2025/9/19
9月7日夕方に石破総理大臣の記者会見があり、参議院選挙敗北の責任をとって辞任すると表明されました。7月20日から50日余り。参議院選挙直後の続投宣言には驚きましたが、衆議院解散まで検討されたということで、あらゆる延命措置を検討したが、万策尽きて辞任することになったのでしょう。8日に臨時総裁選挙の是非を問う投票が行われれば可決されたでしょうが、党内に深刻な対立を残します。その意味で、直前での英断に敬意を表しますが、この間の政治空白については、甘んじて批判を受けなくてはならないと思います。総裁選挙はフルスペック方式となり、全党員が参加して行われることとなりました。9月22日告示、10月4日投票日。総裁候補が日本の将来ビジョンを語り、保守政党である自民党の立ち位置を明確にするため、実のある政策論争が展開されることを期待します。
衆参両院で少数となった初めての状態で迎える総裁選挙ですから、政権運営に向けて連立組替えも含め、どういった見通しを立てていくのかも問われます。自民党公明党に加えて、国民民主党、或いは日本維新の会を連立の枠組みに入れて拡大するのか、もしくは今までのように政策毎に野党の協力を仰ぎ、国会審議を乗り越えていくのか、各候補の考えを開陳頂きたいと思います。私は、政策毎の協力を仰ぐやり方では、財政面を含め行き過ぎた歳出圧力が加わり、無責任な状況になりやすいという意味で、責任を分担するため、何処かの野党との連立拡大を計ること、やむなしと思っています。注視して参りたいと思います。
巷では、積極財政派か財政均衡派かといった色分けをする見方があります。私は、30年続いたデフレ環境下では、毎年数兆円の需要不足が顕在化しており、総需要政策によって積極財政を腹括って取組んで行かなくてはいけないという立場を取って参りました。しかし、今は、需要超過の状況の下、人手不足から賃金が上がり、物価上昇が定着化して来ており、マクロ経済全体が縮小均衡から拡大基調へ大きくパラダイム転換していると認識しています。金融緩和によるマイナス金利も正常化されて、金利のある世界に修正されました。長期金利が上昇している中、財政の信任も重要な課題として意識しなくてはなりません。また、安易な財政支出の拡大は、インフレの高騰を招きかねないので、人への投資やAIなどデジタル投資による生産性の向上への取組など、戦略的投資へ政策を集中させていくことが大事だと思っています。マクロ経済が縮小均衡から拡大基調へパラダイム転換する中で、従来の積極財政か緊縮財政かと言った単純化したグルーピングは、再検討が必要です。
アベノミクスの時は、積極財政と金融緩和、規制緩和の三本の矢によってデフレから脱却して、名目3%・実質2%の経済成長を実現するという明快な方針が示されていました。大きなパラダイム転換を受けて、政策の柱建てをどうしていくのか。明確な方針を掲げて行く必要があると思っています。総裁選挙の議論を通じて、打ち出して行かなくてはなりません。議論の推移を見守りたいと思います。
アメリカの掲げる自由と民主主義が世界共通の価値観となり、パックスアメリカーナの下、世界の市場が一つになるグローバリズムの時代がありました。トランプ大統領の登場で、自ら関税政策を打ち出し、国内市場の保護を図り、グローバリズムの時代が終焉します。今、国際社会では、新たな国際秩序をもとめて過渡期に入りました。ロシア・中国・北朝鮮という独裁国家を目の前におく我が国にあって、新しい国際社会の秩序の中で、安全保障体制を如何にしていくかは、国家存亡の重要課題です。親中派、媚中派といった言葉によってレッテルを張ることで、実ある議論が阻害されてはいけないと思います。経済安全保障を視野に、中国とどのように付き合っていくのかも、大いに総裁候補に論争して欲しいと思います。日米同盟が基軸であることは当然ではありますが、クワッドの枠組みを活用するなどして、インドやオーストラリアなど地域大国との連携、また、NATOとの連携を深めていくことも大事になってくると思います。
令和の米騒動以来、石破政権ではコメの増産政策へ舵を切ると宣言しました。米政策は農政の中核です。輸入に頼っている畜産酪農の飼料について、飼料用米の推進による改善や、輸入比率の高い重要品目である麦・大豆の生産拡大を計るため、水田から畑作への転換奨励など、米以外の政策へも大きく波及します。土地利用型農業の水稲は機械化も進んでおり、規模拡大をすると採算性が飛躍的に改善します。北海道、関東平野や新潟平野などでは効果的と思いますが、長野県の様に中山間地が多い地域では、同じように取組むことが難しいのが現実です。中山間地直接支払等の条件不利地域への政策を充実させて行かなくてはならないと思います。コメ増産政策への切り替えはマスコミ受けするかもしれませんが、こうした派生する農業政策の全体像を、総裁選では掘り下げて議論をして貰いたいと思います。
人口減少社会が進む中での社会保障改革、外国人政策、老朽化するインフラに対する国土強靭化政策など、日本を取り巻く課題山積する中で、自民党総裁候補には、是非、10年先を見据えた日本のビジョンを示す、掘り下げた議論を展開して行くことを期待します。
今回選ばれる総裁は、次の衆議院選挙の自民党の顔になる人です。概して、選挙に有利との思惑も働くことは致し方ないですが、政策の柱をしっかりと持たないと、石破政権の様に野党やマスコミに意見されるとブレて、政策の軸が見えなくなってしまいます。心棒のしっかりとしたリーダーシップを、私は期待したいと思っています。
皆さんご承知のように、前回私は高市早苗さんの推薦人となり活動しました。今回、現職ではないので推薦人になることは出来ませんが、内外の課題山積する中で、信念を貫く強いリーダーシップという意味で、高市早苗さんを応援したいと思っており、長野1区支部長として働きかけをして行きたいと思っています。勿論、自民党の伝統は、真剣に権力闘争はするけれども、決まれば新しい旗の下で一致結束することが大事です。そう心に決めて取組みます。自民党総裁選挙にあたり、雑感をご報告申し上げました。最後まで、読んで頂き有難うございました。 若林 健太
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