2026/6/30
江東区では今後も人口増加と高齢化の進展が見込まれており、特に75歳以上の後期高齢者の割合増加が課題となっています。免許返納後の移動手段への不安や、高層マンションが多い本区における外出機会の減少による孤立・孤独も懸念されます。
買い物に行く。
病院に通う。
地域活動をする。
友人や知人に会う。
――こうした日常の行動を支えるためには、誰もが利用しやすい交通環境が必要です。
地域交通は単なる移動手段ではなく、高齢者の社会参加を支え、健康寿命の延伸や介護予防、さらには孤立防止にもつながる重要な社会基盤です。
一方で、区内には駅から距離のある地域や移動に時間を要する地域も存在します。 さらに、最寄りの駅やバス停が利用できたとしても、目的地によってはバスを何本も乗り継がなければならない場合や、一度大きな駅まで出てから乗り換えなければならない場合もあり、移動の負担は決して小さくありません。 特に高齢者にとっては、移動距離そのものよりも、乗り換え回数や待ち時間が大きな負担となることがあります。
だからこそ、これからの地域交通は「交通手段があるかどうか」ではなく、「目的地まで無理なく移動できるか」という視点で考えていく必要があるのではないでしょうか。
区では現在、南砂地域においてAIデマンド交通の実証事業を進めています。既存の公共交通を補完する時代に即した取り組みであり、高齢者が利用しやすい仕組みとしてどのような配慮を行う考えなのか、区の認識を伺いました。
コミュニティバスについては、令和6年度に新設された豊洲ルートをはじめ、私自身も全ルートに乗車し、商業施設の開店時間帯に多くの高齢者や区民が利用されている実態を確認しました。コミュニティバスはまさに区民の足として重要な役割を果たしており、今後の高齢化の進展や利用状況を踏まえたルート拡充の検討を求めるとともに、全国で広がりつつある地域主体による交通の導入可能性についても区の見解を伺いました。
また、本区は自動運転技術の実証フィールドとしても注目されている地域です。東京都交通局による自動運転バスの実証運行や、新木場と海の森公園を結ぶ実証運行もその一例です。高齢化や運転手不足への対応を考えると、自動運転は将来の地域交通を支える重要な選択肢です。鉄道・バス・デマンド交通・自動運転など多様な交通手段を組み合わせる視点から、本区として自動運転の実証運行に取り組む考えがあるか、また策定中の地域公共交通計画において将来の交通像をどう描くのか、区の見解を求めました。
【答弁の要約】
デマンド交通については、高齢者医療センターや食料品店など利用ニーズの高い施設周辺をスポットとして設定し、病院の受付時間に配慮した運行時間を予定しているとのことです。アプリ予約に加えコールセンターも設置するなど、高齢者が利用しやすい仕組みを整備して実証運行の準備を進めていくと答弁しました。
コミュニティバスについては、昨年度は過去最高の乗客数を記録したとのことです。一方、全国的な乗務員不足を踏まえるとルート拡充には課題があるとし、今後は便数のあり方等について検討していくとしています。地域主体による交通については、他自治体での取り組み事例を把握しているものの、担い手確保や財源確保に課題があるとして、現段階では導入に向けた検討は行っていないと答弁しました。
自動運転については、将来的な地域交通の維持・充実の観点から重要としつつも、安全性や費用負担など多くの課題があるとして、東京都や他自治体の実証運行を参考に調査研究していくとのことです。地域公共交通計画については、鉄道やバスに加え多様な交通手段を組み合わせた持続可能な交通体系の構築を基本方針として、令和7〜8年度にかけて策定を進めていると答弁しました。

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