白川 愛 ブログ

住宅地の“名ばかりホテル”規制強化へ

2026/4/19

【住宅地に広がる“名ばかりホテル”問題と条例改正までの道のり】

私、白川愛は、昨年の一般質問を皮切りに、目黒区内で開業が相次ぐ「名ばかりホテル」について、制度の歪みにいち早く着目し、その実態を議会の場で繰り返し取り上げ、警鐘を鳴らしてきました。

いわゆる「住宅地における旅館業」の問題について、この度(4月16日)、目黒区は良好な生活環境を維持していくために 区内の旅館営業に関する規制を強化する目的で条例改正に向けて大きく舵を切ることが公表されました。

(各社報道)
https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20260416-GYTNT00307/

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC164JQ0W6A410C2000000/

本件については、これまでも私のブログで経緯をお伝えしてきましたが、

今回は改めて、その問題の本質と、今回の条例改正に至るまでの流れを整理してお伝えします。

■ 問題の出発点は「制度のねじれ」でした

近年、区内の住宅地において、一般住宅と見分けの付かない戸建て住宅やマンションの一室を使った宿泊施設が増加しています。

本来、こうした動きに対しては、いわゆる「民泊」に対して厳しい規制が設けられています。

しかし一方で、「旅館業」として許可を取得すれば、一定の条件のもと住宅地でも営業が可能でした。

つまり、

民泊 → 厳しい制限あり

旅館業 → 条件次第で住宅地でも営業可能

という構造があり、「民泊は規制されているのに、旅館業なら実質的に同様の営業が可能」

という制度の歪みが生じていました。

この結果、マンションの一室(ワンルーム)や、一般戸建住宅と見分けがつかない小規模な宿泊施設、いわゆる“名ばかりホテル”が増加していったのです。

■ 議会での問題提起と行政の変化

私はこの問題について、制度の公平性と住環境の保全の観点から議会で繰り返し取り上げてきました。

特に課題として指摘してきたのは、

●事前の周知がないまま営業が開始されること
●トラブル時の対応体制が不明確であること
●民泊との規制バランスが崩れていること

などです。

当初目黒区行政は「苦情があれば対応する」という事後対応型の側面が強いものでしたが、議会での問題提起を受け目黒区行政も住民の心配の声に対して「トラブルは未然に防ぐべき」という考え方へと転換していきました。

■ 条例改正のポイントと“本質的な変化”

今回の条例改正では、

●許可申請前の事前周知の義務化
●施設看板等への営業情報の明示義務化
●宿泊者への注意事項の事前説明の義務化
●海外居住の個人営業者に対する代理人選任の義務化
●営業従事者の常駐義務化

など、複数の対策が盛り込まれています。

いずれも重要ですが、私が特に評価しているのは、

**「営業従事者の常駐義務化」**です。


“名ばかりホテル”は成立困難に

今回の改正では、宿泊者が施設に滞在している間は、同一建物内に営業従事者を常駐させることが求められます。

これは非常に大きな意味を持ちます。

これまで増えていた、

マンションの一室
ワンルームタイプの住戸
実質的に無人で運営される宿泊施設

といった形態は、構造的に成立が困難になります。

なぜなら、

宿泊者がいる間は常に人員配置が必要
遠隔・無人での運営ができない

ためです。例えばですが同一建物であるマンションの101号室を従業員の控室とし残る102~105号室は宿泊施設にする等は可能ですが、ワンルームマンションの1室だけをホテルとして稼働させることは事実上できなくなります。

つまり今回の改正は単なるルール強化ではなく、無人・小規模での宿泊ビジネスそのものを成立しにくくする仕組みとなっています。

その結果、これまで問題となってきた“名ばかりホテル”は、今後、淘汰されていくことが見込まれます。

■ 制度本来の姿への回帰

さらに、今回の改正の方向性は、旅館業という制度の本来の趣旨にも合致するものだと考えます。

旅館業は本来、宿泊者への対応や安全確保のため、適切な管理体制のもとで運営されることが前提とされています。

しかし実態としては、遠隔管理や無人運営に近い形態も広がり、制度と運用の乖離が近隣住民に不安をもたらしていたのです。

今回の常駐義務化は、こうした状況を是正し、

「人が対応する宿泊施設」という本来の姿に立ち返るものとも言えます。

私は、今回のこの目黒区の動きは単なる規制強化ではなく、制度の原点を取り戻す取り組みに繋がると期待しています。

■ 「事後対応」から「未然防止」へ

今回の改正の本質は、問題が起きてから対応する仕組みから、問題を未然に防ぐ仕組みへの転換にあります。

事前に周知する
常に対応できる体制を確保する
トラブルの芽を摘む

こうした考え方が制度として組み込まれたことは、大きな前進です。

■ 今後の課題

もっとも、今回の改正ですべてが解決するわけではありません。

住民同意が必須となる制度ではないこと
規制強化に伴う無許可営業への懸念
など、引き続き注視すべき課題も残されています。

制度は作って終わりではなく、運用の中で検証し、必要に応じて見直していくことが重要です。

■ おわりに

今回の条例改正は、
制度の歪みを是正し
住環境と事業活動のバランスを取り
予防型の行政へと転換する

という点で大きな意義があります。

そして何より、

現場の課題を議会で取り上げ、制度として形にしていく
そのプロセスこそが、地方議会(議員)の役割であると考えています。

今後も運用状況をしっかりと見極めながら、必要な改善に取り組んでまいります。

The post 住宅地の“名ばかりホテル”規制強化へ first appeared on 目黒区議会議員 白川愛 公式サイト.

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著者

白川 愛

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肩書 目黒区議会議員
党派・会派 無所属

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