2024/8/23
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。
午後一番、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
早速、再生医療安全性確保法について質問したいと思います。
美容や病気の治療などの目的で培養した細胞を注射するなどの再生医療は、自由診療で行われるケースが増えています。重い副作用などの疑いがあった場合は民間の審査委員会に報告するという必要がありますが、この再生医療は年間およそ十万回実施されているという結果が出ています。
そんな中、昨年十二月、国立がん研究センターなどの専門家グループから、全国の議事録が確認できたおよそ九十の委員会について、副作用などの報告件数を二〇二〇年度版で調べたところ、十件にとどまっていたということが発表されています。
報告件数が大幅に少ないことから、副作用などの情報が正しく報告されていないんじゃないかという指摘がされていますが、現在の厚労省の認識と、また、今回、法改正により立入検査ができるようになったということですが、これによって改善というのが図られるのか、伺います。
○内山政府参考人 お答えいたします。
再生医療等安全確保法に基づく再生医療等に係る疾病等報告は、直近三年間で合計二十七件というふうになってございます。この件数にとどまる要因として、まず、再生医療等技術のうち約七割が、人の生命、健康等に与えるリスクが比較的低く、疾病等報告に至ることの少ない第三種再生医療等技術であることが考えられます。また、疾病等につき医師が再生医療等に起因すると判断しないものについては報告の対象にならないといった仕組みであることも、理由の一つとして考えられます。
他方、御指摘のとおり、再生医療等安全確保法に基づきます疾病等報告が適切に行われるようにすることということは、これは重要だというふうに思ってございまして、適切な疾病等報告がなされていないと疑われる医療機関においては、必要に応じて、今回、立入検査等も実施をし、適正な法の運用を求めることも想定をさせていただいてございます。
引き続き、厚生労働省としても、必要な対応を講じて、適切な疾病等報告がなされるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○田中(健)委員 今の答弁、第三類ですと安全性が低い、だから問題はないというふうに聞こえましたけれども。
さらに、この調査の中では、もう一つの再生治療と言える、再生医療等製品についても述べています。
これは、薬機法に基づき、国が品質も安全も、有効性を調べた、認めたものに限るものであります。この中で三つの商品、調べやすいということで、ジェイス、ジャック、テムセルHS、中身は私は分かりませんけれども、これについて調べたところ、三百三十九回の使用回数の中で百二十九件の有害事象が報告されています。つまり、三回から四回に一回は何かしらの問題があるんじゃないかということが報告されています。
問題なのは、我が国において二つの制度に分かれて行われている再生医療の治療ということであります。有害事象報告が大きく異なっているということです。
今回の再生医療法に基づく治療というのは、必ずしも第三者が担保されていない認定再生医療等委員会で審査されただけであります。それが三年間で三十万件で二十七件と。さらに、しかしながら、再生医療等製品というのは薬機法に基づきますから、臨床試験の結果を国が慎重に検討して承認されたものだと。その中でも百二十九件ですね、一年間。三年間でいえば更にあります。
この差があるというのは重大な私は結果であるというふうに思いますし、これについても指摘がされています。二つの制度における有害事象報告の頻度の違いとは何なのかということを説明いただきたいと思います。
このレポートの中では、正しく報告されないと患者が治療について判断できない、有害事象の報告制度が適切に機能しているか疑義が生じる、医師の性善説を信じてきたけれども、新たな仕組みが必要じゃないかと、この調査グループはお医者さんの団体でありますけれども、医師から提言が上がっていますが、これについてはどのようにお考えでしょうか、大臣。
○内山政府参考人 まず、医薬品医療機器等法に基づく報告との違いについて、私の方から御説明をいたします。
再生医療等安全確保法に基づく報告は、先ほど申し上げましたとおりの再生医療の提供に起因するものを対象としている一方、医薬品、医療機器等の報告の方は、因果関係が否定できるものを除き、幅広に報告が行われているということもございますので、こうしたことも差の一つになっているというふうに考えてございます。
ただ、今御指摘いただきましたように、薬機法に基づく不具合の件数と比較して報告数が少ないとの指摘があることを承知してございますので、先ほど申し上げましたように、適切に行われるような努力は続けていきたいというふうに思ってございます。
○田中(健)委員 これについては新たな仕組みが必要ではないかという提言がありますけれども、大臣、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○武見国務大臣 新たな仕組みの創設についてでございますけれども、疾病等報告、医師や委員会が専門的な知見を踏まえつつ、疾病等の原因を究明し、再発防止につなげることで、再生医療等の安全を確保するものであります。まずはこの仕組みをしっかりと運用することが重要だと考えております。適切な周知については、引き続きしっかり検討をしていきたいと考えております。
○田中(健)委員 私は、運用ができていないからこそ、十万件やっても十件ほどしか上がってこないんじゃないかという問題提起、私だけでなく専門家からこういう提起が上がっているということでありますので、是非、この報告書、レポートを読んでいただき、御検討いただければと思います。
その中で、日本再生医療学会は四月三十日に、エクソソームと呼ばれる細胞分泌の微粒子を用いた治療について、製造工程での注意点などをまとめた手引を公表いたしました。これについては、日本再生医療学会は、昨年の十一月にも、現時点で再生医療安全性確保法の対象となっていないということで、このエクソソームを何らかの規制下に置かれることが望ましいんじゃないかということを提言しています。
これは多くのクリニックで自由診療として行われておりまして、ネットでもエクソソームと引けば様々な効能が出てきますし、どなたでも、誰でも受けることができます。
未承認の治療を提供する場合に、リスクを十分に理解して、患者の安全性確保に努めなければならないと思いますが、厚労省は、このエクソソームに関しても、あわせて、これまでどのような対応を取ってこられたんでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、未承認である再生医療を提供する場合を含めまして、医療を受ける方の、患者さんの安全確保を図るということは極めて重要であるというふうに考えてございまして、再生医療等安全確保法では、再生医療等の提供に当たっての統一的なルールを定めて、その安全性の確保を図っているところでございます。
具体的には、医師は再生医療等を提供するに当たって、提供する再生医療等の目的や内容、リスクを含めた予期される不利益などを文書により患者に説明し、同意を得なければならないこととしてございます。
引き続き、患者の皆様に再生医療等のリスクも踏まえつつ治療を受けていただけるように、適切な法の運用に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
また、エクソソームを利用した医療技術につきましては、審議会における議論の結果、その有用性やリスクについて科学的な知見が十分に集積されていないことなどを理由として、現時点においては法の適用の対象とはせず、今後の医療技術の進展を踏まえて検討すべきというふうにされているところでございます。
これにつきましても、エクソソームについての最新の科学的知見を幅広く収集するための調査研究を実施しながら、引き続き必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○田中(健)委員 これも前の質問も大臣に質問通告していますので、大臣にお答えいただければと思っておるんですが。
エクソソームについては、ワーキンググループが見直しの議論を進めたのが令和三年でありまして、もう三年間、そのときからたっています。その中で、去年また今年と、次々と日本再生医療学会から問題が指摘をされています。なぜかというと、様々な、敗血症や重大な事故を引き起こす可能性もあり、海外のクリニックでも安易な使用にはリスクがあるという指摘が出ており、海外でもこの技術についていろいろな議論が今されています。
だからこそ、日本においても対策が必要だと引き続きこの医療学会が述べているんですけれども、これについて、大臣、どのような対応ができるとお考えですか。
○武見国務大臣 現時点ではまだ法の適用対象とはせずに、今後の医療技術の進展を踏まえて検討すべきという形になっております。
厚生労働省としては、エクソソームについては、最新の科学的知見を幅広く集めて、そして、まだもうしばらくは、きちんと科学的知見を確認した上で、今後の対応の仕方については考えていきたい、かように考えます。
○田中(健)委員 確かに、エクソソーム、海外でも注目を集めておりますので、是非検討していただきたいと思います。
最後に、その中で、厚労省のヘルスケアスタートアップ等のプロジェクトチームが中間発表をまとめました。新しい技術を支援していこう、スタートアップを増やしていこうということで、塩崎プロジェクトリーダーの下、中間発表の報告がされたばかりでありますが、今後、どのような課題があって支援を努めていこうと考えていらっしゃるのか、最後にお聞きいたします。
○新谷委員長 塩崎厚生労働大臣政務官、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
○塩崎大臣政務官 お答えいたします。
厚労省のヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム、ヘルスタPTでございますが、四月二十五日に中間取りまとめを行いまして、十八の提言を出させていただきました。
特に、今御質問のありましたバイオ、再生の分野につきましては、創薬の分野で、低分子から、今、様々なモダリティーに比重が高まっておりますけれども、我が国としては、元々、再生医療法等を整備するなど、イノベーションを促進しておりまして、世界の中でも競争力を持ち得る分野であるというふうに注力しております。
中間取りまとめの中では、海外との連携不足によって、開発早期段階の国内外の専門家による助言が不足している問題、又は、新しいモダリティーの製造等に関する専門家が不足している問題、そして、上場前後でのルールの不明確さから成長軌道を維持できない問題を挙げさせていただきました。
こうした問題への対策として、今、AMEDで行われている創薬ベンチャーエコシステム強化事業、これは非常に海外でも評判のいいプログラムですが、これをよりアーリーステージのパイプラインに拡大すること、又は、新規モダリティーの専門家を育成するようなプログラムの構築、そして、日本取引所グループの上場要件の明確化、こうしたものを含めた提言を出しているところでございます。
六月をめどに、最終提言の取りまとめを行いたいと考えております。
○田中(健)委員 最終提言に期待して、質問を終わります。
ありがとうございました。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>田中 けん (タナカ ケン)>2024年5月15日 衆厚生労働委員会 議事録