2025/12/3
こんにちは!尾張旭市議会議員の勝股修二です。
このページでは、私が市議会の一般質問で取り上げた「『元気まる測定』事業の費用対効果とリソースの再配分」についての議事録を紹介しています。
尾張旭市の「元気まる測定」は、市民の皆さんの健康管理をサポートするプログラムとして、かつては他市も視察に訪れるほど先進的な事業でした。しかし、時代は劇的に変化しました。今ではスマートフォンやスマートウォッチが普及し、高機能な民間の「健康管理アプリ」が誰でも手軽に利用できます。
そこで私は、市の現状に対して次のような問題提起を行いました。
時代に合わせた事業のアップデートと、皆様の貴重な税金をより効果的に活用する「選択と集中」を求めて、私が市に鋭く切り込んだ内容となっています。ぜひ、詳細をご覧ください!
◆1番(勝股修二) 質問事項3、民間サービスの普及を踏まえた「元気まる測定」事業の費用対効果と、今後の事業見直しとリソースの再配分についてに入ります。
本市が実施する元気まる測定は、市民の健康管理プログラムとして、他市と比べても先進的な取組であったと認識をしています。実際に、多くの行政視察を受け入れてきたということで、非常に、その元気まる事業自体、非常に先進的な取組であったということです。
ただ、しかし、この元気まる測定に限った話で言いますと、この事業が開始された当初と現在とでは市民を取り巻く健康管理の環境は劇的に変化をしました。スマートフォンやスマートウオッチの普及に伴い、個人の健康状態を記録、管理、分析する安価な「健康管理アプリ」が市民の手の届くところにあふれています。
このような状況下で、市が予算と人員を投じ、民間サービスと同じような、あるいは民間のサービスでも代えられるようなプログラムを提供し続けることの費用対効果と公共事業としての妥当性について、検証すべき時期に来ていると考えます。
行政のリソースは有限であり、民間でも対応可能な分野への支出は選択と集中を進め、行政にしかできない喫緊の課題や、姿勢分析アプリなどをはじめとし、これから開発されるであろう優れた民間サービスも含めて、市民に啓発することにこそ貴重な財源と人員を振り分けていくべきではないでしょうか。
そこで、元気まる測定事業の成果と現状の費用対効果をどう総括し、今後の事業見直し及びリソースの再配分について、本市の見解を小項目ごとにお伺いしていきます。
小項目(1)、事業の現状と費用対効果の認識についてに入ります。
元気まる測定プログラムの年間の延べ利用者数と、それに係る総事業費はどの程度でしょうか。ア、総事業費についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
元気まる測定の昨年度の利用者数は延べ473人で、決算額から算出した総事業費は、459万3,300円でした。
内訳としましては、システム使用料、モバイルルーター貸出費用、プログラムシート発行機能費用、進行管理料などを含む元気まる測定業務委託料が410万4,100円、体力測定の補助をしていただく愛知県健康づくりリーダーへの謝礼が23万円、シルバー人材センターに委託し、市内9か所の元気まるステーションの点検に回っていただく地域拠点巡回委託料が7万9,200円、会計年度任用職員である運動指導員の給与のうち本事業に関わる費用が18万円となっております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) それでは、この事業の利用者1人当たりのコストと、それによって得られた市民の健康増進への具体的な成果としての費用対効果をどのように分析・評価しておられるか、イ、費用対効果についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
単純に総事業費を利用者数で割りますと、本事業の利用者1人当たりのコストは9,710円、約1万円ということになります。
本事業は、個人のセルフケア能力の向上を目指し、生活習慣に関するアンケートと体力測定の結果から、運動や生活習慣の改善目標が提示されるプログラムシートを作成して、3か月間運動や食事などの生活習慣の改善に取り組みます。そして、3か月後に再度元気まる測定を受けていただいた方のうち、生活習慣が改善した人の割合は昨年度は55.5%でした。また、3か月後以降もよい習慣の継続をサポートするため、地域拠点である元気まるステーションで測定した血圧計と体組成型の測定データが無料のアプリでグラフ化され、自分自身の変化が可視化できるようになっております。
本事業は、健康な人だけが受けるのではなく、健康診査で肥満傾向や血糖値が高めの人など、生活習慣病予備軍の方にも多く受けていただいております。そうした方々が本事業をきっかけとしてセルフケア能力の向上に伴い、生活習慣の見直しや定期的に血圧及び体組成測定の習慣を身につけることは、生活習慣病の予防ができているということであり、ひいては医療費の削減にも一定程度寄与していると考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
参加者延べ473人の55.5%とすると、200何十名の方の生活習慣が改善されたということになるんですが、ただ、3か月後の再測定を受けられた方だと思いますので、多分200名とか、多分100何十名とか、そのオーダーになってくるんじゃないかなと考えますんで、実際に生活習慣が改善された市民の方というのはそのようなぐらいのことなのかなとは思います。
ただ、健康づくりに対して取り組めば必ず一定程度は効果が出るということは私自身、専門ですので、よく分かっていますし、しかし、行政の選択は有限であり、選択と集中が必要であることから、小項目(2)、民間サービスとの「すみ分け」に関する見解についてに入ります。
安価で高機能な民間の健康管理アプリが普及している現状をどう認識されておられるか。ア、現状についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
昨今、スマートウオッチなどで健康状態を管理できるアプリや、体重や食事内容を記録することができるアプリが多くあること、また、隙間時間に運動ができる施設や個別で運動指導が受けられるスポーツジムなどが多数あることは承知しております。
多忙な働き盛り世代にとって、利便性の高い機器を用いて自分自身に合った健康管理の方法が選択できる環境が整うことは、生活習慣病予防の観点からもよい傾向だと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) それでは、本市が実施する元気まる測定を民間サービスと比較した際の、公共事業としての優位性や必要性はどこにあるのか。イ、公共事業とするべき、優位性と必要性についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
元気まる測定が民間サービスと大きく異なるのは、必ず保健師が介入し、測定の結果により、生活習慣の改善が必要な方へは個別に保健指導を行う点です。
市民の皆さんの行動変容を促すには元気まる測定を受け、自分自身の健康状態を客観的に知った上で、なぜ生活習慣の改善が必要なのかを理解していただくことが大切だと考えます。また、健康診査を受けている方であれば、健診の結果と併せてその人に合った栄養や運動習慣に関する指導を行うことができます。
民間の健康管理アプリは、自分自身の健康状態を知るという点では本事業と同じと考えられます。しかしながら、計測値がなぜ高いのか、または低いのか、標準値から外れた場合にどうしたらよいのか、何をしたらよいのかなど、生活習慣改善の行動変容につなげることが難しいことや、デジタル機器の不得手な高齢者などは扱いにくいことが本事業とは異なる点だと考えております。
以上のことから、保健師が介入して、そのメリットを最大限に生かしている元気まる測定は、全ての市民が等しく利用できる公共事業として実施するべきであると考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
ただ、最近の健康管理アプリというのは本当にどんどん進化していて、生成AIによるアドバイスとか、物によっては専門職が直接助言をするというものもあります。また、これらのアプリは、医療健康保険組合ですね、各企業の医療健康保険組合や協会けんぽは、ただ、愛知支部はあまり何だろう、そういう助言があるものは扱ってなかったような感じなんですが、これらのアプリは、特定保健指導として提供されることも多く、取組が重複しているところもどうしてもあります。事業を継続するのであれば、例えば国民健康保険の被保険者に対象を絞って、国の保険者努力支援制度の加点対象として活用するなど、財源や対象の在り方を根本から見直す時期に来ていると思います。
小項目(3)、今後の事業見直しと新たな取組への資源(リソース)転換についてに入ります。
今後、民間サービスはどんどんと進化、普及していくことから、健康意識が高く、自らアプリなどを活用できる市民層へのサービスは段階的に縮小・終了し、民間サービスの活用を促すべきではないかと考えます。
このような提案に対して、ア、民間サービスへの移行促進について、本市の見解をお伺いします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
生活習慣病予備軍に該当する層や、健康に関して無関心でいる層に対しては、本事業を積極的に受けていただきたいと考えておりますが、一方で、健康意識が高く、自らアプリなどで健康情報を得ることができ、健康的な生活を送ることができる層、すなわち既にセルフケア能力をお持ちの方に対しては、本事業を積極的に勧める必要はないと考えております。
しかしながら、そうした方々に対しても、SNSなどの健康情報の中には信頼性に欠ける情報もあふれていることから、正しい情報の普及を行うことは必要だと考えております。
先ほども答弁させていただきましたが、本事業は、個人のセルフケア能力の向上を目的としております。民間サービスは様々で、優れたものがあることは承知しておりますが、果たして全ての市民が信頼して利用できるものなのか、安全なものなのか、セルフケア能力が向上するものなのかなどの判断が難しいことから、現時点では民間サービスの活用を促すことは考えておりません。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
御懸念については承知をしましたが、ただ、ここで改めて行政の役割と資源配分という根本的な視点に立ち返っていただきたいのです。釈迦に説法ではあるんですが、国や地方自治体の最も基本的な機能の一つは、限られた資源をどこに投じるかという資源配分にあります。自治体が提供すべき行政サービスとは、本来、社会福祉や学校教育のように、地域住民個人の力では解決できないことや、民間企業の市場原理に任せていては供給されない、不採算だが社会に必要なものに応えることにあります。この優先順位を見極め、決断することこそがまさに政治の役割です。
今の時代、健康管理アプリのような分野は、民間市場が成熟し、安価で優れたサービスが供給されてきています。そうであれば、元気まる測定の民間移行や見直しによって生み出された貴重な財源や人的リソースは、民間には決して代わることができない重層的支援体制の強化や、自ら助けを求められない方へのアウトリーチ活動あるいは疾病予防に向け、玉石混交ある民間サービスの中から市民が正しいものを選択できるようにするための啓発などにこそ振り向けていくべきではないでしょうか。
そこで、今のようにリソース資源の転換をしていくことについて、イ、リソースの転換についてお伺いしますが、民間でも代替可能な事業から、行政にしかできない課題へ予算と人員というリソースを再配分していくことについて、本市の現状の御見解をお聞かせください。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
議員御指摘のとおり、事業の成果や費用対効果などを常に意識して、必要に応じて見直しをすることは、全ての事業において大切なことだと認識しております。本事業につきましても、すぐに事業を縮小することは考えておりませんが、適宜見直しを行い、利用者数の減少や成果が思わしくないなど、合理的理由により事業の縮小あるいは廃止の決断をした際は、その財源を優先順位の高い他の事業へ配分することになろうかと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) 御答弁ありがとうございました。
すぐには縮小しないという慎重な姿勢ではありましたが、時代の変化に合わせた見直しの必要性は共有できたものだと受け止めております。
また、誤解なきように一応確認をしておきますけれども、これはあくまでも健康課さんの保健福祉センターでやる元気まる測定に限った話であります。あたまの元気まるについては全国的にも非常によい取組だと私は考えておりますので、そういういろいろいい取組、また見直すべき取組というのをしっかりと分けて考えていただけたらと思います。
最後に、本日の一般質問全体を通して申し上げます。
先ほどの質問事項1では、困難な課題である地域づくりについて、質問事項2では、40歳未満で死に直面し、制度のはざまで苦しんでいる若年がん患者さんについて取り上げました。いずれもまだまだ課題が山積しています。
一方で、この質問事項3では、民間サービスが充実して、自分でも健康管理ができる分野に行政が1人当たり1万円から、下手したら2万円のコストをかけ続けているという現状が明らかになりました。
行政のリソースは有限である。これは単なる財政論ではありません。どこに予算と人を割くかというのは、すなわち誰の命をどれくらいの熱量で守ろうとしているかという市の意思表示そのものです。民間でできることは民間に任せ、行政は行政の方針を待っている地域や、行政にしか救えない心のもとへ全力を注いでいただきたいと思います。真に支援を必要とする方々に光が当たる温かい市政運営と、勇気ある決断による選択と集中を強く要望し、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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