2025/10/24

こんにちは、平田正です。
神戸市東灘区から灘区にかけて広がる「灘五郷(なだごごう)」は、全国に名を知られる日本酒のふるさとです。
その歴史は350年以上におよび、今も多くの酒蔵が軒を連ねています。
今回は、灘五郷の成り立ちとまちとの関わりをたどりながら、「日本酒がどのように地域をつないできたのか」を紐解いていきます。
「灘五郷」とは、兵庫県神戸市から西宮市にかけての沿岸に広がる酒造地帯の総称で、
西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷の5つのエリアから構成されています。
この地域は、江戸時代から“灘の生一本(なだのきいっぽん)”のブランドで知られ、
水・米・気候・技術のすべてが酒造りに最適な条件を備えています。
特に「宮水(みやみず)」と呼ばれる硬水は、西宮の井戸水として発見され、
灘の酒を全国に知らしめた立役者。
この水が、淡麗でキレのある味わいを生み出す秘密といわれています。
東灘区内には、「白鶴」「菊正宗」「剣菱」「櫻正宗」など、全国的に知られる酒造会社が集中しています。
これらの蔵は単なる企業ではなく、地域文化の担い手でもあります。
たとえば、
白鶴酒造資料館(住吉南町)では、明治期の酒造工程を復元展示。
菊正宗酒造記念館では、樽職人の技や道具の展示を通して“手仕事の文化”を伝えています。
**櫻正宗記念館「櫻宴」**では、カフェや試飲コーナーを通じて酒文化を身近に感じられます。
蔵を開放することで、地域の人々や観光客が気軽に「日本酒のまち」を体験できるようになっているのが特徴です。
1995年の阪神・淡路大震災では、灘五郷の多くの酒蔵が壊滅的な被害を受けました。
倒壊した蔵や失われた仕込み設備、そして途絶えかけた伝統。
しかし、蔵人たちは「灘の酒を絶やしてはいけない」という思いで立ち上がり、
全国の支援を受けながら再建を果たしました。
復興後は耐震構造や最新設備を取り入れながらも、
古き良き日本建築の意匠を残す蔵も多く、
“伝統と現代技術の共存”が灘の新しい姿となっています。
日本酒は単なる嗜好品ではなく、「まちをつなぐ文化」でもあります。
春の「灘の酒蔵開き」や「酒蔵めぐりスタンプラリー」では、
地元住民や観光客が一緒になって酒蔵を巡り、地域の店や飲食文化に触れます。
また、近年は海外からの観光客も増え、
灘五郷が“SAKEの聖地”として世界に発信されるようになりました。
こうした活動を通じて、地域経済と観光振興の両面で灘のまちは息を吹き返しています。
灘の酒造りは、伝統を守るだけでなく、新しい挑戦も始まっています。
若手杜氏による新ブランドの開発
SDGsを意識した環境対応型の仕込み
学校教育と連携した「酒文化体験学習」
これらの取り組みは、「灘の酒」を未来へつなぐための新しい芽です。
地域全体で文化と産業の両輪を回す、まさに“まちぐるみの伝統産業”と言えるでしょう。
灘五郷の魅力は、長い歴史だけでなく、
そこに生きる人々の努力と誇りが今も息づいていることです。
蔵の煙突、酒の香り、街角の石畳。
そのすべてが「日本酒のまち・灘」の物語を語り続けています。
これからも、灘の酒文化が地域の誇りとして受け継がれ、
世界に向けて発信されていくことを願っています。
【参考リンク】
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ヒラタ タダシ/53歳/男
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