2026/2/2

江東区は、令和8年度当初予算案において、「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」を新たに実施する方針を示した。放課後児童支援員の人材確保が全国的に課題となる中、区としても制度的な対応が必要と判断した形だ。
本事業は、放課後児童クラブで働く支援員の経験年数や研修修了状況等に応じて、段階的な処遇改善を行う制度である。
国の制度設計では、処遇改善額の目安として、
といった水準が示されている。
放課後児童支援員は、学童クラブにおいて放課後の子どもたちを安全・安心に見守り、健全な育成を支える重要な役割を担っている。一方で、離職率の高さや待遇面の課題から、安定的な人材確保が難しい状況が続いてきた。
本事業については、令和7年度予算編成時にも導入が検討された経緯がある。当時、区側は、まず委託費全体を引き上げた上で、各事業者の自主的な判断による処遇改善の状況を確認し、その効果を踏まえて次の判断を行う、という段階的な対応を想定していた。
議会の一般質問においても、放課後児童支援員の処遇改善は取り上げられ、離職率の高さや人材確保の困難さ、先行自治体との待遇格差がもたらす影響などについて質疑が行われている。区側からは、国や都の補助制度の活用、委託費の人件費単価引き上げといった従来の対応について説明がなされた。
しかし、令和8年度当初予算案の説明に際し、財政課長からは、事業者の確保や人材募集をめぐる状況が直近で一層厳しさを増しているとの認識が示された。
財政課長は、人材を確保するためにはキャリアアップの仕組みが不可欠であり、経験のある支援員に長く定着してもらう必要性が高まっていることを説明。人件費の高騰や学童クラブ需要の増加も踏まえ、委託費の底上げとあわせて本事業を実施することで、安定した運営体制を確保する狙いがあるとした。
また、前年度に実施された委託費引き上げが、実際に支援員の処遇改善につながったかについては、現時点では十分な分析ができていないとの説明もあった。
こうした経緯を踏まえ、令和8年度当初予算案では、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業が正式に盛り込まれることとなった。
今後は、本事業が実際に人材確保や定着につながるのか、また支援の質の維持・向上にどのような効果をもたらすのかが注目される。制度設計や運用の実態について、引き続き検証が求められることになる。


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