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【対談】AI時代に問われるエンジニアの熱量と人材育成 with 株式会社ハックツ 湯舟武龍

2026/7/15

野村泰暉が、様々な業界の第一人者と対談する新企画、スタートです!

生成AIの台頭により、プログラミングのあり方が根本から変わろうとしている。機能実装が容易になる中、これからのエンジニアに真に求められるスキルとは何か。全国でハッカソンを主催し学生エンジニアの育成に尽力する株式会社ハックツ CEOの湯舟武龍氏と、国民民主党 衆議院新潟4区 元公認候補者でありテックランチャー株式会社 CEOも務める野村泰暉が、日本のテック人材育成の現状と「熱量」の重要性について語り合った。


野村 泰暉(のむら たいき)
国民民主党 衆議院新潟4区 元公認候補者/テックランチャー株式会社 代表取締役CEO
自他共に認める"高専起業の草分け的存在"。社会課題解決を目的に、ビジネスと政治の両面から課題解決に取り組む。現在はうつ病とも戦っている。

湯舟 武龍(ゆふね たける)
株式会社ハックツ 代表取締役CEO
中学生時代からプログラミングに触れ、熊本高専・九州工業大学を経て起業。福岡を拠点に、学生エンジニアに特化したハッカソンを全国各地で多数主催。「技術の無駄遣い」を掲げ、純粋に開発を楽しむエンジニアコミュニティの形成に尽力している。

なぜ今、ハッカソンなのか?「体験設計」の重要性

野村泰暉(以下、野村):本日はよろしくお願いします。湯舟さんがCEOを務めるハックツでは、毎月のように学生向けのハッカソンを開催されていますが、そもそもなぜハッカソンに注力しようと思ったのでしょうか。

湯舟武龍(以下、湯舟):私は中学時代からコードを書いていたのですが、大学時代のシェアハウスで、生活レベルで四六時中コードを書いている天才肌のエンジニアたちに出会いました。彼らのプログラミングへの没入度は凄まじかった。しかし、いざ就職活動となると、家で黙々と開発しているがゆえにアピールが苦手で苦戦している姿を見たんです。それが悔しくて。本当にコードを書いている彼らに社会的なフォーカスを当てたいと考えました。

野村:なるほど。彼らの実力を正当に評価できる場が必要だったと。

湯舟:そうです。ただ、彼ら自身に自己アピールのための時間を使わせたくはなかった。彼らにはずっとコードを書いていてほしいんです。だから、「遊びに来て楽しくコードを書いているだけで、気づけばキャリアの助けになっている」という環境を作りたかった。それがハッカソンで起業することになったきっかけです。

野村:数ヶ月や1年かけるビジネスコンテストではなく、なぜ1泊2日などの超短期間にこだわるのですか?

湯舟:初学者の成長度合いで言えば、インプットとアウトプットの回転数が重要だからです。1年間のコンテストでも、人間はどうせ直前まで本気を出しません(笑)。それなら最初から2日間で限界まで挑戦し、できなかったことを振り返って次に活かす。このサイクルを毎月繰り返す方が圧倒的に成長します。

野村:ハッカソンの運営やイベント企画に関わってきて最近痛感するのは、学ぶべきは「エンタメ」や「体験設計」にあるということです。例えば、ディズニーランドがなぜあそこまで人の心を掴むのか。感動が緻密に設計されているからです。ハッカソンも同じで、「インプットのため」という義務感ではなく、最初の入り口が楽しくなければ絶対に続きませんよね。

湯舟:おっしゃる通りです。だからハックツのハッカソンでは、参加者目線を徹底し、スポンサー企業による長時間の会社説明などはあえてカットしています。彼らは遊びに来ているのに、無理やり企業説明を聞かせてもマイナスブランディングにしかなりません。開発を通じてメンターと自然に話し、懇親会で盛り上がる中で「この会社のインターンに行きたい」と思ってもらうのが正解だと考えています。

飽和するプログラムと「運営都合」イベントの弊害

野村:最近、ハッカソンやアントレプレナーシップ関連のプログラムが至る所で開催されるようになりました。しかし、ビジネスコンテストの審査員やアドバイザーとして現場に入ると、「これって誰のためのイベントなんだろう?」と疑問に思うことが多々あります。

湯舟:同感です。ハッカソンが普及したのは良いことですが、以前から「キャリア系」や「採用目的」のイベントが多すぎるきらいがありました。参加者層を「〇〇年卒」で区切ったり、お偉いさんや人事担当者からの企業説明が長々とあったり。純粋な技術を楽しむ場というより、就活の場になってしまっている。

野村:そうなんですよ。スタートアップ支援や地方創生という名目で補助金がついたプロジェクトなども顕著です。予算の都合上スポンサーを集めなければいけないからと、企業側の都合に合わせた似たようなコンテンツばかりが出来上がる。いわば「案件をこなすため」「運営側のため」のイベントになっていて、目的や対象者が完全にずれてしまっているんです。

湯舟:「イノベーションを起こそう」と謳っているイベントからイノベーションが生まれた事例って、あまり聞いたことがないですよね。参加する学生エンジニアからすれば、「大人の都合」が見え透いていて、ちっとも面白くない。

野村:だからこそ、「何のためのイベントなのか」という本質に立ち返る必要があります。「仕方ないからやっている」ようなイベントでは、絶対に長続きしませんし、参加者の心も動きません。本質的な目的と、それに紐づく「熱量」が欠落しているプログラムが飽和している現状には、強い危機感を覚えます。

AI時代に失われつつある「プロダクトの魅力」

野村:ここ最近、生成AIの登場でハッカソンの様相も随分変わってきたのではないでしょうか。

湯舟:激変しましたね。機能実装という面では、AIのおかげで誰でも簡単に最低限のものが作れるようになりました。しかしその反面、プロダクトとしての「面白み」や「魅力」が著しく落ちていると感じています。

野村:どういうことですか?

湯舟:例えば新しいSNSを作ろうとした時、AIに指示を出せば必要な機能はすぐ揃います。でも、既存のSNSから乗り換えたくなるような「スーパーコンテンツ」は、機能の寄せ集めだけでは絶対に作れません。AIが出してくるのは、あくまで「正解っぽくて当たり障りのないもの」なんです。

野村:すごく分かります。最近の学生のアイデアは、AIを使って綺麗にまとまっている反面、全くワクワクしないんですよ。人間が本来持っている突拍子もない発想が消えてしまっている。

湯舟:そうなんです。だからこそ、ハックツでは「技術の無駄遣い」をテーマに掲げています。「世の中に必要のないものを、ふざけて全力で作ってください」とお願いするんです。誰も必要としていないものを作るからこそ、AIには頼れません。エンジニア自身が頭を悩ませ、最新の技術を駆使して設計・開発しなければならない。そこにこそ本質的な成長があります。

AIに代替されないのは「技術の無駄遣い」と「熱量」

野村:AIにコードを書かせる時代だからこそ、実装力以上に「プロダクト設計力」や「アイデアの面白さ」がエンジニアの価値を左右する時代になったということですね。課題をどう掘り下げるか、そのソリューションが面白いか。両極端の能力が求められています。

湯舟:その通りです。よく「AIにエンジニアの仕事は奪われますか?」と聞かれますが、私は「あなた自身が変わらなければ、何も変わらない」と答えています。結局のところ、すべてに勝るのは自分自身が持っている「熱量」だけなんです。

野村:同感です。先日、知り合いのイラストレーターも同じことを言っていました。「AIに奪われるかどうかはどうでもいい。私がこれをやりたいからやっているんだ」と。自分の熱意に従って動き、それに価値を感じてくれる人がいるならビジネスは成り立ちます。

湯舟:良い体験をお客さんに届けたいという思いも、すべてその熱意から生まれます。「何かを成し遂げたい」「これを続けたい」という純粋な思いは何物にも代えがたい。だからこそ、周りに同じ熱量を持つ仲間がいなければ、ぜひ私たちのコミュニティに来てほしいですね。

現場を知り、課題と遊ぶ「大人の社会科見学×ハッカソン」構想

野村:今後、何か新しく仕掛けていきたいことはありますか? 個人的には、エンジニアたちと一緒に「普段入れない場所の裏側」を覗きに行くようなコンテンツをやってみたいんです。例えば、巨大な商業施設や遊園地の裏側を見て、「エンジニア目線ならここをこう改善できるよね」とアイデアを出し合い、その場で開発するような。

湯舟:それ、実は先日九州の遊園地で似たようなことをやりました(笑)。交渉してヒーローショーの舞台裏などを見学させてもらい、近くの宿で開発合宿をしたんです。大人の社会科見学みたいで最高に面白かったですよ。

野村:さすが、行動が早いですね(笑)。おかげさまで全国の様々な自治体や企業とのネットワークがあるので、ぜひ今後一緒に連携して企画したいですね。JRの車両基地や防災訓練施設など、ランドマーク的な場所を舞台にした「エンジニアの無駄遣いハッカソン」、絶対に盛り上がりますよ。

湯舟:ぜひやりましょう! 現場のリアルな課題に触れながら、技術を使って全力で遊ぶ。そんな体験を通じて、次世代を担う熱量あるエンジニアをこれからも輩出していきたいですね。

編著:野村 泰暉

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著者

野村 たいき

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選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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