さとう しゅういち ブログ
自衛隊員を“私兵”のように扱う政治──憲法15条を忘れた権力の驕り
2026/6/17
■ 社説自衛隊員を“私兵”のように扱う政治──憲法15条を忘れた権力の驕り
近年、政府首脳による自衛隊の扱いが、憲法の原則から大きく逸脱しつつある。
総理や防衛大臣が軽々しく「台湾有事に援軍を送るかのような発言」を繰り返し、さらには自衛官を自民党大会に出演させた事件まで起きた。
これらは単なる不適切発言や手続きミスではない。
自衛隊員を“国家の公務員”ではなく、政権の“私兵”のように扱う危険な兆候である。
◆ 憲法15条──公務員は「全体の奉仕者」である
日本国憲法15条は明確だ。公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。自衛隊員も例外ではない。
彼らは特定政党のために存在するのではなく、国民全体の安全と生命を守るために働く公務員である。にもかかわらず、自民党大会出演問題台湾有事への軽率な“援軍”発言は、政治が自衛隊を“自分たちのもの”と誤認していることを露呈した。これは、文民統制の根幹を揺るがす。
◆ 自衛隊員は「政権の兵隊」ではなく「国民の公務員」
自衛隊員は、国家の安全保障を担う専門職であると同時に、
労働者としての権利と尊厳を持つ防衛労働者である。彼らを政治の都合で動員し、政治イベントに出演させ、海外派兵を軽々しく口にし、国会での議論を経ずに“援軍”を示唆するこうした行為は、
自衛隊員を政権の“私兵”のように扱う危険な政治姿勢である。これは、本紙が一貫して指摘してきた
「防衛労働者を駒として扱う構造」
そのものだ。◆ 文民統制の形骸化──村田事件と綱紀の緩み
さらに、村田事件に象徴される綱紀の緩み自衛官の自民党大会参加は、政治の側が自衛隊を統制するどころか、
むしろ“政治利用”していることを示す。本来、文民統制とは
政治が自衛隊を厳格に管理し、政治利用を防ぐための仕組み
である。しかし現実には、
政治が自衛隊を利用し、
自衛隊が政治に迎合し、
双方が境界を曖昧にしている。これは、民主主義国家として最も危険な兆候である。◆ 問題の核心は「政治の側」にある
古賀議員の発言がどうであれ、
本当に問われるべきは階層論ではない。問題の核心は、
総理・防衛相らが自衛隊員を“自分たちの兵隊”のように扱っている構造
である。これは、憲法15条(公務員の全体奉仕者性)憲法66条(文民統制)自衛隊法61条(政治的行為の禁止)いずれにも反する。
◆ 結語──自衛隊を「国民のもの」に取り戻せ
自衛隊は、政権の私兵ではない。
自衛隊員は、国民全体の公務員である。
その原則を忘れた政治は、憲法の精神を踏みにじる。今こそ、文民統制の再構築防衛労働者の尊厳の回復政治利用の徹底排除に向けた議論を深めるべきだ。自衛隊を「国民のもの」に取り戻すことこそ、
日本の安全保障の第一歩である。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男