2026/3/12

2026年3月10日の建設委員会で、区が南砂地域で令和9年5月から開始予定のAIデマンド交通実証運行について質疑を行い、コスト面・利便性面の双方から問題提起しました。
区の計画では、南砂地域(面積2.72km²)でワゴン車1台を運行し、25か所程度の乗降スポット間を相乗りで移動するAIデマンド交通の実証運行を行います。想定利用者数は1日40人、年間325日運行で延べ13,000人。運行経費は年間3,900万円に対し、運賃収入見込みは約430万円で、収支率はわずか11.0%。経費の約89%にあたる約3,470万円が公費負担です。
委員会で、利用者全員にタクシー券2,000円を配った場合の費用が2,600万円であり、デマンド交通の運行経費3,900万円より1,300万円安くなる計算を示しました。さらに、1回あたりの公費負担額は約2,670円。タクシー券2,000円を配るよりもデマンド交通1回の税金投入額の方が高いのです。
地域交通課長は「車両を常時確保してニーズがあった時にすぐ出せる状況を確保し、実証効果を検証したい」と答弁しましたが、「車両を常時確保してすぐ出せる」のはまさに東京のタクシーがすでに実現していることです。タクシーは自宅まで迎えに来てドアツードアで移動できるのに対し、デマンド交通は乗降スポットまで歩く必要があり、主な対象である高齢者にとってはむしろ負担になります。

足立区のデマンドタクシー「足タク」は、既存のタクシー事業者4社と連携し通常のタクシー車両を活用する方式で、2024年6月に実証実験を開始し、2025年4月に23区初の本格運行に移行しています。
江東区の委員会資料自体が車両比較の注釈で足立区モデルに言及しているにもかかわらず、あえてワゴン車を別途用意する選択をしている。その判断の合理的な理由は、質疑では示されませんでした。
実証実験そのものは否定しません。しかし、「デマンド交通ありき」で全区に広げるのではなく、タクシー券の方がいい、あるいは別の方法の方がいいという結論も排除せず、様々な可能性を検討すべきです。

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ホーム>政党・政治家>中島 ゆうたろう (ナカジマ ユウタロウ)>23区のデマンド交通は本当に必要か?江東区の3,900万円計画を委員会で問う