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平成30年12月定例会を振り返る|公共交通の活用と情報伝達について

2026/7/3

平成30年12月定例会では、主に公共交通の活用情報伝達の管理運用について一般質問を行いました。

この質問は、私が議員になって初めて一般質問を行った平成28年12月定例会の内容を、2年後に改めて確認する意味合いもありました。

当時、市からは「研究してまいりたい」「検討してまいりたい」という答弁がありました。 それから2年が経過し、実際にどこまで進んだのか。 そして、これから何を整えていかなければならないのか。

その確認が、この平成30年12月定例会の大きな目的でした。


 

この一般質問で取り上げた主なテーマ

  • 公共交通を活用した東温市の認知度・知名度向上
  • 伊予鉄道横河原線を活用したPR施策
  • 川内インターと川内インターバス停の活用
  • 市内循環型公共交通のあり方
  • 広報誌、メール、SNS、防災行政無線など情報伝達の管理運用

公共交通と情報伝達は、一見すると別々のテーマに見えるかもしれません。

しかし、私の中ではつながっています。

公共交通は、人を運ぶだけのものではありません。
まちを知ってもらう入口であり、暮らしを支える足であり、地域経済を動かす流れでもあります。

そして情報発信も、出して終わりではありません。
必要な人に、必要な情報が、必要なタイミングで届いて初めて意味があります。


1 当時、何を問題提起したのか

公共交通を、東温市のPR媒体として活用できないか

平成28年12月定例会では、高速バス車内への東温市PRパンフレットの設置、列車・バス・タクシー車両へのラッピング広告などを提案していました。

また、伊予鉄道横河原線についても、利用客が少ない時間帯の駅や列車内を活用した音楽イベントなど、市のPRにつながる取り組みができないかと提案していました。

平成30年12月定例会では、その後2年間でどのような研究や検討が行われたのかを確認しました。

ここで問いたかったのは、公共交通を単なる移動手段として見るのではなく、東温市を知ってもらうための入口として活用できないかということです。

駅、列車、バス、バス停、車内広告、パンフレット、ラッピング。 これらはすべて、使い方によってはまちの認知度を高める媒体になります。

公共交通は、人を運ぶだけではありません。
まちの存在を伝えるメディアにもなります。

アート・ヴィレッジとうおんと横河原線をつなげられないか

当時、東温市ではアート・ヴィレッジとうおん構想が進み、クールスモール周辺を拠点に、文化芸術や移住定住の動きが広がっていました。

テレビ、ラジオ、新聞などでも取り上げられ、市外の方からも「東温市はいい感じに盛り上がっているね」と言われることが増えていました。

だからこそ、その流れを公共交通とつなげられないか。

アートの拠点から一歩外へ出て、横河原線や駅、車内、公共交通の導線を使って、東温市の認知度向上につなげられないか。

この視点で質問しました。

川内インターバス停を、ただの乗降場所で終わらせてよいのか

川内インターバス停については、平成28年12月定例会でも取り上げていました。

高速バスの発着が多く、東温市と都市部をつなぐ重要な結節点であるにもかかわらず、待合所やトイレなどの設備は簡易的で、利用者にとって快適な空間とは言いにくい状態でした。

平成30年12月定例会では、その後の研究成果と進捗を確認しました。

川内インターや川内インターバス停は、ただ通り過ぎる場所ではありません。 使い方によっては、東温市の玄関口になります。

道の駅、トラックターミナル、高速バスターミナル、観光案内、駐車場、公共交通との接続。 将来的には、そうした可能性も含めて考えるべき場所ではないかと問題提起しました。

問いたかったのは、シンプルです。

川内インター周辺を、通過点で終わらせるのか。
それとも、東温市の入口として育てるのか。

市内循環型公共交通の可能性

市内循環型公共交通についても、平成28年12月定例会から継続して取り上げてきたテーマです。

住宅エリア、病院、市役所、公共施設、商業施設、駅などをつなぐ公共交通があれば、高齢者、学生、車を持たない人、運転に不安がある人にとって大きな支えになります。

また、移動しやすくなれば、買い物、通院、地域活動、観光にもつながります。

このときの質問では、従来型のバスや乗り合いタクシーだけでなく、将来的なAIや自動運転も視野に入れて、市内循環型公共交通を考えられないかと問いかけました。

平成30年の時点で自動運転を前提にした公共交通を考えることは、少し先を見た話だったかもしれません。

しかし、今振り返ると、運転手不足、高齢化、免許返納、山間部の移動支援などを考えれば、避けて通れないテーマだったと思います。

情報伝達は、出して終わりではない

最後に、情報伝達の管理運用について質問しました。

当時、東温市には、広報誌「とことん東温誌」、とうおんメール、公式Twitter、公式Facebook、防災行政無線、ホームページなど、複数の情報発信手段がありました。

それぞれの媒体には役割があります。

広報誌は、毎月まとまった情報を届けるには向いています。
メールやSNSは、タイムリーな情報発信に向いています。
防災行政無線は、災害時や緊急時の一斉伝達に使われます。
ホームページは、情報を集約する場所です。

しかし、ここで大事なのは、情報を「出したかどうか」ではありません。

必要な人に、必要な情報が、必要なタイミングで届いているか。

特に災害時には、情報が錯綜します。 デマや不確かな情報が広がることもあります。

そのとき、市民がどの情報を信用して行動すればよいのか。 普段からその導線を整えておく必要があるのではないか。

この問題提起を行いました。


2 この間に、何が整ってきたのか

公共交通を活用した観光・PRの取り組みは進んでいた

市の答弁では、平成28年度から、市民団体「みんなの公共交通を考える会」と連携し、パークアンドライドの推進や、川内支所の駐車場、滑川線、河之内線などのバス路線を活用した観光地巡りを実施しているとのことでした。

この取り組みは、これまでに14回開催され、市内外から延べ200人以上が参加しており、好評を得ているとの答弁でした。

これは、公共交通を守る取り組みであると同時に、東温市を知ってもらうPRにもつながっていました。

つまり、公共交通の利用促進と観光振興を結びつける取り組みは、一定程度進んでいたと言えます。

横河原駅周辺の活用も進んでいた

伊予鉄道横河原線については、平成28年度に横河原駅がリニューアルされ、駅前広場で横市、夜市、地方祭前日の宵宮祭りなどのイベントが開催されていました。

また、駅舎内には東温市の観光パネルも展示され、市のPRに活用されていました。

駅をただの乗降場所としてではなく、地域の情報発信やにぎわいの場として活用しようとする動きは、少しずつ進んでいたと感じます。

一方で、列車内イベントには安全面の壁があった

市は、アート・ヴィレッジとうおんをPRするため、列車にアーティストが乗り込み、車内で音楽や踊りなどを表現しながら東温市を目指す動画企画も検討していました。

しかし、伊予鉄道に打診したところ、列車内での楽器演奏や踊りは、安全面での誤解を招くため許可できないとの回答があり、企画は実現しなかったとのことでした。

この答弁からは、公共交通を活用したPRには、運行事業者の方針、安全面、利用者への配慮など、さまざまな制約があることも分かります。

ただ、ここで大切なのは、できなかったことだけを見るのではなく、一度は企画し、交渉し、可能性を探ったということです。

川内インターバス停の改善は、土地や管理者の壁があった

川内インターバス停については、待合所やトイレの整備について運行業者に改善を要望したものの、現在の待合所は西日本高速道路株式会社の管理地に設置されており、施設を拡大する余地がないことから、整備や改修の計画はないとの回答だったと説明がありました。

また、市としても新たな待合所やトイレの設置箇所を検討し、関係者への交渉を進めたものの、理解が得られず実現には至らなかったとのことでした。

ここでは、課題は明確でした。

必要性はある。
しかし、土地、管理者、制度、関係者調整の壁がある。

このような問題は、行政課題として非常に多いものです。 だからこそ、長期的な視点で整理し続ける必要があります。

市内循環型公共交通については、既存交通の維持が重視されていた

市の答弁では、東温市の公共交通は、山間路線のバスや乗り合いタクシーに加え、都市機能が集まるエリアでは伊予鉄道横河原線が15分間隔、松山川内線が30分間隔で運行しており、地方部の自治体としては恵まれている地域であるとの説明がありました。

そのうえで、平成28年3月に策定された東温市地域公共交通網形成計画に基づき、パークアンドライド、子どもバス教室、高齢者サロンでの意見交換、転入者への公共交通情報冊子の配布など、既存ネットワークの維持に重点を置いているとのことでした。

循環型公共交通については、便数が少なければ使われず、便数を増やせば経費がかかる。 また、平野部で導入すると既存の鉄道やバス路線に影響が出るため、慎重な判断が必要という答弁でした。

つまり、現時点では新しい循環交通を入れるよりも、既存交通をどう守るかが重視されていたということです。

情報発信媒体の役割は一定程度整理されていた

情報伝達については、市の答弁で各媒体の役割が整理されていました。

  • 広報誌は、自治会加入世帯を中心に毎月12,500部発行
  • とうおんメールは、登録者約1,400人に行政情報や防災情報を配信
  • Facebookのいいね数は約3,600件
  • Twitterのフォロワー数は約1,100件
  • ホームページは、市に関わる情報をほぼ網羅する情報集約の場

また、災害時には、防災行政無線、とうおんメール、市ホームページなど、公的機関が発信する情報を確認して避難行動に移ってほしいとの答弁もありました。

この時点で、情報発信の媒体は複数ありました。 ただし、登録者数やフォロワー数を見ると、市民全体に確実に情報が届く仕組みとしては、まだ十分とは言えない部分もありました。


3 今後さらに、何を整えなければならないのか

交通を「点」ではなく「流れ」として設計する

川内インターがある。
川内インターバス停がある。
横河原線がある。
駅がある。
病院がある。
商業施設がある。
公共施設がある。

しかし、それぞれがバラバラでは、市民にも観光客にも使いにくいままです。

これから必要なのは、交通拠点を点で終わらせず、線でつなぎ、暮らしと経済の流れにしていくことです。

公共交通は、赤字か黒字かだけで見るものではありません。

人が動けば、買い物が生まれます。
通院しやすくなれば、安心が生まれます。
観光客が回遊すれば、地域経済が動きます。
高齢者が外に出られれば、健康維持にもつながります。

つまり、公共交通は、暮らし・健康・経済・観光をつなぐ基盤です。

川内インター周辺を、東温市の玄関口として考える

川内インターや川内インターバス停は、東温市にとって大切な入口です。

しかし、入口として機能させるためには、待合所、トイレ、案内表示、駐車場、乗り換え導線、観光案内、休憩機能などが必要です。

ただバスが停まるだけでは、まちの玄関口にはなりません。

今後は、道の駅的な機能、物流や観光の拠点、高速バス利用者の利便性、市内公共交通との接続なども含めて、長期的に考える必要があります。

通過点で終わらせるのか。
東温市の入口として育てるのか。

この問いは、今も大切だと思います。

自動運転・AI時代の公共交通を考える

平成30年の時点で、自動運転はまだ実証実験段階という印象が強いものでした。

しかし、運転手不足、高齢化、免許返納、山間部の移動支援を考えると、今後の公共交通は、従来型のバスやタクシーだけでは支えきれない可能性があります。

だからこそ、AI配車、自動運転、小型車両、予約型交通、地域ごとの移動需要に合わせた柔軟な仕組みを考えていく必要があります。

東温市には、平野部、中山間地域、住宅地、医療機関、公共施設、観光地がほどよく存在しています。

これは見方を変えれば、これからの日本の地方都市が直面する課題を先取りしている地域とも言えます。

だからこそ、次世代交通の実証エリアとして考える視点も必要です。

情報は「発信」ではなく「到達」で考える

広報誌を出した。
ホームページに載せた。
SNSに投稿した。
メールを配信した。

それだけでは十分ではありません。

大切なのは、届いたかどうかです。

特に災害時には、情報の到達率が命に関わります。

どの情報を見ればよいのか。
どの情報が市の公式情報なのか。
高齢者やスマートフォンを使い慣れていない方にはどう届けるのか。
停電や通信障害が起きたときに、どう補完するのか。

これらを平常時から整理しておく必要があります。

情報発信は、出して終わりではありません。

情報は、届いて初めて市民の安心につながります。


この質問を、今振り返って思うこと

平成30年12月定例会の一般質問は、公共交通と情報伝達を通じて、人の流れと情報の流れをどう整えるかを問うた質問でした。

人が動けなければ、暮らしは不便になります。
情報が届かなければ、安心して行動できません。

交通と情報は、どちらもまちの血流のようなものです。

道路、鉄道、バス、インター、駅、バス停、広報誌、メール、SNS、防災無線、ホームページ。

それぞれを単独で見るのではなく、暮らし全体の中でどうつながっているかを考える必要があります。

公共交通は、移動手段であり、PR媒体であり、観光導線であり、暮らしの足でもあります。

情報伝達は、行政の発信であり、防災の命綱であり、市民との信頼関係をつくる基盤でもあります。

この二つを整えることは、まちの現在地を整えることにつながります。


まとめ

  • 公共交通は、人を運ぶだけでなく、まちの認知度向上にもつながる。
  • 川内インターや川内インターバス停は、東温市の玄関口として考える必要がある。
  • 市内循環型公共交通は、既存交通との関係や費用対効果を見ながら、次世代交通も含めて考える必要がある。
  • 自動運転やAI配車は、今後の高齢化・運転手不足・免許返納社会を考えるうえで重要な視点である。
  • 情報発信は、出して終わりではなく、必要な人に届いて初めて意味がある。

平成30年12月定例会で問うたのは、公共交通と情報伝達の話でした。

しかし、今振り返ると、それは単なる交通政策や広報政策ではありませんでした。

人が動けるまち。
情報が届くまち。
安心して暮らせるまち。

そのために、まちの流れをどう整えるか。

この視点は、今も変わっていません。

これからも、過去の一般質問を振り返りながら、当時の問題提起が今の暮らしやまちづくりにどうつながっているのかを整理していきます。

暮らしを整える。
その視点で、これからも地域の課題を見つめ直していきます。

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著者

束村 はるき

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