富田 けんじ ブログ

氷川台駅前の飲食店を守れるか?40m道路計画と練馬区の「奥の手」をわかりやすく解説します!

2026/7/4

練馬区議会議員の富田けんじです。

本日、令和8年7月4日(土)、開進第四小学校で開催された「氷川台駅周辺地区 地区計画(素案)説明会」に参加してまいりました。

現在、氷川台駅周辺では、これからのまちの景色を大きく変えるプロジェクトが進行しています。それに伴い、地域の皆さんから毎日のように不安の声をいただいています。本日は、この氷川台のまちづくりについて、「今何が起きていて、これからどうなるのか?」を、できるだけわかりやすく解説したいと思います。

まちを二分する「40m道路」。皆さんの不安の正体とは?

今、氷川台のまちづくりにおいて最大の焦点となっているのが、東京都が進めている都市計画道路「放射36号線」の整備です。これは幅員(道幅)が40mから50mにもなる、非常に大きくて太い道路です。

この巨大な道路がまちを貫くことに対して、地域の皆さんからは大きく2つの切実な不安の声が寄せられています。

「駅周辺の馴染みの飲食店が、立ち退きでなくなってしまうのでは?」

「大きな道路ができたら、駅の出入り口やエレベーターへのアクセスが分断されて、不便になるのでは?」

毎日の生活を支える「食」と、通勤通学の「移動」。これらが脅かされるかもしれないというご心配は、ごく当然のことです。私自身も氷川台の飲食店のヘビーユーザーですから、「駅前に大きな道路ができたけれど、お店は何もない」という状態になってしまったら、本当に困ってしまいます。

では、このまま氷川台の駅前は、ただ道路が広いだけの味気ないまちになってしまうのでしょうか?

行政の奥の手。「総合設計制度」ってなに?

実は、練馬区もこの危機感は重々承知しています。しかし、ここで一つの壁にぶつかります。それは、「行政(練馬区)は、民間の土地に対して『ここに飲食店を建てなさい』と命令することはできない」という大原則です。

「それなら、どうやって駅前の賑わいを残すの?」と思いますよね。

そこで今回、練馬区が地区計画の中で打ち出したのが、行政ができるギリギリの支援策である「総合設計制度を活用した高さ制限の緩和」という仕組みです。

漢字ばかりで難しそうですが、要するに「まちのために協力してくれた地権者さんには、建物のルールを特別にオマケ(緩和)しますよ」というボーナス制度なんです。

どういうことか、少し紐解いてみましょう。

氷川台の駅前には、現在さまざまな広さの土地が集まっています。それぞれが小さな建物を敷地いっぱいにギュウギュウに建てるのではなく……

条件①: お隣さん同士などで協力して「ひとつの大きな土地(1,000㎡以上)」にまとめ、共同でビルを建てる。 

(※1,000㎡というのは、一般的な戸建て住宅でおよそ10軒分、テニスコートなら約4面分ほどの広さです。これくらいまとまった規模の土地にする、ということです)

条件②: 敷地いっぱいに建てるのではなく、あえて建物を奥に引っ込めて、道行く人が歩きやすくなったり休めたりする「広場や歩道のようなゆとりある空間」を作る。

条件③: そこに加えて、「建物の1階を店舗や飲食店」にする

この3つの条件をクリアしてくれたら、区からのご褒美として、本来30mまでしか建てられない建物を、36m(2,000㎡以上の土地なら45m)まで高く建てていいですよ!というルールを作ったのです。

建物を高く建てられるということは、それだけ上の階にマンションの部屋やテナントを多く入れられるため、地権者さんにとって事業としてのメリットが大きくなります。

つまりこれは、「今まで通りお店を続けたい」「新しく店舗を入れたい」と願う地権者さんの背中を押し、投資しやすい環境を整えるための制度なのです。

ただ道路を通すだけでなく、こうしたインセンティブ(動機付け)を用意して飲食店を残そうとする練馬区の姿勢を、私は非常に高く評価しています。

解決の鍵は「三者連携」。皆さんと共にまちづくりを進めるために

「なるほど、練馬区がルールを作ってくれたなら安心だ」

……と言いたいところなのですが、実はもう一つ、大きな問題が残っています。

練馬区がどれだけ沿道の建物のルールを工夫しても、区の力だけではどうにもならない領域があるのです。

なぜなら、この大きな道路を作っているのは「東京都」であり、駅の出入り口やエレベーターを整備・管理しているのは「東京メトロ」だからです。

練馬区がいくら頑張っても、インフラの根幹を担うこの二者が動かなければ、「道路が広くなって駅に行きづらくなった」という皆さんの不安は根本的には解消されません。「東京都の管轄だから」「メトロの仕事だから」と縦割りで責任を押し付け合っていては、まちは絶対に良くならないのです。

だからこそ今、求められているのは、東京都と東京メトロをしっかりと巻き込み、練馬区と協力してまちづくりを進めていく視点です。

私は、地域の皆さんの不安を解消するためには、「東京都・東京メトロ・練馬区」の三者が合同で皆さんに説明を行い、率直に意見を交わせる『話し合いの場』が必要不可欠であると考えています。

今日の丁寧な説明会を受けて、区の真摯な取り組みには大いに賛同いたしました。

私が政治家として果たすべき役割は、単に皆さんの声をどこかへ「届ける」だけのメッセンジャーになることではありません。

皆さんの「飲食店を残してほしい」「駅への安全なアクセスを確保してほしい」という切実な声にしっかりと耳を傾け、東京都・東京メトロ・練馬区の三者をしっかりと巻き込みながら、地域の皆さんと共にこのまちづくりを前に進めていくことです。

氷川台のより良い未来のために。そして、これからも美味しいご飯が食べられる駅前であるために。ぜひ、皆さんの率直なご意見を私にぶつけてください!

(練馬区議会議員 富田けんじ)

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著者

富田 けんじ

富田 けんじ

肩書 練馬区議会議員
党派・会派 立憲民主党

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