2026/3/17

3月17日、江東区が「大規模データセンター建設計画における話し合いガイドライン(区民向け)」(全31ページ)を公表しました。千石三丁目のデータセンター問題を契機に策定された指導要綱(令和8年2月施行)を補完する文書です。
一定の意義はあります。排熱・騒音・低周波音・重油備蓄・管理者変更時の引き継ぎ問題など、データセンター特有の懸念事項が行政文書として初めて体系化されました。「法令適合は必要条件だが、それだけで不安は解消されない」と住民側の認識を正面から書いたことも前進です。
本題はここからです。このガイドラインの宛先は住民であり、事業者ではありません。報告仕様も説明水準も定められていません。事業者が説明項目と前提条件を自由に選べる構造——千石の説明会が紛糾している根本原因——は一切変わりません。
騒音対策は「静かなタイプの設備を使用します」。何デシベルで「静か」なのかは不明です。排熱シミュレーションは「必要に応じて確認します」。気象条件の設定も第三者検証も触れられていません。
さらに問題なのは、ガイドラインに「事業者が真摯に向き合い、配慮と工夫を重ねる姿勢で検討を進めていただいております」との記述があることです。策定した建築調整課は説明会に一度も出席していません。現場を見ずに事業者の姿勢を行政が追認している。第三者検証の不在は、シミュレーションだけでなく「事業者評価」にまで及んでいます。
同日、私は都民ファーストの会・後藤なみ政調会長を通じ、東京都のDCガイドライン所管3局(都市整備局・産業労働局・環境局)と意見交換を行いました。千石の構造的問題を直接伝え、都の制度への反映を提言しました。
必要なのは住民向けの参考書ではなく、報告仕様の標準化・第三者検証の制度化・稼働後モニタリングの枠組みです。

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ホーム>政党・政治家>中島 ゆうたろう (ナカジマ ユウタロウ)>江東区データセンター建設ガイドラインを読む|千石3丁目問題の現場から見た意義と限界