2026/5/10
きレジ・・・。

物価高対策として浮上する消費税ゼロを巡り政府が繰り返す「レジ改修に1年かかる」という説明は事実を含みつつも誤解を招きやすい。結論から言えば1年は絶対的な技術制約ではなく全国の事業者が一斉に対応するための準備期間を含めた行政的な単なる目安だと言える。過去の税率変更を振り返れば実態は明らかだ。2014年の5%から8%、2019年の10%引き上げと軽減税率導入はいずれも大規模な制度変更だったが改修に1年要したというより事前に猶予期間を設けて段階的に対応したのが実情である。特に軽減税率は複数税率の併存という複雑な仕組みであり、それでも運用は成立した。このことからも技術的に1年が不可欠とは言い難い。もっとも、レジ改修が単純でないのも事実である。POSシステムは売上計算にとどまらず、在庫管理や会計、インボイス対応などと連動しており税率変更は関連システム全体の調整を伴う。とりわけゼロ税率は非課税とも異なる扱いとなるため、既存設計では例外処理が必要になる場合がある。古いレジを使う中小事業者では改修に時間を要する一方、クラウド型では比較的短期間で対応可能とされるなど、事情は一様ではない。したがって「1年かかる」という説明は個別の改修期間ではなく制度変更に伴う社会全体の調整期間を含んだものと理解すべきである。この数字があたかも実現不可能性を示す根拠のように扱われることに危惧する。消費税ゼロの是非は本来、財源や経済効果といった本質的論点で判断されるべきであり技術的課題はその前提条件ではない。政府には、「1年」という数字の内訳を明確にし、技術・運用・政策のどの要素に基づくのかを丁寧に説明する責任がある。曖昧な説明のままでは国民の選択肢を狭めるだけである。物価高騰に対する施策として与党が選挙公約に掲げて勝利した以上は迅速に取り掛かることが先決であり業界団体や識者の聞き取りに時間を費やすのは先送りする理由を探していると断じられてもしようのないことではないか。選挙結果こそが国民の声である。有言実行は称賛の対象ではなく頭理恵の仕儀だ。消費税ゼロに時間がかかるのはレジの変更ではなく政治的な駆け引きと官僚の抵抗によってであろう。
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ホーム>政党・政治家>坂本 雅彦 (サカモト マサヒコ)>「消費税ゼロへのレジ変更に1年必要」は技術的ではなく政治的問題