50.8兆円)
・1位:法人税     
・2位:所得税     
・3位:酒税
約74
1970年 約650万円     
(当時約150万円)
約100兆円換算     
(当時の実額:約33.4兆円)
・所得税     
・法人税     
・たばこ税
約17

※物価指数は総務省消費者物価指数(CPI)を基に概算換算。     
※財務省「一般会計税収の推移」

物価を考慮した2025年基準での世帯年収は大きく見劣りする状況になっているのがみて取れます。同じく、物価補正をして生活感覚で見た税収も減少。

消費税導入前の時代は、消費税がなくても十分やりくりできてきた背景が垣間見れるでしょう。

物品税という「贅沢品課税」で補っていた時期もあった

  物品税     
(1940〜1989)
消費税    
(1989〜現在)

課税対象

贅沢品    
(車・宝石・電化製品など)
ほぼすべての消費
課税の目的 贅沢抑制・財源確保

安定的な税収確保

税率 品目ごと     
10%〜30%
一律10%     
(軽減あり)
影響

高級品の販売抑制

生活必需品にも負担拡大

物品税は「ぜいたくした人が負担する」仕組み。消費税は「全員が負担する」仕組み。    
課税対象の拡大が、庶民の体感を変えた大きな転換点でした。


〜物品税の時代(1989年以前)を思い出して〜

📝大学の先輩とこの「物品税」について話をしていたのは、なつかしい思い出。「国税専門官」受験だった先輩は、今ごろどこでご活躍なさっているだろうか。    

📝車がいまほど普及していなかった時代。この「物品税」によって車種ごと税率が違うこともこの先輩から教わった。当時「3ナンバー」のステイタスが非常に高かったのは、税率の違いもあったのかも?(「3ナンバー」は当時23%でした!)


消費税がなかった時代を踏まえると実際必要?議論のポイント4つ

消費税は必要不可欠なのでしょうか。いま一度冷静に議論のポイントを整理してみましょう。

  1. 「景気と連動しない安定財源」は本当に必要?
  2. 「みんなで払う」構造が本当に公平か?
  3. 事務作業の多さに見合ったメリットがある?
  4. 既得権益を壊す税制改革こそ重要

ここでは、考えるべき4つの視点を簡単にとりあげます。

「景気と連動しない安定財源」は本当に必要?

1989年に「安定財源」という名目で導入された消費税ですが、実際は不況時にも容赦なく徴収され、景気悪化を加速させる仕組みになっています。    
税の安定よりも「生活の不安定化」を招いている側面もあります。

「みんなで払う」構造が本当に公平か?

所得の低い層ほど生活費に占める消費割合が大きいため、弱者ほど負担感は大きくなる仕組みです公平さをうたいながら、実際は「弱者ほど負担が重い」構造になってしまっています。

事務作業の多さに見合ったメリットがある?

スーパーやガソリンの価格表示に代表されるように、商品サービスの税抜表示と税込表示が乱立し、どちらを指しているのか、商取引にあたって都度検討する必要があります。

販売側と購入側ともに、繰り返し税率をかけ合わせる必要があり、生活の中で必要な消費回数を考えると膨大な計算量が発生しています。1円未満の半端な小数点以下の扱いも発生しがちで、特に2019年の軽減税率の導入(生活必需品は8%)により、現場・レジでの煩雑な計算や表示も生まれています(例:店内飲食かテイクアウトかで8%と10%が変わる)。

また、消費税を納める義務のある事業者は、基本的に、年間の支払いやりとりすべてについて、仕入れ時なら払った消費税額、売り上げ時なら受け取った消費税の計算の積み上げが必要です。そのため、消費税の存在により生まれている事務作業の煩雑さや税理士への依頼費用の負担を考えると、人員確保やシステム導入が難しい小規模企業の事業活動を圧迫している可能性があります。

既得権益を壊す税制改革こそ重要

各政党のバックに大企業などを中心とした支援組織がついている現在の政治体制では、制度は大企業・富裕層に対して有利に設計されがちです。

特に税については、税の専門家などを通じて中央の情報にアクセスしやすい大企業や富裕層が節税などを通してさらに優位に制度を使う傾向があります。当然ながら、同じ体制が長く続けば、既得権益がより富をためこむ傾向を強めます。

消費税をはじめとする税制に対して違和感を覚えているなら、既得権益の影響を受けない政治勢力を支持することが、税制刷新の第一歩。    
「既存の税制が続く限り、お金に関して既得権益に有利な傾向がどんどん強まっていく」そんな状況でいいのか、その是非の検討は国民全員の生活にとって重要な話でしょう。

消費税がなかった時代は経済が潤っていた!現行税制の課題を感じるなら社会が変わる行動を

かつて日本は、消費税がなくても、経済を回し、国民が安心して暮らせる仕組みを作っていました。生活水準なども全く異なる当時の経済状況と単純な比較は難しいものの、おおかた日本経済は潤っていました。

消費税が生まれたのは1989年、消費税10%になったのは2019年10月。長い歴史で見ればつい最近の話です。消費税の長所・短所については議論がありますが、消費税がなく、すべての商品サービスについて価格が1割上乗せされない状況をイメージすると、買い物がしやすいことは間違いないでしょう。

しかし、今の政治体制・税制が続けば、基本的には現状維持で税の仕組みはなかなか変わりません。むしろ、増税をしてきた歴史があります。これまでのルールでお金をため込んできた既得権益にとって有利な状況を強めがちな現状を変えたいなら、政治の方向性が変わる選挙のタイミング。

既得権益に縛られている与党の政治家「以外」を選ぶことにより、税制の変革も期待しやすいはずです。野党は税制を含め現行のルールに対して、問題点を主張してきた立場。野党から「さらに増税を」などという声は普通聞かないでしょう。そうやって減税を主張してきた党が国政を担うことになれば、長年言ってきたことを実行せざるを得ません。消費税の不自然さに疑問を感じている人は、ぜひ選挙の際、「政治が動く」「社会が変わる」行動をとってみてください。

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著者

大塚 さとこ

大塚 さとこ

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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島根2区 35,062 票 比例 中国ブロック 中道改革連合

肩書 中道改革連合島根県第2区総支部長
党派・会派 中道改革連合
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