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2万円の現金給付はバラマキなのか?

2025/6/17

自民党が参院選向けの公約として打ち出した現金給付については、選挙向けの「バラマキ」との批判があります。

参院選の公示(7月3日)を間近に控えての現金給付が、参院選を意識していないとは、さすがに言えないと思います。批判を甘んじて受けるべきでしょう。

ただし、「バラマキ」かと言われれば、私は必ずしも、そうとは言い切れないと思います。

なぜならば、コメの高騰など含め物価高騰に対し、賃金上昇が追いつかず、国民生活が疲弊している、一方で、税収は上振れしており、これを現金給付として還元する政策的な意味はあると思うからです。

【それならば減税すれば良いのではないか?】

所得税の103万円の壁については、個人的には、まだまだ議論の余地があると思っていますし、現実に、自民、公明、国民の3党が178万円までの引き上げに合意しているわけですから、引き続き、自民党にも真摯に議論を続けてほしいと思います。

一方で、消費税はどうでしょうか?消費税は、医療・介護などの社会保障財源になっています。

医療や介護の現場を回ると、看護・介護・保育など福祉職の方々の給料を引き上げるべきとの声をよく聞きましたし、世の中、賃上げが叫ばれる中、これは是が非でも実現すべきことと思います。

医療や介護の世界は、診療報酬や介護報酬という公定価格によりサービスの対価が決められており、通常の民間のビジネスのように自ら価格設定はできません。つまり、この基本報酬が引き上げられない限りは、医療介護職員の処遇改善は難しい状況です。

消費税を減税し、社会保障財源が縮小する中で、果たして、これは政策的に可能でしょうか?私は、疑問が残ります。

【現金給付を単発でなく、制度化を】

また、減税でなく、現金給付であれば、恒久財源(今年度に限らず、毎年必要となる財源)は不要です。

ただし、ここで政府にお願いしたいのは、次年度移行も、①税収の上振れがある、②物価高に賃金上昇が追いつかない、との条件が揃えば、現金給付をすることを制度化するということです。

(緩やかなインフレや現金給付による消費刺激効果が出れば、恒久的に続くことになり、そうなれば、いずれ、恒久的な減税施策とすればよいと思います。)

そうでなければ、選挙前のバラマキと言われても仕方がないでしょう。

同時に、そのためにも、市町村など基礎自治体の手を煩わすことなく、迅速に給付を行える仕組みを構築することも急務と思います。

【子育て家庭への上乗せ給付を評価】

そして、今回、私は、上乗せ給付について、住民税非課税世帯に加え、子どもについても実施することを評価しています。

皆様、住民税非課税世帯の年齢構成について気にしたことはありましたか?

なんとなく、ひとり親家庭など、生活が厳しい子育て世代を想像しますが、住民税非課税世帯の約75%は65歳以上で占められているそうです(下図 日本経済新聞より)

ちなみに、年齢別にみた住民税非課税世帯の割合は、20歳代が24.2%、30歳代9.2%、40歳代9.2%、50歳代11.3%、60歳代19.2%、70歳代34.9%、80歳以上44.7%だそうです。

住民税非課税世帯に限ると、子育て世代には、上乗せの恩恵は限定的といえます。

一方で、育ち盛りの子どものいる家庭は、コメの消費量もさぞ多いことでしょう。そうした家庭に手厚い支援をする政策的意義は大きいと思いますし、願わくば、さらに思い切った支援を期待したいところです。

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著者

永森 直人

永森 直人

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肩書 富山県議会議員(4期)、富山県議会副議長、射水市消防団・団長、小杉まちづくり協議会会長
党派・会派 自由民主党
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