2026/5/6
前回、お隣の小山市の「オーガニック給食」の素晴らしい実績をお伝えしました。こちらが前回のブログになります(栃木県小山市の学校給食から学ぶ①~私が小山市で見た「本気の食育」とこれからの街の守り方~)。 でも、皆さんもこう思いませんでしたか?
“そんな大きな改革、綺麗事だけで進むわけがない“と。
実は私もそう思っていました。だからこそ、本日は皆さんへ、綺麗事ではない「真実」をお話ししたいんです。 自然を相手にする有機野菜です。形はバラバラ、虫食いもある。調理の現場からは「手間がかかる!」「仕事が増える!」と、絶対に不満が出るはずです。これから古河市を良くしていくためには、この「リアルな壁」をどう乗り越えたのかを知らなければ、本当のヒントにはならない。そう思った私は、小山市役所の学校支援課でこのプロジェクトを支える担当者のOさんに直接ご連絡をして、思い切って「現場の裏話」を聞かせていただきました。そこにあったのは、カッコいい政策なんかじゃなく、すごく泥臭くて、思いやりのある「人と人との歩み寄り」の物語でした。
有機野菜は生き物です。お天気や虫の影響で、計算通りに育たないことの連続です。 もし、予定していた野菜の数が足りなくなったら? 現場はどうしたと思いますか?Oさんの答えは、想像以上に泥臭いものでした。
「そんな時は、市役所の農政課職員が大急ぎで市場へ走って、普通の野菜を買い集めて給食に間に合わせたんです!」
これを聞いて、私はびっくりしました。 「絶対に全部オーガニックじゃなきゃダメだ!」と意固地になるのではなく、何よりもまずは、目の前の子どもたちの給食に穴を開けないことを一番に考える。 理想は持ちつつも、トラブルが起きたら大人が自ら汗をかいて走り回る。この執念こそが、プロジェクトを前に進める大きなパワーなんだと気付かされました。
もちろん、調理現場からの不満もありました。 有機野菜は小さかったり、形が不揃いだったりするから、皮をむくのにすごく時間がかかります。さらに、小さい分だけ捨てる部分が増えてしまい、出来上がりの給食の量が減ってしまうという問題もありました。これに対して小山市は、「有機野菜を使う日は、少し多めに発注していいよ」「差額は市が負担するから、お金の心配はいらないよ」と、現場をしっかりサポートしました。 でも、現場の空気を一番変えたのは、お金やルールではなく「対話」でした。 昨年の夏休み、現場の栄養士さんたちを農家さんの畑に連れて行き、直接お話しを聞く機会を作ったそうです。 炎天下の中、農家さんがどれだけの手間と愛情をかけて野菜を育てているか。それを肌で感じた栄養士さんたちの間で、「こんな想いで育ててくれたんだから、少し手間でも大事に使おう」「この愛情を子どもたちに届けたい」という気持ちが芽生えたそうです。マニュアルなんかじゃなく、人と人との繋がりが、現場の不満を「協力」へと変えた。人と人が顔を合わせ、想いを重ねる。それが古河市の未来にも必要だと思いませんか!
今、古河市は「給食センター方式」です。「センター方式になると、作る人の顔が見えなくなって食育が形骸化するのでは?」という不安の声もよく耳にします。 この点についてOさんに伺うと、目からウロコのアドバイスをいただきました。
「センター方式か自校式か、という形にこだわりすぎる必要はないのかもしれません。大事なのは、どうやって子どもたちと調理現場を繋ぐかです」
小山市では、調理場の様子をテレビ生中継して動画配信したり、給食週間に調理の裏側を子どもたちに見せてあげたりする取り組みを行っているそうです。「動画」というツールを使うことで、たとえ離れた場所にいても、自分たちの給食がどんな想いで作られているかを感じることができる。「センター化=距離が遠くなる」と諦めるのではなく、新しい技術を使って、むしろ今まで以上に関心を高めていく。この前向きな工夫に、私はとても感動しました。
私は少し意地悪な質問もしてみました。「オーガニックにしてから、子どもたちの食べ残しって劇的に減ったんですか?」と。 するとOさんは、正直に教えてくれました。「実は、食べ残しが減ったっていう目に見える成果はまだ出せていないんです」と。 でも、そこには胸がギュッと締め付けられるような、優しすぎる事情があったんです。
「今、不登校のお子さんが増えていますよね。小山市では、その子たちが『いつ学校に来てもいいように』、必ずその子の分の給食も作って待っている方針なんです。だから、どうしてもその分の給食が余ってしまうんです」
これこそが、本当の「食育」であり「街の守り方」じゃないでしょうか。 数字上の「残食ゼロ」っていう見栄えよりも、一人の子どもの居場所を守るために、温かい給食を作り続ける。 数字の「効率」よりも、一人の子どもの「居場所」を守る。これが本当の、街の優しさだとは思いませんか!
実は私自身、子どもの頃を振り返ると、学校へ行く一番の楽しみは「給食」でした。勉強も大事、スポーツも大切ですが、あの給食の時間があったからこそ、毎日元気に学校に通えていた。 言わば、子どもにとって給食を食べに行くことは立派な「仕事」のようなものだったように思えます。そんな大切な時間だからこそ、最高に安心で、美味しいものを届けてあげたい。不登校の子の分まで作り続ける小山市の姿勢を知って、改めて「給食が持つ力」を信じたくなりました。
今回のお話しを通して、私は「なぜ古河市でできないのか」の答えのヒントを見つけた気がします。 私たちはつい、「給食センター方式だと無理だ」「民間委託だと想いが伝わらない」と、できない理由ばかり探しがちです。でも小山市は、民間委託をする際も「なるべく地元の人を採用してほしい」とお願いをして、地域の中でお金と仕事が回るように配慮しています。市の想いをしっかり汲み取ってくれる業者さんと、丁寧に協力し合っているんです。
完璧な100点満点じゃなくてもいい。失敗したっていい。 「できない理由」を並べる前に、現場の苦労にしっかり寄り添って、泥臭く対話を重ねて、「今できること」から少しずつ変えていく。私は、古河市でもこういう対話から始めたい。 市役所、学校、農家さん、そして私たち市民が、同じテーブルで「子どもたちのために何ができるか」を話し合える街にしたいと強く感じました!一緒に、この古河の地で、子どもたちの未来を耕していきましょう!

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