2026/7/4
\一般質問/
昨日登壇しました。
原稿は下記に、解説は後日、Youtubeにて予定。
1.子育て先進区を目指す上での課題について
(1)子育て施策の徹底検証と人口動態に即した政策展開について
(2)中野の公教育のあり方と特色ある学校づくりについて
(3)その他
2.民泊活用による地域活性化と生活環境を守る違法民泊の取り締まりについて
3.災害協定の実効性について
4.その他(サンプラザとブロードウェイ)
1.子育て先進区を目指す上での課題について
(1)子育て施策の徹底検証と人口動態に即した政策展開について
まず、我が区の「子育て先進区」における成果指標のあり方と、その進捗報告の姿勢について伺います。
先の区長選挙戦において、区長は子育て施策の実績をアピールされてきました。しかし、予算特別委員会でも指摘した通り、令和6年度における基本計画の政策成果指標20項目の達成率は「0%」のままです。重要な「進捗状況報告」が、今年は未だに議会へなされていないことも、選挙前に不都合な数値を隠したのではないかと邪推せざるを得ません。基本計画の5年間の総決算として20の成果指標はどうなったのか、いつどのような形で報告するのか伺います。
そもそも、施策と成果指標の関連性が希薄であることも大きな課題です。
例えば、今年度始まった基本計画の「政策6:子どもの命と権利を守る」における給付型奨学金事業ですが、その成果指標は「体制が整っていると思う区民の割合」という主観的な意識調査にとどまっています。さらに施策指標には、『授業が「よくわからない」と感じる困窮世帯の子どもの割合』や、『がんばれば、むくわれると思う子どもの割合』が掲げられており、これらは奨学金事業によって直接改善する性質の指標ではありません。計画を無理に細分化し整合性を図ろうとした結果、かえって事業現場や行政評価そのものに「歪み」が生じているのではないでしょうか。
行政評価制度の見直しにおいて成果指標は議論の中心になると思いますが、施策と指標の因果関係が破綻していては、正しい評価など不可能です。区は今後、成果指標の「妥当性」や「論理的整合性」をどのように担保していくのか、見解を求めます。今から基本計画に盛り込むのは無理ですが、新たな指標をつくり、補助的なデータとして活用することを提案します。
やはり区の政策は、具体的なデータに基づいて議論すべきです。
区長はこれまで、施策が出生率の向上に「寄与するものと考えている」と曖昧な答弁を繰り返してきたのは政策の結果が出ていないからと推察します。若者の単身流入が多い我が区では、分母が変動する「合計特殊出生率」ではなく、実態を正確に反映する「出生数」そのものを重要な評価軸に据えるべきです。本年6月、東京都の発表では都内の日本人出生数が10年ぶりに増加へ転じましたが、中野区はこの9年間、2020年を除き、減少を続けています。「子育て先進区」を掲げた基本計画が始まってから出生数が減少し続ける原因を厳密に検証し、効果の薄い施策の棚卸しを行うべきと考えますが、認識を伺います。
区民の目から見ても、「出生数を上昇させるために予算を傾斜配分する」ということであれば理解しやすいでしょう。しかし、現実に子どもの数が増えていないのであれば、その政策に対して区民は大きな疑問を抱くものとなります。
さらに、現実に子どもの数が増えない背景には、子育て施策の枠を超えた構造的課題があります。
区は基本計画で「0〜9歳の転出超過数の抑制」を掲げていますが、その内訳の8〜9割は「0〜4歳」の未就学児であり、小学校入学前にファミリー層が大量流出しています。
その最大の要因は、区内の地価・家賃の高騰です。私の地元・弥生町では新築の家賃相場が1平米あたり5,000円に達しており、50平米で月25万円という、ダブルインカムでなければ維持できない水準で結果、中野区の堅調な税収増を支えてきた側面もありますが、一方で子育て世代の定住を著しく阻んでいます。どれだけ子育て施策を講じても、住む場所がなければ中野区が選ばれません。
区はこの「0〜4歳児の圧倒的な転出超過」という現実をどう受け止め、増大した税収を原資として、住宅政策や都市計画と連動した抜本的な対策を講じるのか。区長の前向きなご見解を伺い、この項の質問を終えます。
(2)中野の公教育のあり方と特色ある学校づくりについて
本年度より、子育て世代の負担軽減に向けた「公立小中学校の教材費無償化」がスタートしました。しかし、この制度の開始に伴い、学校現場や保護者に少なからぬ困惑が生じています。
ある中学校の保護者から、「昨年まで配布されていたワークブックが今年は配布されなくなった。一方で他校ではこれまでどおり配布されているようだ」との声をいただきました。
教材費無償化の運用の結果として、上限設定により、学校ごとに主要教材の取扱いに差が生じ、保護者や生徒の間で混乱を招いている現状は看過できないと考えます。とりわけ、「無償化により教材が減る」という事態は、教育の質に対する不安を生じさせかねません。
本件に対して、学校がその理由や経緯を保護者・生徒に対して十分に説明すべきものと考えます。教材費無償化の趣旨を踏まえつつ、学校間での取扱いの違いや教材変更に関する説明責任をどのように担保していくのか、区の見解を伺います。
今回の教材費上限設定は各校の裁量を狭め、学校の特色を薄れさせています。ここで私たちは、「公教育においてどこまで均一性を担保すべきか」という本質的な問いに向き合わねばなりません。
私は中野九中の出身です。当時、隣の第三中学校は東京都の指定で学区外・区外からも帰国子女の受け入れる学校で「英語教育が充実している」と評判でした。その流れは現在の中野東中にも受け継がれています。一方で、私の母校である九中には温水プールがあり、私が所属していた水泳部は充実した環境のもと、私が在学時に都大会2位という実績を残し、他校の憧れの的だったそうです。このように、地域や歴史、設備に応じた「特色」こそが、生徒の可能性を広げる原動力です。
一方で懸念されるのが「評価の公平性」です。現在の中学校は絶対評価ですが、仮に各校間で教育内容や学力に過度な格差が生じた場合、同じ「評定5」であっても、学校によってその価値や重みが異なってしまうのではないでしょうか。
そこで教育長に伺います。中野区における教育の公平性はどのように担保されるのでしょうか。文科省の定める「学習指導要領」の範疇であれば、学校ごとの教育内容や学力に差が生じても問題ないという認識でしょうか。見解をお聞かせください。
もし、学習指導要領の範疇で大胆に特色を打ち出すことが許容されるのであれば、中野区はむしろ一歩進んで、あらゆる特色を地域ごとに展開していくべきです。以下、3点提案します。
第1点目に、「小中一貫教育の導入」についてです。
現在、敷地が隣り合っている武蔵台小学校と北中野中学校をモデルケースとし、中野区初となる「小中一貫教育」を実施することは、9年間を見据えた特色あるカリキュラム構築に向け非常に有意義と考えますが、いかがでしょうか。
第2点目に、「部活動の地域展開と教員配置の工夫」についてです。
部活動の地域展開にあたり、すべての学校に一様の人材を配置するのではなく、学校ごとに重点種目を設定する手法が有効です。「A校には野球、B校にはサッカー」具体的にいえばラグビーは北中野しかなく、指導員を戦略的に配置するメリハリのある工夫が必要と考えますが、見解を伺います。
第3点目に、「教材費に関する実態調査と検証」についてです。
無償化の枠にとらわれず、例えば家庭負担があってでも教育内容や受験対策をさらに充実させたいというニーズに応える中学校があってもよいのではないでしょうか。現に上限設定により教材費が減額し、混乱が生じている学校の保護者や教職員に対し、アンケート等の実態調査を行い検証すべきと考えますが、伺います。
しかしながら、これら各校の特色を活かすためには、大前提として現在の「通学区域」のあり方を見直す必要があります。学校ごとに輝くような魅力があるならば、子どもたちが自らの興味・関心に合わせて、主体的に学校を選択できる制度にすべきです。
選択肢を広げ、公教育の魅力を最大化するためにも、かつて都立高校のように学区外から10%の受け入れできる柔軟な枠を設けた「通学区域の弾力化」、あるいは「学校選択制」の導入に踏み切るべきと考えます。教育長の前向きなご見解を期待し、この項の質問を終えます。
(3)その他
で、区内の認可保育園における運営主体の交代に伴う深刻な混乱と、保護者・子どもたちへの重大な不利益について、区の認識と今後の対応を伺います。
私が相談を受けた事例では、十分な事前説明のないまま本年2月、保育園の運営法人が変更されました。その後、新経営陣と現場との確執などを背景に、年度末直前の3月24日、職員8人中7人が一斉退職する旨が突如保護者に伝えられました。
双方に主張はあるにせよ、最大の被害者は園児と保護者です。新年度に保育士を確保できなくなった園は、定員減少や担任制廃止を発表し、区の指導を受ける事態へ発展しました。不安に駆られた保護者は、わずか平日の4日間で転園届の提出を余儀なくされるなど、現場は混乱を極めました。
新規の認可時や事業譲渡などによる設置者の変更時には法令に基づき審査や確認が厳格に行われる一方、株式譲渡などで設置者自体は変わらず設置者の代表者のみが変更される場合には行政のチェック機能が働きにくいという現状の仕組みこそが、今回の事態を招いた要因の一つと考えます。今後、代表者変更の場合にも、新規の認可時や事業譲渡による設置者の変更時と同様に厳格な審査・関与を行うよう体制を見直すべきですが、区の見解を伺います。
また、事後対応の強化も不可欠です。今後、同様の事態が生じた際、転園希望世帯への優先的なサポート、および園に残る世帯への保育の質と安全確保に向けた支援体制をあらかじめ構築しておくべきです。子どもたちの最善の利益を守るため、これまでの区の対応に対する認識と、今後の具体的な改善策について、区の見解を求めます。
2.民泊活用による地域活性化と生活環境を守る違法民泊の取り締まりについて
民泊をめぐる課題は、「無許可の闇民泊」「合法事業者の違法行為」「ゲストの迷惑行為」の3つに分類されますが、これらを同列に扱い一律に制限するのは拙速です。
そもそも、常に管理者の目が届く「家主同居型」ではトラブルや苦情は極めて少ないのが実態です。また、苦情が出ている施設はごく一部に過ぎません。区の令和7年度の集計を見ても、制限区域内では平日の宿泊や騒音、住民の不安が上位を占める一方、制限区域外ではゴミの問題が38%と突出しており、エリアや実施形態によって課題のボトルネックは全く異なります。
区はこうした傾向の違いをどう分析し、今後の施策に反映させるのか。問題の極めて少ない家主同居型を評価し、一部の施設への対応のために全体を一律に縛るのではなく、個別具体的な検証と指導を行うべきと考えますが、見解を求めます。
さらに、民泊のメリットを最大限に活かし、地域貢献を通じて区民の理解を得る視点も必要です。
まずは災害時の貴重な防災リソースとしての活用です。
現在、区職員の区内居住率は約2割に留まり、発災時に連日対応にあたる職員やボランティア、要配慮者の宿泊場所確保は死活問題です。現在、区内には約450件の民泊があり、1軒あたり平均4床とすれば、潜在的に約1,800人分のベッド数が存在します。この安心を確保するには、不在型も含めた網羅的な活用が不可欠です。事前に事業者へ協力アンケート等を行い、提供可能な床数を可視化し、墨田区の先進事例のように災害時協定の締結へ進むべきと考えますが、取り組みの可能性を伺います。あわせて、こうした災害協定の推進が、民泊に対する区民の理解向上に繋がると考えますが、見解を求めます。
また、民泊の年間営業日数は上限180日ですが、営業を行わない「残りの185日」の空間活用も重要です。先進事例では、この期間を地域のコミュニティスペースや子どもの居場所、多世代の文化交流の場として地域に開放し、住民の不安解消と地域活性化を同時に成し遂げているケースが存在します。本区でもこうした事例を踏まえ、協定の中で平時における民泊施設の地域開放を促す仕組みを作るべきと考えますが、区の認識を伺います。
最後に、これらを実効性あるものとするため、今後予定している条例改正において、有事の際には営業日数を制限する「180日ルール」のカウントから除外するなど、災害対応に全面協力できるような弾力的な特例条項を設けるべきと考えます。能登半島地震においては、国からも宿泊日数の算定方法を変更する通知が出されました。本区の改正条例にも有事の際の柔軟な運用規定を図るべきと考えますが、明確な答弁を求め、私の質問を終わります。
3.災害協定の実効性について
区が締結してきた様々な災害協定ですが、肝心なのは有事の際に「本当に機能するかどうか」です。私は協定の形骸化を度々質してまいりましたが、現場の取り組みは遅滞していると言わざるを得ません。
具体例として、都立富士高校との災害協定について伺います。
私は同校の防災教育推進委員会等の委員を務めております。同校は有事の際、「帰宅困難者一時滞在施設」であり、平成12年の協定に基づく重要な「輸送拠点」でもあります。
しかし、私が令和5年の特別委員会で指摘した通り、協定書に指定されている体育館は平成13年に移設されているにもかかわらず、四半世紀近くが経過した現在も、協定書には一切反映されておりません。どのような段取りで機能させるかという区と学校側の協議も、当時から全く進んでいません。
あれから3年が経過した現在も事態は全く前進せず、古い協定書のまま放置されています。学校側は「発災後何日目から輸送拠点として使うのか」「面積や動線をどう確保すべきか」区の要望が見えず困惑しています。
これは一例に過ぎず、他の多くの協定もアップデートされずに形骸化しているのではないでしょうか。
そこで伺いますが、実効性が担保されていない現在の協定状況への認識と、都立富士高校をはじめとする全ての協定を今後いつまでにアップデートするのか、具体的なスケジュールをお示しください。
再三申し上げましたが、協定を具体化するためには、区独自で詳細な災害シミュレーションを行い、具体的な「災害シナリオ」を確立すべきです。例えば、道路寸断時にどの路線を最優先で道路啓開させるのか、必要な重機や人員の確保はどうするのか。協定を締結している民間建設業の方々が「具体的な活動イメージ」を持てるよう、区が被害想定シナリオを策定し、事前に共有しておくことが不可欠です。以前、区は「中野区独自の災害シミュレーションを行い、災害シナリオを作っていく」と答弁されました。
その後の進捗状況と、今後の展開について区の見解を伺います。
4.その他
二日前の我が会派の市川議員の質疑において、中野ブロードウェイの建て替えにおいては、中野サンプラザの建物や土地の活用をすべきとの提案に対して「検討していない」との区側からの答弁がなされました。
一方で、現在区が掲げている「中野駅周辺まちづくりグランドデザイン Ver.3」および「中野五丁目商業エリアまちづくり基本方針」に目を向けますと、「中野五丁目地区」について、『「中野通り沿い地区、サンモール・ブロードウェイ地区」は中野四丁目と五丁目をつなぐ回遊動線を確保し、中野四季の都市のにぎわいを導くとともに、老朽建築物の更新を促進するため、地区の再開発や共同化、街区の再編を誘導します。』と謳われています。
また、区はこのグランドデザイン Ver.3を改定する意向がないことも示してきました。つまり、四丁目と五丁目をつなぐ回遊性の向上や、老朽建築物の更新・再開発の誘導という方針は、今なお区の確固たる指針として生きているということであります。
こうした方針がある中、区はこれまで中野ブロードウェイに対してどのように関わり、今後に向けて具体的にどのような指針を持って臨まれるのか、区の見解を伺います。


この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>加藤 たくま (カトウ タクマ)>\一般質問/昨日登壇しました。