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谷口 たけまさ ブログ

不法滞在者の強制送還に子供が「かわいそう」に感じる違和感

2026/5/9

法治国家の根幹は「ルール」にある

まず日本で暮らすためには、適切な在留資格が必要です。不法滞在は、その前提となる国家間のルールを無視している状態になります。

「事情があるのだから認めてあげればいい」という意見もありますが、特例を無制限に認めてしまえば、正規の手順を踏んで、多額の費用や時間をかけて在留資格を得ている多くの外国人との公平性が保てなくなります。ルールを破った側が、結果として守った側よりも得をするようなことがあれば、制度そのものが崩壊してしまいます。

「子供の誕生」は想定外の出来事なのか

強制送還の際、よく聞くのが「日本で生まれ育った子供」の存在です。ここで冷静に考えなければならないのは、「不法滞在という不安定な身分であることを承知の上で、日本で出産を選択したのは誰か」という点だと思うのです。

親が不法滞在状態であれば、いずれ摘発され、強制送還される可能性があることは、当事者が一番よく分かっていたはずです。

リスクの予見性: 自分の子供が将来、日本と母国の間で引き裂かれるリスク。

環境の不安定さ: 正規の医療や教育、身分保障を十分に受けられないリスク。

これらのリスクを知りながら、なお日本で出産し、子供をその状況に置くことを選んだのは親自身です。

親の責任を「社会の非情さ」にすり替えない

子供が「かわいそう」な状況にあるのは事実かもしれません。しかし、その状況を作り出した根本的な原因は、制度の厳しさではなく、「法を犯して滞在し続けた親の判断」にあります。

「子供が日本に馴染んでいるから残すべきだ」という主張は、裏を返せば「子供を盾にすればルールを無効化できる」という実績を作ることにもなりかねません。それは結果として、子供を自分たちの不法滞在を正当化するための道具として扱っているようにも見えてしまいます。

真の人道的支援とは何か

子供を思うのであれば、親が取るべき道は「子供を不安定な立場に置き続けること」ではなく、「ルールに従い、家族全員が堂々と胸を張って暮らせる環境を整えること」だったはずです。

もし日本に居続けたいのであれば、一度帰国して正規の手順で再入国を目指す、あるいは母国で家族が共に暮らす道を探るのが、親としての本来の責任ではないでしょうか。

まとめ

「かわいそう」という言葉は、思考を停止させてしまう危うさを持っています。 感情論でルールを曲げるのではなく、何が公平で、誰がその責任を負うべきなのか。法治国家として、そして日本人として、私たちはもっと現実的な議論を積み重ねる必要があるのではないでしょうか。

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