2026/5/13

◆ 広島瀬戸内新聞・社説
カルビー白黒パッケージの衝撃──石油危機下で政治は“メンツ”ではなく現実を見よ
広島発祥のカルビーポテトチップスの包装が白黒に変わった。
一見すれば小さなニュースだが、これは石油危機が生活の細部にまで及び始めた象徴である。
包装資材の確保が難しくなり、企業が苦渋の判断を迫られている。
その現実を、私たちは直視しなければならない。
政府は同社にヒアリングを行うという。
しかし、ここには危うさがある。
政府はこれまで「石油は足りている」と繰り返してきた。
その説明と異なる現実が企業の判断として表面化したとき、
政治が“逆上”して企業に圧力をかけるような構図になってはならない。
企業の正直な情報発信を萎縮させることは、
危機管理において最も避けるべき事態である。
この問題は、政府だけでなく野党にも向けられる。
ガソリン税減税を旗印にしてきた勢力も、
「状況が変わった」ことを前提に政策を見直す責任がある。
石油供給が逼迫する局面で、
消費を刺激する減税が本当に適切なのか。
物価対策と供給制約対策は本来別の議論であり、
単純なスローガンでは乗り切れない局面に入っている。
広島は、戦後の復興を「現実を直視すること」から始めた街である。
都合の悪い事実を隠しても、状況は改善しない。
むしろ、正確な情報を共有し、
市民・企業・行政が同じ現実を見つめることでしか危機は乗り越えられない。
政治は“メンツ”ではなく“現実”を見るべきだ。
企業への圧力ではなく、
需給見通しの再検証と、
状況に応じた政策転換こそが求められている。
石油危機は、私たちの生活の根幹を揺るがす。
だからこそ、冷静で、誠実で、事実に基づく政治判断が必要である。
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