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三加茂 けいすけ ブログ

孤独・孤立対策の現状と課題(後半)【議会質問#7】

2025/12/13

こんにちは、三加茂けいすけです。

前回(前半部分)に引き続き、令和7年度12月議会一般質問の後半部分の振り返りをしてみたいと思います。
※ 答弁は趣旨のみ掲載しております。正確な質問と答弁内容は追って出雲市議会のホームページにアップされます。

過去10年間の出雲市議会の議事録を確認しましたが、「孤独・孤立」というフレーズは過去に1度だけ使われたことがあっただけで、正面から取り扱った質問はありませんでした(これまで出雲市議会では、ひきこもりや孤独死、独居高齢者といった、専門性ごとに議論されてきました)

WTOや国で、孤独・孤立対策に注目が集まるなか、「孤独・孤立対策」についての問題提起も含めて、出雲市の状況について、質問させていただきました。

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【事前通告書の内容】

 

【再質問1】若者・子育て世帯の孤独・孤立の未然防止について

内閣府の調査において、20代、30代で「孤独感がある」と回答した人が多くなっていることは、社会の未来を担う世代が悲鳴をあげていることを意味しており、非常に重く受け止める必要があります。

SNSで誰かと繋がっていても、ChatGPTに相談ができても、リアルな相談相手がおらず、精神的に追い詰められている、若者や子育て世帯は少なくありません。彼らは、自ら市役所や社会福祉協議会の窓口に来ることはほとんどなく、事態が深刻化してから行政に声が届く傾向にあると伺っています。

だからこそ、行政をはじめとした支援機関が、ただ単に「待つ」のではなく、「アウトリーチ」、すなわち「訪問や啓発活動といったこちらから手を差し伸べる支援」が不可欠です。
孤独・孤立に陥る前の「予防」の観点から、若者・子育て世帯に対する、一歩踏み込んだ「アウトリーチ」を具体的にどのように展開していくのか、お伺いします。

【健康福祉部長】
本市でも、特に若年層に支援を届けるために、早い段階でのアプローチが有効だと考えています。

第3の居場所など、インフォーマルの施設からの情報提供もあることから、こうした施設と情報の連携を行いながら対応していきます。
どういった機関や支援体制があることを、市民の皆様にまずは知っていただく、あるいは行く場所があるということを知っていただけるようにしたいと考えています。

【再質問2】若年層へのデジタルを活用したアプローチについて

若年層に対して早い段階からアプローチをしていくという話でした。
特に早期からアプローチをすることは非常に重要で、市の方で早期的なアプローチができるとすれば、基本的に学校教育の観点、小中学生かなと考えています。

先日、出雲科学館にいずもデジタルスタジオがオープンして、私も行かせていただきました。

特に感銘を受けた話がありました。
不登校で引きこもりの生徒さんに対して、eスポーツの交流でオンライン上で関係を作ってもらってから、リアルイベントを開催したところ、本当に久しぶりに外にお子さんが出られたというケースがあったと伺っております。十数名の方がリアルイベントに来られたということで、保護者の方は本当に喜んでおられたと伺いました。

こうした観点で、若い方々に対して、デジタルを使ったアプローチというのを現状されていらっしゃるのか、また今後される可能性があるのかという認識についてお伺いしたいと思います。

【教育長】
教育支援センターを市内3か所に設置しているが、これはいずれかに通学をしてもらって、支援が受けられます。

昨年度、民間企業との連携のもと、デジタル教育支援センターというのを一定期間試行しました。

こちらでは、仮想空間に児童に入ってもらって、大人との相談も含めて、いろいろな話ができるような関係も築けたといった成果があった。
このことから、ある意味でデジタルツールを使うということは非常に有効かと思っており、検討してまいりたいと思っております。

 

【再質問3】身寄りのない高齢者の対策について

身寄りのない高齢者を支える、成年後見制度や日常生活自立支援事業については、「今は必要ない」、または「すぐに利用したいと思っていない」としても、適切な情報を広く提供し、制度の必要性が高くなった場合に、速やかに支援につなげることが求められています。

そのためには、身寄りのない高齢者を支える関係者が、平時から情報を共有し、人材を育成するネットワークを持っているかどうかが大きな鍵になります。

そこで、医療関係者・ケアマネジャー・行政・社会福祉協議会等の専門職同士の定期的な情報共有と人材育成のためのプラットフォームを構築し、行政が主導となって現場の専門職を支える仕組みを作るべきと考えますが、見解を伺います。

【回答】健康福祉部長
本市の現状としては、まず各団体で構成されている地域福祉計画で、この孤立対策を含めた様々な内容について議論をいただいているところです。

また、様々なネットワークを作っているので、これらのネットワークを踏まえながら、今の状況を踏まえて、今後どういった形で会を設けていくかについて、関係者と協議をしてまいります。

【再質問4】孤独・孤立対策地域協議会について

孤独・孤立対策は、福祉分野のみならず、教育や多文化共生をはじめとした、社会のあらゆる分野で取組む必要があり、そのためには分野横断的な関係者のネットワーク構築と連携が極めて重要になります。

孤独・孤立対策推進法第15条において、地方公共団体は「孤独・孤立対策地域協議会」を設置することが努力義務化されましたが、私はこれを本市こそが率先してやるべきだと考えます。

なぜなら、ここ出雲市は、全国から神々がお集まりになり、人々のご縁を結ぶ「縁結びのまち」だからです。神々が「神議(かむはかり)」をして縁を結ぶように、行政や支援機関も「孤立しそうな誰か」と社会との「ご縁」を結び直すために力を尽くさねばなりません。

既存の会議体との合同開催などの形式は問いません。重要なのは、「縁結びのまち出雲市は、誰ひとり取り残さず、あらゆるご縁を結ぶまち」であるという、強いメッセージを込めて、分野横断的な協議の場を設けることです。

神在月の出雲から、新しい孤独・孤立対策のモデルを全国に発信する気概を持って取り組んでいただきたいと考えますが、設置に向けた見解を伺います。

【回答】健康福祉部長
現場の皆様と意見交換をしながら、法の求める協議会を新設するのか、あるいは既存の会議会にそういった役割を持たせるのかを検討を続けます。

【質疑の締めにあたり】

孤独・孤立の問題は、誰の身にも起こりうる問題であり、個人の責任に帰するのではなく、社会全体で支えるべき公衆衛生上の課題です。

本日議論させていただいた、若者への孤独・孤立の「予防」の観点からのアウトリーチ、身寄りのない高齢者を支える現場のネットワーク強化、そして孤独・孤立対策に関する分野横断的な協議会の設置。これらはすべて、既存の制度の隙間に落ちてしまいそうな方々に「あなたは一人ではない」というメッセージを届けるための具体的な手立てです。

制度や分野の「縦割り」を超え、世代や属性を問わず、住民一人ひとりが役割を持ち、互いに支え合いながら生きることができる社会、これこそが、私たちが目指す社会像だと、私は信じています。

神在月の今日、この出雲の地には、良きご縁を求めて多くの方が足を運ばれています。
出雲市が、「縁結びのまち出雲」の名に恥じぬよう、孤独・孤立対策という、現代の重要課題に対して、全庁一丸となって、ぬくもりのある地域づくりのため、あらゆる施策を力強く推進していただくことを強く要望し、私の一般質問を終わります。

【ふりかえり】

「孤独・孤立対策」は、行政の立場から見れば、率直に言って取り組みにくい課題だと思います。

複数の分野にまたがるため、庁内調整に相当のエネルギーを要することは避けられませんし、どの課がアタマを取るか(国の制度設計上は政策部局が想定されるものの、実際は福祉部局が担うことになるでしょう)でモメることは容易に想像できます。

さらに、福祉行政に携わった経験のある人のなかにも、主観的な側面に左右されやすい「孤独」という問題を、果たして行政がどこまで扱うべきなのか、という疑問を抱くも人もおられると思います。

今回の質問は問題提起を主眼としたものでしたが、行政としての問題認識を確認できたこと、また国が提唱する「孤独・孤立対策地域協議会」の設置について検討するとの答弁を得られたことは、一定の意義があったと受け止めています。

出雲市における孤独・孤立対策は、これから更なる対策が必要になる分野です。

地域コミュニティの希薄化が進み、地域や職場への帰属意識も弱まりつつある現代社会において、孤独・孤立の問題は福祉分野にとどまらず、さまざまな政策課題と広く結びついていると感じています。
今後は、一歩も二歩も踏み込んだ政策が求められるようになると思います。

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著者

三加茂 けいすけ

三加茂 けいすけ

選挙 出雲市議会議員選挙 (2025/04/13) [当選] 3,863 票
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肩書 元出雲市役所職員/早稲田大学大学院修了/38歳1児のパパ
党派・会派 無所属
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