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白川 司 ブログ

神田警察通りの道路整備工事についての一般質問(2025年3月5日・令和7年第1回定例会)

2025/3/6

千代田区議会自由民主党議員団の一員として、一般質問を行います。

 

神田警察通りの道路整備工事を中心にお伺いします。

 

本道路整備工事については、一昨年の2023年9月22日、令和5年第3回定例会にて質問しました。

 

神田警察通りは、平日の人通りが多く、一方通行であるために自転車が歩道を通行することが散見されたいへん危険です。また、令和8年度に完成予定の神田錦町三丁目施設の周辺では、現在の街路樹を伐採して車椅子やベビーカーがストレスなくすれ違えるスペースが確保されるべきだと指摘しました。

 

さらに、警察署や税務署などの重要施設や学校が多く、工事を急いでほしいと要望しました。

 

また、この整備工事では車線が減るので、路上駐車を避けるためにもアイランド型駐車場が必要ですが、これには木の伐採が必須です。

 

このように伐採が必要な理由については枚挙に暇がありません。

 

この工事について、行政側が苦労を重ねていることは知っております。

 

前回の質問からすでに1年半以上が経過し、その間、資材価格はさらに高騰し、工事関係の労働者不足もますます深刻化しています。

 

工事の遅れは、単に完成が遅れるだけでなく、無駄な支出の増加や関係者のモチベーションの低下など、多くの悪影響を及ぼします。

 

私は、前回に引き続き、年明けから地域の方々に少しずつ聞き取りを行っていますが、工事の遅れに不満を抱く方ばかりでした。

 

前回の聞き取り時よりも強い不満を漏らす方が増えている印象で、怒りを隠さない方もおられます。伐採が進まず工事ができない状況に地域住民の方たちの不満はかなり鬱積しているように見受けられます。

 

言うまでもありませんが、工事が遅れているのは街路樹の伐採が滞っているからです。

 

伐採作業をしていると反対派の人たちが立ち入り禁止区域にも入り込み、木に抱きついて伐採が邪魔されるという異常事態が繰り返されています。

 

毎回このようなことに巻き込まれる工事関係者の皆様に対しても申し訳ない気持ちになります。

 

私も神田警察通りをよく通り、深夜に反対派の方々が交代で見張っている姿を目にすることもあります。その思いの純粋さは理解できますし、その姿からは、木々を心から愛し、守ろうとしている気持ちが伝わってきます。

 

しかし、それに相反する気持ちも同時にわき上がっています。

 

子供の頃、こんな経験をしました。おそらく10歳を過ぎてからのことだったと思います。

 

学校帰りの道路工事現場に、道に沿って街路樹が植えられているのを目にしました。根元は土で丸く区切られており、木の根元周辺は、日に照らされた真新しいアスファルトで固められていました。

 

私はそれを見て、それらの木々がかわいそうになりました。自分が木だったら、もっと自然の多い広い場所で育ちたいと考えるだろう、これではあまりに窮屈ではないか。これらの木々が排気ガスを浴び続けるところを想像して、不憫に思いました。

 

後日、その近辺を通ったときに、仲の良い友達にこんなことを聞きました。「道に植えられるなんて、木は本当にかわいそうだよね」。唐突に私が尋ねたせいか、彼はぽかんとした表情になりました。

 

そこで、「本来なら山でのびのび過ごせるはずなのに、周りをアスファルトで固められて、排気ガスばかりの場所に植えられるのはかわいそうだと思わないか?」と説明を加えました。

 

余談ですが、その友達はとても聡明で、常に理路整然とした考え方をする人物でした。私はその友達を尊敬しており、当時、彼の考え方にかなり影響を受けたと思います。

 

彼はこう答えました。

 

「街路樹がかわいそうだったら、木の柱はどうなの? 箸だって鉛筆だって、木を切って削って作るんだよ。それに、山の木だって人間が苗木を植えているし、人間が木を切って手入れしなければならない。人が住んでいなくても、手入れが必要なんだ」

 

私は少なからず反発を感じましたが、それでも彼は続けて言いました。

 

「かわいそうというのは、君が勝手に思っているだけだろ。1つの現象だけでは、物事の本質はわからないんじゃないか」

 

彼は言葉に私は少なからずショックを受け、何も返事することができませんでした。

 

その後も彼の言う「物事の本質」についてつらつら考えるようになり、それからしばらくして気づいたことがあります。

 

人間の都合で木を植えたり、伐採したりすることも、山に木を植えて伐採し、木材にすることも、すべてが人間の都合であると思い至りました。

 

心洗われるような田園風景すら自然が作り上げた風景ではなく、人間が自分の都合で手を加えて作り替えたものです。自然そのものだと思っていた山の風景も、その友達の言うとおり、人間が管理して、木材になるものは残され、小さな草木は間引かれています。

 

人間が文化的に生きるためには、常に自然をコントロールしていかなければなりません。それは宿命として背負うべきものです。

 

それでも、感情は簡単には拭えないものです。理屈では理解できても、感情は別だからでしょう。

 

私もそういうタチの人間ですから、「木がかわいそうだ」と思う方々の気持ちには、一定の共感の情もあります。

 

ただ、それならば、木を植えることも人間の都合であり、コンクリートに固められ、土壌がわずかしかない街路樹も、同じようにかわいそうであるはずです。すべては人間のエゴにすぎません。

 

伐採を邪魔することが優しさにあふれた行為かのように考えることは、私には大いなる違和感があります。むしろずるさすら感じる部分もあります。

 

都市に住む者にとって街路樹は、ガードレールや信号機と同じように、インフラの一部です。私たちは常に人間の安全を第一に考えなければならない。そういう選択をしました。ですから、現代社会に住むものは、その残酷な事実を受け入れなければなりません。

 

このまま伐採だけを怠れば、植えて切って植え替えるという全体のサイクルが崩れて、倒木リスクが増大するのは当然です。切るときだけに木がかわいそうだと伐採を邪魔するのも、まごうことなき人間のエゴです。

 

本年2月5日、区は伐採作業を始めましたが、途中で反対派の妨害を受け、3本しか伐採できませんでした。

 

その際に伐採された木の幹の画像を自分のXに投稿しました。

 

 

この投稿は予想外に反響を呼びました。今のところ、約1100万近くのインプレッションと7万以上の「いいね」がついています。

 

思いのほか多くのコメントもつきました。すべてに目を通したわけではありませんが、その多くが伐採に賛成するもので、あからさまな反対はほとんど見かけませんでした。

 

この画像からもわかるように、神田警察通りには将来、倒木するリスクがある木が存在します。

 

もともと診断の上で、健全な木は別の場所に植え替え、それ以外は伐採する方針ですから、予防保全の観点からは当然の措置です。

 

中には「反対派の妨害にかまけて、伐採を怠るのは千代田区の怠慢だ」という手厳しい意見も頂戴しました。

 

その一方で、反対派は「話し合いが足りない」と主張しながら、司法闘争も仕掛けています。明らかに矛盾しています。

 

しかし、その結果、この工事には何の瑕疵もないことが司法の場で証明されたと言っていいでしょう。

 

1つめの質問です。行政側は、神田警察通り整備工事を前に進める覚悟をどれほどお持ちでしょうか。

 

この工事を進めるに、最も大事なのは区民のために工事を全うする覚悟です。反対派は司法闘争を含む実力行使を厭いませんから、それを跳ね返すには強靱な心が必要です。

 

近年は社会が高齢化して、変化を好まない傾向が強まっています。現在の反対派の活動もそれとは無関係ではないように感じます。

 

しかし、未来を担う子供たちにも、住みやすさや便利さを追求する権利があります。そのためにも、私たちは変化を恐れてはいけないのです。

 

私たちが住む東京は、1923年の関東大震災で壊滅状態に陥っています。私は学生の時に日本文化史の年表を見ていて、突然、その年から文化作品が極端に減っていることに気づき、愕然としました。関東大震災は江戸文化から続いていた東京の文化をまるごと破壊するほどの威力でした。

 

しかし、東京は不屈の精神で、未曾有の自然災害から経済都市・文化都市として見事に立ち直りました。

 

ところが、それから20数年後にまた破壊されます。1945年の東京大空襲です。2つの原爆投下とともに、アメリカ軍による未曾有の大殺戮から、東京はやはり世界的な大都市として復興を果たしました。

 

もともと東京は何度も壊れては復活してきた不屈の都市です。だからこそ、経済だけではなく、世界を先導するほどの文化都市としてたくさんの人を引きつけ、多くの人材を輩出できたのだと思います。変化を嫌うことはおおよそ東京的ではありません。

 

私たちは先達たちの不屈の精神を学ばなければなりません。そのために必要なのは覚悟です。

 

ただし、本整備工事については、反対派のSNSでの活動がそれなりに効果を発揮していると感じます。それをはねのけるためにも、正しい情報を発信する努力が必要です。

 

たとえば、反対派の一部が、最近、樹冠被覆率(じゅかんひふくりつ)について言及しているようです。

 

樹冠被覆率とは、特定のエリアにおいて、樹冠、つまり樹木の枝葉が地表を覆っている割合を指します。

 

ある反対派が「樹冠被覆率の低下によって市民による伐採への反対運動や抗議が巻き起こった」と発信しているのを目にしました。

 

もしそれが事実でししたら、東京大学の研究によって23区で樹冠被覆率が大きく減少したとされる杉並区や世田谷区で反対運動が起こってしかるべきですが、そのようなことは起こっていません。

 

そもそも千代田区は樹冠被覆率が23区で最も高く、反対のために反対のためにこのことを発信している可能性があります。

 

2つめの質問です。樹冠被覆率に対する私の理解は適切でしょうか。千代田区において過去に「樹冠被覆率の低下によって市民による伐採への抗議が巻き起こった」というのは事実でしょうか。

 

この内容でネット検索をしてみましたが、該当する事項は見つかりませんでした。初めて耳にすることなので、ここできちんと確認できればと考えております。

 

区がこれまでは、反対派の主張に対して、ホームページできちんと反論しつづけていることは把握しております。

 

ただ、SNSが大きな影響力をもつ現在は、SNSや動画で発信することがこれまで以上に重要になっています。単なるプロパガンダであろうと、人は多く目にする情報を正しいと思う傾向があるそうです。ホームページの発信に終始していては、情報合戦で勝てないと考えます。

 

3つめの質問です。区はホームページだけにとどまらない発信を取り組む意欲はおありでしょうか。区の広報誌は当然として、さらにSNSや動画サイトでの発信も必要ではないかと思います。

 

今回はやむをえず質問という形をとりましたが、工事の遅延には私たち議員側にも責任があることは痛感しております。協力できることがあれば全面的に協力し、支援を惜しまないつもりです。

 

区長ならびに関係理事者の明確な答弁を求めて、一般質問を終わります。

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著者

白川 司

白川 司

選挙 千代田区議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 630.651
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肩書 評論家・翻訳家。国際政治・経済について、雑誌・著作・ニュースサイト・YouTubeなどで精力的に発信。
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