2026/5/12
【葛飾区議会視察報告】札幌市の「雨水浸透緑化」に学ぶ、これからの葛飾の水害対策
5/11葛飾区議会 建設環境委員会の行政視察1日目は、札幌市の「雨水浸透緑化」の取組を学ばせていただきました。
葛飾区は、中川や荒川など多くの河川に囲まれた低地帯であり、近年増加するゲリラ豪雨や集中豪雨への備えが重要な地域です。
都市化によって舗装面が増えたことで、降った雨が一気に下水道へ流れ込み、内水氾濫のリスクも課題となっています。
今回視察した札幌市の取組は、そうした都市部の雨水対策を考えるうえで、大変参考になるものでした。
🔷雨水浸透緑化とは
雨水浸透緑化とは、公園や道路、駐車場などに降った雨を、地下の砕石層などに一時的にため、土や植物を通して地中に浸透させる仕組みです。
単なる花壇や緑地ではなく、雨水を「ためる」「しみ込ませる」「きれいにする」という機能を持った、まさに都市型のグリーンインフラです。
札幌市では平成22年度から試験的に導入を始め、現在では公園など複数の場所で整備が進められています。
🔷防災と緑化を同時に進める発想
印象的だったのは、担当者の方が「これはインフラだと思っている」と話されていたことです。
花や緑は、まちに潤いを与えてくれます。しかし、それだけではありません。
雨水浸透緑化は、大雨の際に一気に雨水が下水道へ流れ込むことを抑え、浸水被害の軽減につなげる可能性があります。
札幌市の実証では、約100㎡の浸透施設により、約2,700㎡の駐車場から流れる雨水の約75%を抑制できる可能性が示されたとの説明がありました。
これは、防災対策としても大きな意味を持つ数字です。
🔷大きな公園だけでなく、小さな場所にも
視察では、
「大きな施設をつくるより、小さな場所に分散して整備することが大切ではないか」
という話がありました。
札幌市では、道路沿いや街路樹のまわりなど、小さなスペースも活用しながら雨水を浸透させる取組を進めています。
これは葛飾区にとっても参考になります。
新しい大きな公園を増やすことは簡単ではありませんが、道路工事や街路樹の更新などの機会を活かして、少しずつ雨水を受け止める仕組みを増やしていくことは重要だと感じました。
🔷維持管理の課題も大切
一方で、良いことばかりではありません。
雨水浸透緑化を広げるには、維持管理の課題もあります。
地下に使われる不織布や砕石層が、10年後、20年後もきちんと機能するのか。土砂が詰まらないのか。植物の管理を誰が担うのか。
こうした点については、札幌市でも引き続き調査が必要とのことでした。
せっかく良い仕組みを導入しても、数年後に機能しなくなってしまっては意味がありません。導入する前から、長期的な維持管理まで考えておくことが重要です。
🔷葛飾区で考えるべきこと
葛飾区では、近年の局地的豪雨への備えがますます重要になっています。
水害対策というと、大きな河川整備や下水道整備を思い浮かべがちです。もちろん、それらは非常に重要です。
しかし、それに加えて、まちの中に降った雨をその場で受け止める小さな工夫を積み重ねていくことも、これからの都市づくりには必要だと感じました。
例えば、
* 公園の再整備
* 道路や歩道の改修
* 街路樹の更新
* 公共施設の建替え
* 民間開発との連携
こうした機会を逃さず、防災と緑化を一体で進めていく視点が大切です。
🔷「花と緑」を、暮らしを守る力に
葛飾区では、「全国みどりと花のフェアかつしか」も開催されています。
花や緑は、まちを美しくし、人の心を和ませてくれます。
そこにさらに、防災や雨水対策の視点を加えることで、花と緑は「見るもの」から「暮らしを守るもの」へと進化していきます。
札幌市の取組から学んだことを、葛飾区のまちづくりにも活かしていきたいと思います。
区民の皆様が安心して暮らせる、そして歩いていて気持ちのよい葛飾を目指して、引き続き建設環境委員会としてもしっかり取り組んでまいります。
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