2025/6/1

※「基礎年金財政の仕組み」について、当初の文章に誤りがあり、読者の方からご指摘をいただきました。以下、再編集し、掲載いたします。
立憲民主党の泉健太です。今回は年金法案について語ります。
この年金法案は「重要広範議案」これは、与野党で充実審議することが大前提の重要法案です。
しかし与党は、法案提出を2カ月も遅らせました。自民党は参院選への悪影響を恐れ、石破総理にはリーダーシップが欠けていました。
これに対し、立憲、維新、国民、共産党、れいわなど野党各党は「審議時間が足りない」と反発しました。
ただ会期末は6/22。問題は、法案の扱いです。5年に一度の年金「財政検証」による年金政策の軌道修正をせねば、当初の予測と実際の年金の乖離がどんどん大きくなってしまいます。
今回の主題は、このままだと減ってしまう、就職氷河期とその下の世代全体の年金額を、いかに「増やすか 」ということです。
与党が以前導入した「マクロ経済スライド」を続けていくと、今後、就職氷河期とそれより若い世代の年金受給額が抑えられてしまう。それを防がねばなりません。
それゆえ立憲は、与野党協議を始めました。
就職氷河期世代とそれより若い世代は、非正規雇用者の割合が従来より高く、現在、年齢が40歳の場合、88.3%の人が国民年金と厚生年金の両方に加入経験を持っています。厚生年金に一度も入っていない人も5.6%存在します。若い世代の将来の年金受給額は、今回修正を加えなければ、より厳しくなります。
本来、国民年金と厚生年金のマクロ経済スライドは、2023年に同時終了する予定で、就職氷河期世代やそれより若い世代には「受給額抑制」は起きないはずでした。
それが、
①長年のデフレ下で賃金が下がっても、厚生年金加入者を含めた基礎年金の受給額を下げてこなかったため、国民年金財政が悪化。
②女性や高齢者の労働参加が進み、さらに労働時間などの加入資格が緩和され、厚生年金加入者が増え、厚生年金財政は改善。
→国民年金財政が悪化すると、マクロ経済スライドによる基礎年金の受給額抑制が長く続くことになり、全国民共通の基礎年金が低下
→その結果、厚生年金の1階部分に当たる基礎年金も低下
→それに伴い、厚生年金の方の基礎年金に投入される国庫負担も減っていく
→この現状では、国民年金の財政悪化により厚生年金の方への国庫負担も減り、厚生年金の方の年金も減ってしまう
→制度改正をしないと、その悪影響を最も受けるのは、就職氷河期と若い世代になってしまう
これが明らかになったのが、今回の財政検証でした。全国民共通の基礎年金のマクロ経済スライドが長く適用されるのは問題です。財政検証を受けて、マクロ経済スライドの受給抑制期間を、あらためて見直す必要があります。
これは将来世代の年金を減らすのではなく、増やす政策です。現在、基礎年金部分には「国庫負担1/2ルール」があり、この仕組みを使うことで、将来の厚生年金受給者を含めた99.9%の方の年金額を底上げすることができます。年金財政に対する国からの支援が強化されます。
では、その国庫負担の財源はどうか?
結論から言うと、今回の制度改正に「増税」や「年金保険料アップ」は伴わない。
なぜならば、年金財政に投入されている国庫負担額は現在、年13.5兆円ですが、この額は今後のピーク時(2040年)でも13.7兆円で、現在と今後もほぼ変わらないからです。
そして2040年以降は、人口減少社会を迎え、年金受給者と受給総額自体が減少するので、国庫負担額も減少していきます。
「増税だろ」という声もありますが、繰り返しますが、今回の制度改正に「増税」や「年金保険料アップ」は伴いません。
まずは、就職氷河期とその下の世代の年金額を確保し、その後も次世代が保険料に見合う年金を受け取れるよう、年金資金の運用に加え、応能負担に基づく税収の確保、税による年金財政への支援を続ける必要があります。
「こんな年金制度はやめてしまえ」「自分の力で蓄えよう」という年金廃止論、自己責任論もありますが、年金は将来の生活を支える大事な基盤であり、自己の積立と運用で、今の年金額を確保できる人はごく少数でしょう。
税で年金を補完し、年金額の充実を図っていかねばならないのです。今後も各党の皆様や国民の皆様と真摯な議論をして、制度の改善を続けます。
お読みくださり有難うございました。
泉健太
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イズミ ケンタ/51歳/男
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